エアコンシロッコファン掃除完全ガイド｜臭い激減・電気代3％節約の安全手順

エアコンの吹き出し口からイヤな臭い、風量の低下、運転音の増加――その犯人は「シロッコファン」の汚れかもしれません。内部の羽根にホコリとカビが付くと気流が乱れ、熱交換効率が低下して電力消費が増えやすくなります。国立環境研究所は室内の微生物由来粒子が空調使用時に増えるケースを報告しており、衛生面の配慮も欠かせません。

とはいえ「分解がこわい」「何を使えば安全？」という不安は当然です。本記事では、家庭用室内機で一般的な構造をやさしく図式化し、分解せずにできる基本手順から、取り外しの判断基準・上級者向けの洗浄まで段階別に解説します。素材を傷めにくい洗浄剤の選び方や残留リスクの管理、作業後の乾燥・再発防止のコツも網羅します。

筆者は家電・空調分野の記事制作で多数の監修協力実績があり、メーカー公開資料や公的機関の情報を参照して構成しています。まずは安全準備と下ごしらえから、ムリなく一歩ずつ進めましょう。読み終えるころには、臭いと効きの悩みを自宅で確実に軽減できる「再現性の高い手順」が手に入ります。分解なしの時短クリーニングから、取り外し洗浄の要点まで一気に把握してください。

エアコン シロッコファンとは何かと構造の基礎をやさしく解説

送風の仕組みとファン形状による汚れやすさ

エアコンの室内機にあるエアコン シロッコファンは、円筒状のドラムに多数の細いブレードを持ち、吸い込んだ空気を前方へ押し出します。ブレードの角部や端面、筒内側のリブに気流の渦や負圧域が生じ、微細なホコリや油分が付着しやすくなります。湿度が高い時期は結露水が汚れを固定し、乾湿を繰り返すことでカビが繁殖します。掃除スプレーやアルカリ電解水で汚れを浮かせつつ、専用ブラシで溝をなぞると効果的です。分解しない掃除でも一定の改善は可能ですが、付着点を理解して丁寧に当てることが重要です。

• 付着しやすい箇所: ブレード根元/端部、筒の吸い込み側、羽根の風下側

• 汚れの主因: 微粉じん、皮脂エアロゾル、結露水、台所由来の油分

• 推奨道具: 先細ブラシ、霧吹き、アルカリ電解水、吸水クロス

クロスフローとラインフローの違いを理解する

家庭用の壁掛け室内機では、筒状ファンで横一列に空気を取り込み横断させるクロスフローが主流です。名称が近いラインフローは産業機器の送風概念で、家庭用では一般的ではありません。クロスフローは薄型筐体でも均一に送風できる一方、細かなブレード溝が多く、汚れが溜まると掃除の手間が増します。掃除の難易度はブレード密度やアクセス性で左右され、取り外し可能な機種ほど清掃性が高い傾向です。購入時は清掃しやすい構造かどうかも確認すると維持管理が楽になります。

• 主流方式: 家庭用はクロスフロー型

• 清掃性の要点: ブレード密度、手元アクセス、前面ルーバーの開口

• 機種選び: 取り外しやすい構造は定期清掃の負担を軽減

回転ファンのバランスと異音発生メカニズム

シロッコファンは高速で回転するため、ブレードに汚れが偏ると質量不均衡が生じ、回転中心がぶれて振動や異音を出します。特定の羽根に付着した固着汚れや、折れや欠けがある場合はアンバランスが大きくなり、軸受けやモーター負荷が増大します。小さな片寄りでも共振域に入ると音が強調され、送風効率が低下します。掃除では円周方向に均一に汚れを落とし、片側だけを強くこすらないことがポイントです。羽根の損傷がある場合は無理に使用せず、修理や交換の判断が安全です。

