チェックディスクでエラー修復の最短手順と注意点で安全高速化

突然のフリーズやファイル破損、「ディスクのエラーをチェックします」の表示に不安を感じていませんか。Windowsのチェックディスク（chkdsk）は、NTFSの整合性検査と修復を行う標準機能で、Microsoftの公式資料でも論理エラー修復（/f）と不良セクタ検出（/r）の役割が明確に示されています。大容量SSD/HDDでは所要時間が数十分～数時間に及ぶこともあります。

とはいえ、闇雲に実行するとリスクも。システムドライブは再起動が必要になり、実行前バックアップや電源設定の見直しが不可欠です。ログの見方や「100%で止まる」際の判断基準、外付け・RAIDで避ける操作も押さえれば、無駄な再試行を減らせます。

本記事では、Windows 11/10の図解手順、/fと/rの使い分け、進捗が進まない時の対処、SSD/HDD別の安全運用まで、現場で役立つ手順を一気通貫で解説します。まずは目的に合う実行方法を選び、データを守りながら確実にエラーを潰すための最短ルートを確認しましょう。

チェックディスクとは何かを最短で理解する方法

Windowsのエラー検出と修復の仕組みをやさしく解説

チェックディスクは、Windowsのファイルシステムを検査して不整合を直し、ディスクの健全性を保つための仕組みです。仕組みの要は、NTFSなどのメタデータを検証し、壊れたインデックスやリンク切れの参照を見つけて直すことにあります。Windows11でもWindows10でも基本は同じで、エクスプローラーのエラーチェックとchkdskコマンドの両方が使えます。判断の目安は簡単です。軽微な警告や一時的な不具合ならGUI、頻発するエラーや起動時エラー、外付けHDDの挙動不審、あるいは不良セクタの疑いがあるならコマンドでの詳細検査が向きます。処理中は強制終了を避け、電源と時間を確保しましょう。特に大容量ドライブは時間がかかるため、実行は作業のない時間帯がおすすめです。完了後は結果を確認し、修復できない項目があれば早めのバックアップと交換検討が安全です。

• チェックディスクの目的は整合性回復とデータ保全です

• 軽症はGUI、重症や再発はコマンドが有効です

• 処理中は電源断や強制終了を避けることが重要です

スキャンの対象になる領域とステージの流れ

チェックディスクの進行はステージで表示され、それぞれ対象が異なります。おおまかに、ファイル記録、インデックス（フォルダー構造）、セキュリティ記述子の検査が行われ、オプションによりボリューム全域の表面検査も追加されます。進捗が一時的に止まって見えても、実際は大量の修復や再配置を行っていることが多いので、待つことが重要です。Windows11の表示は詳細化され、ステージ4やステージ5として不良セクタの検査や空き領域スキャンが示される場合があります。処理にかかる時間は容量や断片化、エラー量で変動し、1TBでは数時間になることもあります。結果はログで確認でき、エラー件数や修復の有無は次の対策の判断材料になります。

補足として、頻繁にエラーが見つかる場合はバックアップを優先し、物理障害の兆候に備えるのが安心です。

GUI操作とコマンドの使い分け

エクスプローラーのエラーチェックは手軽で安全に始められます。手順は、対象ドライブを右クリックしプロパティからツールを開いてエラーチェックを実行するだけです。軽微なファイルシステムエラーの検出や簡易修復に向きます。一方、chkdskコマンドは詳細検査と強力な修復が可能で、起動時実行のスケジュールや不良セクタの検査まで行えます。実用的な使い分けは次の通りです。

1. 軽度の不具合や初回確認はGUIで実施します
2. 再発や異音、外付けHDDの不安定はコマンドで厳密に検査します
3. /fで修復、/rで不良セクタ検査を追加し、再起動後の実行を許可します
4. 結果の要点をメモし、修復できない場合は早期に交換を検討します

実行例の目安は、Cドライブなら「chkdsk C: /f」または不良セクタの疑いがあれば「chkdsk C: /f /r」です。強化された検査は時間を要するため、計画的に進めると安心です。

Windows11とWindows10でのチェックディスクのやり方を図解で案内

エクスプローラーから実行する手順と注意点

Windowsのエクスプローラーからチェックディスクを実行すると、操作に迷わず安全に進められます。Cドライブのエラーを検査し修復する場合は、次の流れが基本です。まずエクスプローラーでCドライブを右クリックしプロパティを開き、ツールタブのエラーチェックからチェックを選びます。ファイルシステムの修復を伴う場合は再起動後に実行が必要になることがあります。処理中はデータにアクセスできないため、実行前に重要データのバックアップを強く推奨します。Windows11でもWindows10でも画面構成はほぼ同じで、案内に従えば完了まで到達できます。完了後は結果の表示で修復の有無を確認し、必要に応じて詳細ログを参照します。外付けHDDやSSDも同様に操作できますが、接続の安定性に注意してください。

