エアコンカビ臭いの原因と対策｜部位別チェックで即効解消＆再発防止

エアコンをつけた瞬間のムワッとしたカビ臭、家族からも指摘されて気になっていませんか。実は冷房中の結露が原因で、熱交換器やドレンパンに水分が残るとカビが繁殖しやすくなります。国立保健医療科学院は、湿度が高い環境でカビ由来物質が空気中に拡散しやすいことを示しています。放置すると、咳や鼻炎など不快な症状の一因にもなり得ます。

とはいえ、多くは適切な切り分けと手順で改善できます。例えば「つけ始めだけ臭う」「送風でも臭う」「暖房で強まる」などの症状別に原因部位を推定し、においのタイプ（酸っぱい・生乾き）で初動を変えるのが近道です。送風ファンの黒点が見える場合は広範囲発生のサインとして要注意です。

本記事では、部位ごとの発生メカニズム、家庭で今すぐできる乾燥・清掃手順、スプレー使用時のリスク、車載エアコンの違い、再発防止の運転コツまで実体験と専門資料を基に整理しました。無理な分解なしで試せる手順から、プロ依頼の目安と費用感まで、今日からの一歩を具体的にお伝えします。

エアコンの風がカビ臭いと感じたら最初に確認すること

症状の切り分けで原因に近づく

エアコンの風がカビ臭いと感じたら、最初にやるべきは症状の整理です。つけ始めだけ臭うのか、送風でも臭うのか、暖房にすると強まるのかで、原因部位が見えてきます。例えば、つけ始めだけ臭うなら熱交換器やドレン周りの湿気を疑い、常時臭うなら送風ファンのカビが有力です。暖房で強まる場合は内部の乾き残しやホコリ臭の加熱が関係します。以下の表で傾向を確認し、無駄なく対策へ進みましょう。ポイントは、においの出方と運転モードの関係を客観的に観察することです。判断材料が増えるほど、スプレー任せの場当たり対応を避けられます。

室内の生活臭かエアコン内部かを見分ける手順

まずは室内のにおいとエアコン内部のにおいを切り分けます。手順は簡単です。1つ目は窓を全開にして5〜10分換気し、室内の生活臭を薄めてから運転を開始します。2つ目はフィルターを外して鼻先で軽く確認し、皮脂やタバコの付着臭が強ければそこが発生源です。3つ目は送風運転で15〜20分、水分を飛ばしつつにおいの変化を観察します。カビ特有の土臭い・雑巾臭が続くなら内部汚れが濃厚です。最後に暖房を短時間入れて、加熱で強まる焦げっぽい臭いならホコリ堆積のサインです。これらを順に行えば、無駄なエアコン洗浄スプレー使用を避け、的確な対処に絞り込めます。

1. 窓を開け換気して室内臭をリセットする
2. フィルターの付着臭を確認して簡易清掃する
3. 送風で乾かしながらにおいの変化をチェックする
4. 暖房を短時間入れて加熱時の臭いの有無を確認する

※においが弱まれば室内要因、変わらなければ内部汚れが原因の可能性が高いです。

においのタイプ別の第一手順

においの種類で優先手順が変わります。酸っぱいにおいは熱交換器やドレンのバイオフィルムや雑菌由来が多く、最初にやるのはフィルター清掃と送風での徹底乾燥、ドレンの水流れ確認です。雑巾のようなカビ臭が強い場合は送風ファンの羽根や吹き出し口のカビ付着が濃厚なので、可視範囲の拭き取りとファン部の分解清掃の検討が効果的です。暖房で強いホコリ臭は堆積粉じんの加熱が原因になりやすく、吸気周りの掃除と内部クリーン後の送風乾燥が効きます。安易なエアコンカビ臭い対策としてスプレーだけに頼ると逆効果や残留の懸念があるため、まず乾燥と清掃を優先しましょう。