• 典型症状: ブーン、ビビり音、風切り音の増大

• 要因: 汚れの偏り、羽根の欠損、軸受けの摩耗

• 予防: 均一清掃、十分な乾燥、定期点検

汚れが及ぼす影響（臭い・効き・消費電力）

汚れたシロッコファンは、吹き出しの臭いの原因になります。湿気と有機物が混ざると微生物が増え、運転開始直後にむっとした臭気が出やすくなります。ブレード表面の堆積物は風量を下げ、熱交換器を通る空気量が減るため冷暖房の効きが悪化します。設定温度に達しにくくなり、運転時間が伸びて消費電力が増えます。定期的な掃除を行うと、臭いの低減、風量回復、電気代の抑制につながります。自分での掃除が難しい場合は、専門業者の分解洗浄で内部の付着物まで除去できます。

• 影響: 臭気、風量低下、効率悪化、電力増

• 改善策: 定期清掃、乾燥運転、フィルター管理

• 目安: 臭い・風量低下・異音を感じたら早めの清掃

清掃性と影響比較

掃除を始める前の安全準備と下ごしらえ（失敗しない基本）

必要な道具と代用品の選び方

エアコンのシロッコファンを掃除する前に、用途ごとに道具をそろえると安全で効率的です。アルカリ電解水は油分やヤニを分解しやすく、霧吹きで均一に塗布します。シロッコファンの羽根には毛先の密な掃除ブラシを使い、隙間は柄の細いブラシで届かせます。滴下汚水を受ける養生シートと吸水性の高い雑巾を併用し、安定した脚立で作業高さを確保します。代用品として、アルカリ電解水は弱アルカリの住居用クリーナー、霧吹きは空のスプレーボトル、ブラシは歯ブラシや100均のエアコン掃除ブラシ、養生シートは大きめのゴミ袋を切り開いてテープ留め、雑巾はマイクロファイバークロス、脚立はぐらつきのない椅子で代替可能です。自分で掃除する場合でも、道具の安定性と養生の徹底が失敗防止の鍵です。

• 用途を決めて道具を選ぶと無駄が出ません

• 代用品は耐水性と強度を確認してから使います

• ブラシは硬すぎると樹脂を傷つけます

• スプレーは微細ミストより直噴タイプが向きます

• 脚立は天板に立たず、耐荷重を確認します

洗浄剤の可否と素材への影響

エアコン内部はアルミの熱交換器と樹脂パーツが多く、洗浄剤選びを誤ると変色や腐食の原因になります。シロッコファン掃除は中性〜弱アルカリを基本とし、アルカリ電解水は短時間の塗布と十分な拭き取りを守ります。強アルカリはアルミを腐食させやすく、塩素系や高濃度アルコールは樹脂の白化やクラック、金属部の劣化につながるため避けます。カビ取りを目的に塩素系を使うと臭気と残留のリスクが高まり、室内での使用は不適切です。スプレー洗浄剤も、発泡タイプは奥に残留しやすいので使用後のすすぎと送風乾燥が必須です。素材を守ることが故障回避と長期的なコスト削減につながるため、迷ったら中性を選び、見えにくい部分で目立たない試験拭きをしてから全体へ広げると安心です。

• 強アルカリ・塩素・高濃度アルコールは使用不可

• 中性〜弱アルカリは短時間で作業し残留を拭き取ります

• 研磨剤入りは微細傷の原因になります

• 異臭や変色が出たら直ちに拭き取りを中止します

• 仕上げは清水拭きでpHを中和方向へ戻します

本体の養生と分解しない範囲のカバー手順

エアコンのシロッコファン掃除を自分で行う際は、分解しない範囲で確実に養生することが重要です。最初に運転停止後数分待ち、コンセントを抜いて感電と誤作動を防ぎます。前面パネルを開け、フィルターを取り外して別途洗浄します。ルーバーは手で動かして水平位置に固定し、動作レバーに負荷をかけないよう注意します。次に本体下部から床まで養生シートを垂らし、テープで固定して滴下汚水をバケツに誘導します。熱交換器や基板側へ液が流れないよう、本体内の下流側に吸水性の高い雑巾を詰めて防波堤を作ります。スプレーはシロッコファンの手前側から控えめに噴霧し、回転させながら均一に行き渡らせます。最後に床の滑り対策として滑り止めマットを敷き、脚立の設置角度と足元の安定を確認してから作業を始めます。