• 酸っぱいにおい：熱交換器・ドレンの汚れを疑い、送風乾燥と排水確認を実施

• 雑巾臭・土臭さ：送風ファンのカビ付着を疑い、目視清掃や専門クリーニングを検討

• 暖房で強まる臭い：ホコリ加熱や湿気残りを疑い、内部クリーンと送風で仕上げ乾燥

※初動で乾燥とフィルター清掃を徹底すると、においの再発を抑えやすくなります。

エアコンがカビ臭い原因を部位ごとに解説

熱交換器とドレンパンで起きる結露とカビ

冷房や除湿の運転中は熱交換器が急速に冷やされ、空気中の水蒸気が結露します。停止後もしばらく水分が残り、ドレンパンにたまった水とホコリ、キッチン由来の油分が混ざることで、カビや細菌が繁殖しやすい環境になります。その結果、空気の流れに乗って特有のにおいが部屋へ拡散します。ポイントは、冷房停止後の内部の乾燥が不十分だと、次回運転時に「エアコンのカビ臭い」と感じやすいことです。においは酸っぱい臭い、生乾き臭に近いことも多く、内部クリーンや送風を適切に使って乾燥時間を確保することが有効です。カバーを外さず届く範囲のフィルター掃除でも、においの元となる栄養源の除去効果が期待できます。

• 重要ポイント

  • 結露水とホコリがカビの栄養源になりやすい
  • 停止後の乾燥不足でにおいが再発しやすい
  • 内部クリーンや送風の活用で乾燥を促進できる

補足として、冷房強めの運転が続く住まいほど結露が多く、対策は定期的な内部乾燥とフィルター掃除が軸になります。

ドレンホースの詰まりと逆流が招く生臭さ

ドレンホースは結露水を外へ排水する通路です。ここにホコリや虫、藻状のぬめりが蓄積すると排水が滞り、ドレンパンの水位が上がって逆流を起こしやすくなります。逆流水は雑菌が増えやすく、生臭いにおいが吹き出しから戻ることがあります。屋外側のホース先端が土や落ち葉で塞がれていたり、先端形状が地面に接している場合も要注意です。自分でできる応急処置は、先端のごみ除去や軽い吸い出しですが、強い加圧は配管破損の恐れがあるため避けます。定期点検でドレン経路を清潔に保てば、におい再発の抑制に直結します。

軽症であれば先端清掃で改善しますが、繰り返す場合は内部の洗浄を依頼するのが安全です。

送風ファンと吹き出し口の黒カビ

送風ファン（シロッコファン）に付着したホコリと油分は、運転のたびに湿気を帯びて黒カビが繁殖しやすくなります。羽根の面に斑点や黒い筋が見えたら、においの拡散源になっているサインです。ここが汚れると、冷房でも暖房でも空気と一緒に微細な汚れが送り出され、部屋全体でエアコンのカビ臭いと感じます。可視の黒点がある段階は広範囲に発生していることが多く、表面拭きだけでは不十分です。吹き出し口の樹脂面も同様で、拭き取り後に乾燥を徹底することで再付着を抑えられます。自分で掃除する場合は電源遮断と養生が必須で、誤ったスプレー使用は逆効果になるため注意が必要です。

1. 電源を切り、周囲を養生する
2. フィルターを外し、乾いたホコリを除去する
3. 吹き出し口をやさしく拭き、仕上げに送風で内部乾燥する
4. 可視の黒カビやにおいが強い場合は分解洗浄を依頼する

分解を伴う深部の洗浄は機種や内部構造で難易度が高いため、安全性と確実性を重視して選択すると良いです。

自分でできる応急処置と今すぐ試すにおい取り

16度冷房や30度暖房でにおいは取れるのか

エアコンのにおい対策として有名な「16度冷房」や「30度暖房」は、内部を乾燥させてカビ由来のニオイを一時的に抑える効果があります。ポイントは窓を開けて換気しながら短時間で回すことです。とはいえ、熱交換器やドレンパンに付着したカビやホコリが原因なら、乾燥だけでは根本解決になりません。特にエアコンカビ臭い症状が暖房時だけ強い場合は、内部の付着物が熱で揮発している可能性が高く、洗浄やクリーニングが必要です。応急処置はあくまで応急です。においが再発するなら、フィルター掃除、送風での乾燥、専門業者による分解クリーニングまで段階的に進めると改善度が上がります。短時間で効果を感じたい時は条件を整えましょう。

• 窓を開けて換気しながら運転すると室内への再付着を抑えられます

• 時間は30〜60分を目安、やりすぎは結露や電気代の無駄になります

• 再発するなら洗浄やクリーニングへ移行が妥当です

内部クリーンと送風で乾燥させる正しい手順

内部クリーンや送風は、においの元となる湿気を減らしカビ繁殖を抑える基本ケアです。使い方を誤ると逆効果になるので、手順を統一しましょう。冷房や除湿を止める直前ではなく、停止前後に送風をはさみ、必要に応じて内部クリーン機能を追加します。これにより、熱交換器や送風ファンまわりの水分を効率よく飛ばせます。賃貸でも実践しやすく、日常の予防として有効です。エアコンカビ臭い症状の再発を減らすため、週数回のルーチン化がポイントです。

補足として、梅雨やキッチン近くなど湿気や油分が多い環境では乾燥時間を長めに取ると効果的です。

エアコン洗浄スプレーのリスクと使ってしまった時の対処

市販のエアコン洗浄スプレーは、噴霧が届く範囲が限られ、残留液がドレン詰まりや腐食の原因になることがあります。故障リスクやにおいの逆戻りも報告され、車や家庭用で安易に使うのは推奨できません。すでに使ってしまった場合は、乾燥と排出を優先します。賃貸物件では自己判断の分解は避け、管理会社や業者相談が安全です。応急処置後でもエアコンカビ臭い状態が残るなら、分解クリーニングで熱交換器とドレンパン、送風ファンまで物理的に洗浄するのが近道です。

1. 窓を開けて送風運転を長めに回す（60〜120分）
2. その後、暖房高温で短時間運転して内部をしっかり乾燥
3. ドレンホースの排水状態を確認
4. フィルターと吸気グリルのホコリを除去
5. においが続く場合は専門業者に点検とクリーニングを依頼

スプレーは短期の消臭目的には見合いますが、根本原因の除去には分解洗浄が最も効果的です。

正しい掃除方法でカビ臭を根本から断つ

フィルターと外装で落とすホコリ臭

エアコンのカビ臭いニオイが気になり始めたら、まずはフィルターと外装の掃除から着手します。ホコリはカビの栄養源になり、湿った内部で繁殖を後押しします。手順はシンプルでも効果は大きいです。取り外したフィルターはぬるま湯でホコリを流し、中性洗剤でやさしく洗浄します。逆流洗いで繊維奥の粉塵を押し出すのがコツです。水気を残すとニオイ再発の原因になるため、完全乾燥が必須です。外装パネルは柔らかい布で拭き、油煙が当たるキッチン近くは台所用中性洗剤を薄めて拭き上げます。仕上げに送風運転で内部の湿気を飛ばし、ホコリ由来のニオイを抑えます。週1回のフィルター掃除と、月1回の外装ケアで予防効果が安定します。

• ポイント: フィルターは完全乾燥、外装はやわらかい布でキズ防止

• 注意: 漂白剤やアルコールは樹脂やコーティングを痛める恐れ

（ホコリを減らすだけでニオイは大きく低減します。次は風の通り道を清潔に保ちます。）

吹き出し口と送風ファンの汚れ対策

吹き出し口と送風ファンに付着した黒い点やベタつきは、カビやヤニ、キッチン由来の微粒子が混ざった汚れです。ここが汚れていると、運転のたびにニオイが拡散します。作業前に床と壁を養生し、電源プラグを抜いて安全を確保します。届く範囲は綿棒や柔らかいブラシ、不織布クロスで軽く拭き取り、強い力や硬い工具でのこすりは避けます。ファンは角度を変えながらゆっくり回転させ、見える羽根を一枚ずつ拭くと効果的です。スプレーの吹き付けすぎは滴下→基板故障のリスクがあるため厳禁です。ニオイが強い、ベタつきが厚い、異音が出ている場合は無理な分解は避けて業者に相談してください。

（届く範囲のやさしい清掃で十分に改善します。頑固な汚れは無理をせずプロ対応が安心です。）

熱交換器のケアでにおいの根を断つ

熱交換器（エバポレーター）は結露が起きやすく、カビ繁殖の温床になりやすい重要部位です。羽根やフィンは薄くて繊細なので、毛先の柔らかいブラシでホコリを浮かせ、掃除機で弱風吸引する方法が安全です。フィンに対し縦方向に作業し、曲げないことが鉄則です。市販のエアコン洗浄スプレーは機種や状態により逆効果となる例があるため、多量噴霧や流れ込みに注意します。作業後は送風または内部クリーン機能で十分に乾燥させ、試運転でニオイ・風量・異音を確認します。酸っぱいニオイや湿った生乾き臭が残る場合、ドレン詰まりやドレンパンの汚れが原因のことも多く、クリーニングの依頼が近道です。暖房運転だけでカビが完全に消えることはないため、清掃＋乾燥のセットで対策しましょう。