• 必ず電源プラグを抜いてから作業します

• 養生は「下→周囲→本体内」の順で重ねます

• ルーバーは無理に外さず位置だけ固定します

• 液だれは受け口を作って一点に集めます

• 作業中は強い力で羽根を押さえつけないようにします

分解せずに自分でできる送風ファンの掃除方法（初心者向け）

吹き付け→回転→ブラシ→すすぎ→送風乾燥の基本ステップ

エアコンのシロッコファンは、分解せずに掃除できます。準備は電源オフ、コンセント抜き、床と本体下を養生します。アルカリ電解水または中性のファン用スプレーをファン全周へ均一に吹き付け、リモコンの送風や手回しで回転させて薬剤を行き渡らせます。次に、100均でも手に入る薄型の掃除ブラシや隙間ブラシで羽根の溝を一定方向に掻き出します。汚れが浮いたら霧吹きで軽くすすぎ、滴はウエスで吸い取ります。最後にパネルを閉じ、送風運転で30〜60分乾燥します。冷房直後の高湿時は乾燥時間を長めに取り、においが軽減するまで継続します。フィルターも同時に清掃すると効果が安定します。

• 均一噴霧、回転させて行き渡らせる、隙間ブラシで掻き出し、霧吹きですすぎ、送風運転で乾燥の流れを明確化

残留洗剤と水滴のリスク管理

残留した洗剤や水滴は、におい再発や金属部の腐食、基板への水侵入リスクにつながります。噴霧量の目安は、羽根表面が軽く湿る程度に2〜3周で止め、したたり落ちる量は避けます。すすぎは霧状で最小限にし、滴はキッチンペーパーで都度吸水します。乾燥は送風30〜60分、湿度が高い日は90分まで延長します。下向きに付着した水はドレンへ流れますが、過度な水量は汚水の飛散やドレン詰まりの原因です。においが残る場合は翌日に再度短時間の送風乾燥を追加します。通電前に外観の水滴がないことを確認し、吹き出し口の水分は布で拭き取り、安全を最優先に進めます。

仕上がり判定と再汚れ防止のコツ

仕上がりは「羽根の色調」「におい」「風量と気流」で判断します。羽根の黒や濃灰が均一で、白い粉じんや斑点状のカビが見えなければ良好です。送風や冷房開始時の酸っぱい臭気が弱まり、風の立ち上がりがスムーズなら内部のホコリ付着が減ったサインです。再汚れ防止には、運転後の送風乾燥を10〜30分行い、湿気を残さないことが有効です。冷房主体の時期は週1回の簡易ブラシ清掃、月1回のスプレー軽清掃を目安にします。喫煙環境やペット同居では頻度を上げます。取り外し可能な機種でなくても、この手入れを継続すればカビ発生を抑えられます。風切り音の増加や斑点の再発が見えたら早めに再清掃しましょう。

• 羽根の色調・臭い・吹き出し気流の変化で判定し、使用後の送風乾燥の習慣化を提案

【道具と用途の早見表】

外し方の判断基準と取り外し可能な機種の見極め（中級者向け）

取り外し可否のチェックポイントとリスク

エアコンのシロッコファンを外す前に、型番でサービスマニュアルの分解可否と作業順序を確認します。前面パネルやドレンパンを外した状態で、固定ネジの本数と位置、ハブの形状（六角ボルト、Cリング、スナップリングなど）を見極めます。モーター配線の取り回しや結束位置、ドレンホースや結露受けとの干渉も要確認です。室内機背面のスペースが狭いと軸抜きが難しく、無理にこじると軸曲がりや羽根の破損につながります。家庭用は「取り外し可能」と取説に明記の機種は限定的で、記載がない場合は分解想定外です。清掃目的でも分解痕や破損は保証対象外となることが多く、費用負担が発生します。