1. 電源を抜き安全確保
2. 柔らかいブラシでホコリを浮かせる
3. 掃除機で弱風吸引（フィンは縦方向）
4. 送風や内部クリーンで乾燥
5. 試運転でニオイと動作をチェック

（内部の乾燥まで行うことで、におい戻りを抑えられます。改善が乏しいときはプロの分解洗浄が有効です。）

内部クリーン機能や自動掃除があるのに臭う時の見直しポイント

内部クリーンや自動洗浄の限界と誤解

内部クリーンや自動掃除は便利ですが、乾燥や表面のホコリ除去が中心で、熱交換器や送風ファンに付着した皮脂汚れ、キッチン由来の油煙、タバコのヤニなどのカビの栄養源を除去しきれないことがあります。さらに、短時間の乾燥では内部の深部まで水分が抜けず結露が再発し、結果としてエアコン内部でカビが繁殖しやすい状態が続きます。エアコンカビ臭いと感じる家庭では、内部クリーンの頻度や運転時間が不十分、または停止直後に電源を切って送風仕上げを行っていないケースが目立ちます。以下のポイントを押さえると効果が上がります。

• 内部乾燥は運転停止前後に十分な送風時間を確保すること

• フィルター掃除を2週間に1回の目安で実施しホコリ堆積を抑制

• 台所が近い部屋は油分付着を想定し、洗浄頻度を増やす

• 自動掃除付きでも年1回の分解クリーニングの検討が有効

補足として、表面のニオイ取りスプレーだけでは原因物質を除去できず、再発や逆効果になる場合があります。成分の残留はカビの温床になるため注意が必要です。

設定温度や運転モードで起きる結露量の違い

冷房はコイル温度が下がるため結露量が多く、除湿はモードにより結露と再加熱で体感はサラッとしますが内部は濡れています。結露はカビの出発点なので、使い方で湿気滞留を抑えることが重要です。エアコンカビ臭い症状が出るときは、冷房と除湿を使い分け、最後は送風で仕上げ乾燥する運用が効果的です。以下の比較を参考にしてください。

運用手順の一例です。

1. 冷房や除湿の使用後は、カビの栄養源拡散を防ぐため停止直前に風量を中以上にする
2. 停止後、送風10〜30分で内部乾燥を行う
3. 湿度が高い日は、就寝前に除湿→就寝直前に送風で仕上げる
4. 週1回、外気を取り入れた換気をセットで行い室内の湿気を逃がす
5. ニオイが戻る場合は、フィルター掃除→吹き出し口の拭き取りまで同日に実施する

この運転見直しで内部の結露滞留を抑え、ニオイのもとを増やさない習慣が作れます。冷房の設定温度を極端に下げるほど結露が増えるため、温度は無理のない範囲での調整が重要です。

暖房や送風でカビ臭いときに考えるべきこと

暖房で発生するにおいの種類と見分け方

暖房に切り替えた途端のイヤなニオイは、原因ごとに手の打ち方が変わります。ポイントは「焦げ臭」「カビ臭」「酸っぱい臭」の見極めです。焦げ臭は運転初期にヒーター部や熱交換器に付着したホコリ焼けが主因で、数分で収まるなら心配は小さめです。一方、湿気とホコリが残った内部で繁殖したカビが放つカビ臭は継続しやすく、夏の冷房時の結露汚れが残留して悪化します。酸っぱい臭いは台所の油煙や生活臭が送風ファンやフィルターに付着して酸化したケースが多いです。エアコンカビ臭いと感じたら、運転モードや運転直後か継続かを観察し、内部クリーンや送風乾燥、フィルター掃除の優先度を判断します。暖房でだけ臭うなら、冷房期の汚れ残りと乾き不足を疑うのが近道です。

• 焦げ臭はホコリ焼けでカビ臭は夏の汚れ残りが要因になりやすい

シーズン切替時のメンテナンス手順

暖房シーズン前後は短時間でもルーティン整備が効きます。次の手順で内部の湿気と汚れをリセットしてください。

1. 本体電源を抜かずに前面パネルを開け、フィルターの掃除（掃除機→ぬるま湯洗い→完全乾燥）を行います。
2. 取り外せる範囲の吸気グリルと吹き出し口を中性洗剤で拭き、乾拭きで水分を残さないよう仕上げます。
3. 送風運転で30～60分乾燥。内部クリーン機能がある機種は機能を有効化し、停止後もファン乾燥まで待ちます。
4. 換気しながら試運転（暖房）10～15分でにおいを確認。継続する強いカビ臭はクリーニングのサインです。
5. ドレンホースの折れや詰まり、室外側の排水性もチェックし、結露水が滞らない状態を保ちます。