• 型番でメーカー公開の分解手順を確認します

• 固定方式とネジ位置をすべて把握します

• 配線とドレンの干渉を事前に確認します

• 取説に分解可否がない機種は無理をしません

外れない場合の対処と故障回避

ハブが固着して外れない場合でも、無理なこじり、熱風や加熱、潤滑剤の浸透投入は避けます。潤滑剤は樹脂や防振ゴムを傷め、熱は軸シールや接着部を劣化させます。作業を中断する基準は「固定具の全解除を確認しても軸方向に1mmも動かない」「羽根のしなりが規定以上に出る」「モーター側配線が引っ張られる」のいずれかに該当した時です。再組立ては逆順で確実に行い、羽根の芯ブレ確認として手回しで干渉音の有無を点検します。折れや欠けが生じたシロッコファンは回転バランスを崩し、振動や軸受け損傷の原因になるため使用を控えます。清掃は分解せず、ブラシやスプレーで届く範囲に切り替える判断が安全です。

• 1mmも動かないなら中断します

• 加熱・潤滑剤・力任せの作業は行いません

• 手回しで芯ブレと干渉音を点検します

• 折れ・欠けは使用停止し、交換を検討します

メーカー別の一般的な特徴と外しやすさの傾向

家庭用エアコンは機種ごとに固定方式や作業スペースが異なり、シロッコファンの外しやすさに差があります。一般的に、前面サービススペースが広い機種やドレンパン分割構造は作業性が高い一方、一体型ドレンパンや背面クリアランスが狭い機種は軸抜きが難しくなります。ボルト固定は工具アクセス性が重要で、スナップリングは専用プライヤが必要です。取り外しを前提とした「ファン取り外し可能」と明記のモデルは少数で、同一メーカーでもシリーズや年式で難易度が変わります。掃除を自分で行う場合は、分解に依存しないブラシやアルカリ電解水のスプレー清掃で完結できる設計かを重視し、外し方の情報が乏しい機種は業者のクリーニングを検討すると安全です。

• 分割ドレンパンは作業性良好です

• 一体型ドレンパンは軸抜きが難しいです

• スナップリングは専用工具が必要です

• 年式差で固定方式が変わる点に注意します

機種差の難易度比較（概要）

取り外して洗浄する手順と乾燥・復旧のポイント（上級者向け）

本体カバー・ルーバー・ドレンパンの順序と注意点

エアコンのシロッコファンを上級者が自分で掃除する場合は、順序と養生が要です。電源プラグ抜去後、前面カバー→ルーバー→フィルター→化粧パネル→電装カバー→ドレンパンの順で外します。樹脂パーツは寒冷時に割れやすいため室温で扱い、こじらず爪位置を確認します。ネジは長さと頭形状ごとに小分けし、外し方の差し戻し防止に配線ルートとコネクタ位置を写真で記録します。基板やセンサー類は水気厳禁のため、養生テープとビニールで保護します。機種によりシロッコファンの取り外し可能/不可が分かれるため、サービスマニュアルの指定トルクと外し方を事前に確認します。無理な分解は折れや接触不良の原因になります。

• 破損しやすい樹脂部の扱い、ネジ管理、配線記録（写真）の基本を整理

外したファンの洗浄（つけ置き・ブラッシング）と乾燥条件

シロッコファンは中性〜弱アルカリの洗浄液を用い、ヤニや油分を軟化させてからブラシで清掃します。アルカリ電解水や中性洗剤を40℃前後のぬるま湯で希釈し、羽根の根元まで浸るよう10〜20分つけ置きします。次に、ナイロンの掃除ブラシや歯ブラシで羽根の進行方向に沿ってブラッシングし、隙間のホコリとカビを除去します。高圧での直噴はバランス崩れを招くため避け、十分な流水ですすぎ、洗剤分を完全に落とします。乾燥は水切り後、風通しのよい日陰で自然乾燥し、滴下が無くなるまで放置します。送風のみで一時乾燥させると効率的ですが、軸受部に水分が残らないよう完全乾燥を確認してから復旧します。