この流れで「においの発生源」「乾き不足」「排水不良」を同時に潰せます。

送風だけ臭い場合のチェックリスト

送風運転でだけ臭うなら、熱ではなく風の経路に問題が潜みます。まずは目視と嗅覚で場所を絞り込み、次に乾燥と清掃で再発を抑えましょう。以下を順に確認すると原因にたどり着きやすいです。

• 送風ファンの付着臭を確認（黒い斑点やベタつきは要注意）

• ドレンの乾き不足やホースの詰まりを点検（排水停滞はカビ繁殖を招きます）

• フィルターと熱交換器のホコリの蓄積を確認（空気抵抗増で湿気がこもります）

• 室内の生活臭移り（キッチンの油煙、タバコ、ペット臭）が付着していないかを確認

送風で臭いが強い場合、アルコールや香り系スプレーの吹き込みは逆効果になりやすく、エアコンカビ臭い原因を奥へ押し込むだけです。付着源の除去と送風乾燥を優先してください。

テーブルは初動の当たりを付ける指針です。症状が長引く、咳や目のかゆみなど体調不良が出る場合は早めのクリーニングをおすすめします。

車のエアコンがカビ臭い時の対処と家庭用との違い

車内の結露とエバポレーター汚れ

車のエアコンがカビ臭くなる主因は、エバポレーター表面の結露に付着するホコリや皮脂、花粉が栄養源となりカビが繁殖することです。短距離の頻回な運転や内気循環の多用で乾燥時間が足りず、停止後も水分が残ってニオイが出やすくなります。家庭用と比べて車は密閉空間が小さく、乗車直後の温度差で結露が急増しやすい点も不利です。対処の第一歩は走行終盤で送風を活用し内部を乾燥させること、フィルターやドレンのメンテを定期化することです。エアコン洗浄スプレーは機種により逆効果のリスクもあるため、噴霧位置と量に注意し、届かない汚れはプロのクリーニングを選ぶと安心です。

• 短距離＋内気循環は乾燥不足でカビが残留しやすいです

• 走行終盤の送風運転でエバポレーターを乾かすと効果的です

• ドレン詰まりの点検で結露水の滞留を防げます

短時間でも実行できる乾燥習慣と、詰まりのない排水経路の維持が、ニオイ再発の抑制に直結します。

車のフィルター交換と除菌のタイミング

車のエアコンフィルターは1年または1万キロを目安に交換すると、カビ臭の抑制と風量の確保に有効です。花粉や黄砂、キッチン由来の油分が付着すると、内部の空気抵抗が増えて結露が残りやすくなります。除菌は交換直後に行うと効果が安定しますが、消臭剤を使う時は十分な風量と換気を確保してください。強い香料でごまかすと原因の汚れが残り、かえってニオイが混ざって不快になりがちです。スプレーは吸気側に軽く、説明書に沿って短時間で仕上げ、最後は送風でしっかり乾燥させることが大切です。症状が強い場合は、送風口だけでなくエバポレーター洗浄やドレン清掃まで踏み込むと改善しやすく、無理を感じたら専門業者に相談すると安全です。

1. 交換時期を厳守し目詰まりを防ぐ
2. 消臭は原因除去が先で香りに頼らない
3. 使用後は送風乾燥で水分を残さない
4. 内気循環の連続使用を控え外気導入で換気する

短い工程でも、原因除去→除菌→乾燥の順番を守ると、エアコンカビ臭いトラブルの再発がぐっと減ります。

プロのエアコンクリーニングを依頼すべきサインと費用感

クリーニング業者に頼る目安

エアコンの送風から酸っぱいニオイやカビ特有の刺激臭が続く場合は、内部の熱交換器や送風ファンに汚れが蓄積しています。とくに黒い点々が吹き出し口で広がって見えるときは、表面拭きでは不十分です。家庭の掃除やスプレーでは届かないエバポレーター奥のホコリと結露が原因でカビが繁殖し、エアコンカビ臭い状態が常態化します。以下の症状が複数当てはまったら分解洗浄の検討が安全です。

• 送風や暖房で強いニオイが続く

• 内部クリーンや送風乾燥をしても半日で再発

• 運転時に黒い粉や汚れが落ちる

• 冷暖房効率の低下や異音が増えた

応急処置としての換気や短時間の16度運転では再付着を防げません。健康面のリスク回避と性能回復を両立させるため、早めのプロ依頼が有効です。

依頼前に確認するポイント

業者選びは仕上がりと安全性を左右します。依頼前に分解範囲、洗浄方法、保証やアフター対応を明確にしましょう。壁掛け一般機とお掃除機能付きでは分解手順と時間が異なり、費用も変動します。高圧洗浄でも洗剤の種類や養生品質で結果は大きく差が出ます。目安としては、標準機は1台あたりの費用が1万円台から、機種や汚れ度合いで加算されます。以下の観点で比較すると失敗が減ります。

電話や見積時に使用環境と症状を具体的に伝えると、必要作業の過不足を防げます。

抗菌コートや消臭加工の持続期間と注意点

抗菌コートや消臭加工は環境次第で持続期間が変動します。キッチン近くでの使用、喫煙、ペット、湿度の高い部屋では効果が短くなる傾向があります。期待できるのは再汚れの抑制で、既存のニオイを根本から消すものではありません。導入する場合は次のステップで判断すると納得度が高まります。

1. 分解洗浄で汚れとカビを除去し、臭気のベースをゼロに近づける
2. 送風乾燥や内部クリーンを習慣化し、結露残りを減らす
3. 抗菌や消臭は補助的に併用して再発を遅らせる

効果に過度な期待をせず、定期清掃と換気の徹底を組み合わせることが大切です。エアコンカビ臭い再発を抑えるには、運転後の送風乾燥やフィルター掃除を継続する運用が最も効きます。

カビ臭の再発を防ぐ運転と暮らしのコツ

冷房停止前の送風運転で内部を乾かす

冷房後の内部は結露で湿りやすく、そこにホコリが付着するとカビが繁殖してエアコンのニオイが戻りがちです。運転停止前に送風で乾かすだけで、カビの発生は大きく抑えられます。目安は毎回の使用後に送風15〜30分、湿度が高い日は45〜60分を推奨します。リモコンの内部クリーン機能がある機種は、自動で乾燥できるよう設定しておくと手間が減ります。送風時は風量を中以上にし、フィルターが目詰まりしていないことも重要です。機種によっては暖房短時間で乾燥効率が上がるため、室温に配慮しながら短時間併用する方法も有効です。エアコンカビ臭いと感じる前段で日々の乾燥習慣を固定化しましょう。

• ポイント: 毎回数十分の送風乾燥を習慣化し梅雨時は時間を延ばす

• 効果実感の目安: 1〜2週間でニオイの立ち上がりが軽減

（送風乾燥の習慣化は最も手軽で費用ゼロの対策です。）

室内の湿度対策と換気の見直し

部屋の湿気が高いとエアコン内部も乾きにくく、カビ臭の温床になります。目標湿度は45〜55％、調理・入浴後は水蒸気が滞留しやすいので換気扇やレンジフードを活用し、短時間の窓開けで湿気を逃がします。冷房運転は風量を落とし過ぎず、除湿モードの使い分けで結露を抑制します。観葉植物や室内干しが多い部屋は、サーキュレーターで空気循環を起こし、壁際や家具裏の停滞を減らすことが有効です。ニオイが出やすい住まいはキッチンとエアコンの吸い込み距離にも注意し、油分の付着抑制がカギとなります。以下の一覧で見直しポイントを整理します。

（室内環境を整えるとエアコンの対策効果が長持ちします。）

フィルター清掃の頻度とチェックサイクル

フィルターの目詰まりは風量低下と結露増に直結し、エアコンカビ臭い原因を増幅します。基本は2週間に1回の掃除、ペットやキッチン隣接など汚れやすい環境では週1回を目安にしてください。手順は次の通りです。

1. 電源を切り本体が停止したのを確認
2. フィルターを外し掃除機でホコリ除去
3. ぬるま湯で水洗いし完全乾燥
4. 吹き出し口の見える範囲を乾いた布で拭き上げ
5. 取付後に送風10分で内部を乾かす

スプレーの多用は逆効果となる場合があり、エアコン洗浄スプレーの薬剤残りがニオイや故障の原因になることがあります。取れない汚れや酸っぱいニオイが続くときは、クリーニング業者への依頼を検討しましょう。汚れやすい環境では短周期の点検をカレンダーでスケジュール化すると再発を抑えやすいです。