• 中性～弱アルカリで付着物を軟化→ブラッシング→十分なすすぎ→完全乾燥の条件を明示

復旧時のバランスと異音対策

復旧では、シロッコファンのハブ位置とモーター軸の合わせ込みが重要です。挿入時はキー溝や面取り方向を確認し、規定位置まで確実に差し込みます。固定ネジは対角で均等に締め、片押しによる偏芯を避けます。ドレンパンやルーバーは動作範囲の干渉がないか手回しで確認し、配線は元の結束位置へ戻します。試運転は冷房ではなく送風で開始し、低→中→高の順に回転を上げて振動、擦れ音、共振をチェックします。異音が出る場合は、ファン外周とケーシングのクリアランス、ネジの緩み、ゴムブッシュの座りを再点検します。わずかな汚れ偏在でもバランスが崩れるため、羽根全周の清掃ムラがないか再確認します。

• ハブ位置合わせ、締付均等、試運転時の振動・擦れ音のチェック項目を提示

部位ごとの注意点と対応

• エアコンのシロッコファン掃除は機種差が大きいため、取り外し可能機種かを事前確認します。

• スプレー洗浄のみより分解洗浄は高精度ですが、リスクも上がるため迷ったら業者へ依頼します。

掃除スプレーと専用クリーナーの選び方（効果とリスクを比較）

エアコン シロッコファンの掃除は、スプレーと専用クリーナーの成分と適合性を見極めることが重要です。アルカリ電解水は油分とヤニに強く、低残留で扱いやすい一方、強アルカリはアルミや塗装に影響します。中性の専用スプレーは安全域が広い反面、重度のカビには時間がかかります。泡タイプは羽根の隙間に滞留して汚れを巻き込みますが、過泡はドレンパンへ流出しやすくリスクです。防錆成分を含む製品はアルミフィン周辺への悪影響を抑えます。自分で掃除する場合は、分解しない方法で養生を徹底し、すすぎと送風乾燥を確実に行いましょう。業者へ依頼する場合は洗浄剤のpHと養生方法、万一の補償を確認すると安心です。

成分と用途の比較

選定の実務ポイント

• 分解しない掃除なら中性〜弱アルカリの低残留タイプを優先します。

• 霧吹きでのすすぎを確保し、送風運転で乾燥します。

• ブラシはシロッコファンの羽根角度に合う柔らかめを選び、傷を避けます。

• 取り外し可能な機種でも無理な分解は避け、外し方はメーカー手順を確認します。

• 交換や修理の予定がある場合は強い薬剤を避け、業者の洗浄仕様を事前確認します。

成分比較と素材適合性の見方

エアコン シロッコファンは樹脂羽根、アルミの熱交換器、ゴムや接着部が近接するため、成分と素材の適合性を同時に判断します。pHは中性〜弱アルカリが安全域で、アルカリ電解水は残留が少なく分解しない掃除に向きます。界面活性剤は高洗浄力でも残留が臭いの原因になるため、低起泡・低残留を選び、泡タイプは滞留性を利用して短時間で汚れを浮かせます。防錆成分はアルミ近傍に配慮した配合が安心です。ブラシは100均でも細軟毛の円弧形が有効で、強い硬毛は樹脂に白傷を作る恐れがあります。自分で掃除する場合は、養生シートで汚水の回収経路を確保し、霧吹きによるすすぎと送風乾燥で水分を取り除くことが再発防止につながります。

素材適合性早見

実務のコツ

• 羽根の回転方向に沿ってブラシを動かし、力を分散します。

• 1パネルずつ区切って塗布→待機→拭き→すすぎの順で進めます。

• ドレンパン方向へ汚水が流れないよう、手前で吸水し回収します。

• 匂い戻り対策として、すすぎ後に送風30分以上で乾燥します。

スチームクリーナーやアルコールの可否

高温蒸気は樹脂の熱変形、コーティングの軟化、接着部の剥離を招く恐れがあり、分解しない掃除では推奨しません。蒸気が電装部に侵入すると結露由来の故障リスクも上がります。アルコールは脱脂力が高く速乾ですが、高濃度はゴムの膨潤や樹脂の白化を起こしやすく、塗装面の艶引けも懸念されます。エアコン シロッコファンの日常清掃は中性〜弱アルカリの専用スプレーやアルカリ電解水で代替し、アルコールは局所の除菌に限定します。どうしてもスチームを使う場合は低温モードで短時間、電装・センサー部を完全養生し、直後に送風乾燥を行います。可否が不明な機種はメーカーの取扱説明書で外し方と禁止薬剤を確認し、迷ったら業者に相談するのが安全です。

プロの業者に依頼すべきケースと費用感の目安

依頼判断の基準と見積もりで確認すべきポイント

エアコンのシロッコファン掃除は自分で対応可能な範囲もありますが、ひどいカビの繁殖、羽根が折れた疑い、運転時の異音や振動、水漏れがある場合は業者依頼を検討します。見積もりでは分解範囲（送風ファンまでの高圧洗浄か、ドレンパン・送風ユニット脱着までか）、使用する洗剤やアルカリ電解水の有無、作業時間と人数、養生と汚水処理、動作不良時の再訪対応、作業後の保証範囲と期間を確認します。掃除スプレーの残留や自己分解のリスクがある場合は、その旨を正直に伝えると適切な作業計画が立ちます。複数機種や取り外し可能な機種かどうかも事前に型番で共有すると精度が上がります。

• 自分でのブラシ清掃で臭いがすぐ戻る場合も依頼検討

• 分解しない清掃で改善しない結露水漏れは要点検

• 取り外しが難しい機種は無理をせずプロへ

• 高所設置や配線周りが複雑な場合は安全優先

• 依頼前に型番・設置環境・症状を写真で共有

• 相見積もりで作業内容を比較

• 当日の立ち会い範囲と支払い方法を確認

交換が必要なときの費用感と症状

エアコンのシロッコファンは羽根の破損や軸のブレ、回転時のこすれ音、著しい振動があると交換対象になります。清掃では解決しないバランス不良や腐食が進んだケースも同様です。交換費用は部品代と作業費で構成され、一般的な家庭用壁掛けでは部品の在庫と機種により幅があります。メーカーや年式、取り外しの難易度で所要時間が変わるため、見積もり時に型番と症状を具体的に伝えることが重要です。羽根が折れたままの運転は騒音だけでなく軸受や熱交換器を傷める恐れがあるため使用を中止し、早めに点検を依頼します。

• 症状の目安

  • 羽根の欠け・折れによる振動増大
  • 回転時の周期的な擦過音
  • 送風量の低下や異臭の継続

• 使用中止と電源オフを徹底

• 交換可否はメーカー供給状況を要確認

• 併せて内部洗浄を行うと再発防止に有効

カビ・ホコリをためない予防策とメンテナンス頻度の最適解

日常ケア：フィルター掃除と送風乾燥の習慣化

日常の予防は、エアコンのフィルター清掃と送風乾燥の徹底が要です。フィルターは2週間に1回を目安に水洗いし、完全乾燥後に戻します。冷房や除湿の運転後は10〜30分の送風でシロッコファン内部を乾燥させ、カビの発生を抑えます。高湿度時は除湿を上手に活用し、運転停止前に温度を上げて結露を減らすのも効果的です。市販の掃除スプレーは熱交換器用とファン用で適用が異なるため、用途外使用は避けます。自分で行う掃除はブラシやアルカリ電解水の軽清掃にとどめ、分解は取り外し可能な機種のみ取扱説明書に従います。

• フィルター清掃は2週間に1回、花粉・黄砂期は週1回が安全です

• 冷房停止前の送風運転で内部の水分を飛ばします

• スプレーは対象部位適合品のみ、過量噴霧やすすぎ不足に注意

室内の粉じん・タバコ対策と設置環境の見直し

室内の発塵源を抑えると、エアコンのシロッコファンに付着するホコリとヤニが減り、掃除頻度も最適化できます。喫煙は別室や屋外に切り替え、ペット用や衣類用の毛取りを併用します。こまめな換気と空気清浄機の併用で微細粉じんを低減し、室内湿度は40〜60%を維持してカビの繁殖を抑えます。設置環境はキッチン近接や加湿器の直吹きがあると付着物が増えるため、油煙や蒸気の流路を避ける配置と運用に見直します。吸気面・カバー周辺の定期清掃も有効で、結果として内部の汚れ堆積が緩やかになります。

• 喫煙・油煙・加湿器の直撃を避ける運用にします

• 換気と空気清浄機で微細粉じんを低減します

• 吸気グリル周辺を月1回拭き取り清掃します

対応の目安

• DIY清掃は「エアコン シロッコファン 掃除 自分で」の範囲に限定し、無理な分解は避けます

• ブラシは先端が柔らかいものを選び、アルカリ電解水は用法容量を守ります

• 取り外し可能な機種はメーカーの案内に従い、外し方を誤らないようにします

よくある失敗を回避するチェックリストとトラブル対処

触れてはいけない部位と禁止行為

エアコンのシロッコファン掃除を自分でする際は、基板やモーター、配線への噴霧は厳禁です。水やスプレーがかかると短絡や腐食の原因になります。強アルカリや塩素系の洗剤はアルミや樹脂を傷め、変色や破損を招きます。外し方が不明な分解は行わず、取り外し可能な機種でもメーカー手順と工具が揃わない場合は中止してください。ブラシは柔らかいものを選び、羽根を折らない力加減を守ります。アルカリ電解水は少量を霧吹きで使用し、過剰な水分は避け、ドレンパンや内部に溜めないよう養生と拭き取りを徹底します。

• 基板・モーター・配線へ水分や洗剤をかけないこと

• 強アルカリ・塩素系洗剤や混合使用を避けること

• 無理な分解や非対応機種の取り外しをしないこと

• 硬いブラシや金属工具で羽根を傷つけないこと

• 過剰な散水を避け、養生と拭き取りを徹底すること

機種ごとの外し方や交換費用はメーカーやシリーズで差があり、誤った作業は故障や保証対象外につながります。不安があれば業者に依頼し、比較検討では作業範囲や洗浄方法、料金、保証条件を確認してください。簡単と謳う掃除スプレーでも、使用箇所の制限を守ることが重要です。

作業後の試運転チェックと異常判定

掃除後は送風で30分ほど乾燥させ、続いて冷房で試運転します。風量は強・中・弱の各段で均一か、風切り音の増大や周期的な振動がないか確認します。臭いはカビ臭や薬品臭が残っていないかをチェックし、残留洗剤が疑われる場合は送風で追加乾燥し、必要に応じて霧吹きで最小限のすすぎと拭き取りを行います。室内機の排水はドレンから途切れず流れているか、室内側の水滴や水漏れがないかを点検します。

• 送風で乾燥→冷房で温度変化と風量の安定を確認

• 異音: カタカタ・ビビリ音は羽根の干渉やバランス不良の可能性

• 異臭: カビ臭は乾燥不足、薬品臭は残留の可能性

• 排水: 水漏れは過剰散水やドレン詰まりのサイン

• 異常時は運転停止し、乾燥・拭き取り・目視点検を優先

重大な異常(焦げ臭、ブレーカー作動、回転部の干渉音)がある場合は直ちに運転を停止し、通電を切ってから業者へ相談してください。自分での再分解は避け、シロッコファンの折れや変形が疑われるときは交換可否と費用を見積もり確認するのが安全です。