• 重要ファイルは事前にバックアップしてから進める

• 電源設定を一時的にスリープしないように変更する

• 外付けドライブはケーブル抜けやUSBハブの不安定さに注意する

再起動時にチェックディスクが走る条件と安全な止め方

エクスプローラーやコマンドで処理を予約すると、起動時スケジュールとしてchkdskがブート前に開始されます。これはCドライブのようにシステムが使用中のボリュームがロックできないときに発生しやすい挙動です。開始直後に画面へカウントダウンが表示されることがあり、ここで任意キーを押すと今回のみキャンセルできます。業務中で時間が取れない場合はキャンセルしても構いませんが、ファイルシステムエラーが疑われるときは計画的に再実行してください。進行が十分に始まった後の強制終了は避けるのが安全で、停電や強制電源断はデータの破損を招くおそれがあります。Windows11でもWindows10でも、キャンセルしても次回起動での自動実行は維持されないため、必要なら再度スケジュールしてください。企業PCではポリシーでキー入力が無効な場合があるため、開始前に時間確保が安心です。

コマンドプロンプトでchkdskを使う具体手順

コマンドプロンプトでのチェックディスクは柔軟で、chkdsk /fとchkdsk /rを使い分けます。/fはファイルシステムエラーの修復に特化し、/rは/fを含みつつ不良セクタの検出とデータの読み出し再配置まで行うため時間が長くなります。実行は管理者権限が必須で、ドライブ指定は例としてC:やD:のようにボリュームレターを明示します。例えば、システムドライブなら「chkdsk C: /f」、不良セクタが疑われるなら「chkdsk C: /r」を選びます。システムが使用中でロックできない場合は再起動時の実行を求められます。処理時間は容量やステージの進行度で変動し、1TBなら数時間かかることがあります。途中で止める操作は推奨されず、進行が遅くても待つのが安全です。

1. スタートでcmdと入力し、管理者として実行を選ぶ
2. 例として「chkdsk C: /f」または「chkdsk C: /r」を入力する
3. ロック不可と表示されたら次回の起動時に実行へ同意し再起動する
4. 完了後、結果の表示で修復状況とエラー統計を確認する

補足として、Windows11とWindows10のchkdskの基本的な使い方は共通です。業務PCでは実行前の周知とバックアップ計画が有効です。

chkdskのオプション解説と実行前に必ず確認すべきこと

chkdsk fとchkdsk rの違いと現場での選び方

チェックディスクを賢く使うなら、まずはオプションの違いを押さえることが近道です。chkdsk /fはファイルシステムの論理エラーを短時間で修復する用途に向き、chkdsk /rは不良セクタの検出とデータ回復の試行まで行うため時間がかかります。Windowsでの体感目安は、/fは数分から数十分、/rは容量や状態次第で数時間、1TBでは数時間〜一晩必要になる場合があります。判断のコツは次の通りです。軽微なエラー表示や突然の電源断後は/f、読み書き遅延やI/Oエラー、起動時のディスクの修復メッセージが続くなら/rが有効です。SSDでは/rの負荷が大きいため、まずはバックアップの確保とSMART確認を優先し、必要最小限のスキャンに留めるのが安全です。外付けHDDやUSB接続では時間が延びやすい点にも注意してください。

• /fは論理エラー修復が中心で比較的短時間

• /rは不良セクタ検出と読み出し再配置で長時間化

• SSDは/rを乱用せず、まずバックアップと状態確認

• 症状で選ぶ：軽微なら/f、物理不良疑いは/r

（選定に迷う場合は、まず/fで結果を見てから/rを検討すると安全です。）

不良セクタ修復の挙動と物理障害が疑われるサイン

不良セクタが見つかると、チェックディスクの/rは読み取り可能なデータを回収して代替セクタに再配置し、以後その領域を使用しないようマークします。これは論理的な隔離であり、基盤の物理故障を直すわけではありません。物理障害が疑われるサインは、I/Oエラーの頻発、カチカチ音や異音、SMARTで再代替処理保留や代替済みセクタの増加、コピー中の極端な速度低下、chkdskのステージ2〜4で進捗が止まる現象の継続です。長時間化した場合の指針は次の通りです。無闇な強制終了は避け、進捗が数時間以上100%付近で変化しない、あるいはエラーが繰り返されるなら電源断前に状況を記録し、データの退避を最優先します。HDDは冷却と直結接続で再試行、SSDはファーム更新と電源再投入後の検証が有効です。再代替の増加が続く個体は交換前提で運用し、重要データは早期に別ドライブへ移動してください。

（代替が進むドライブは時間経過で悪化しやすく、早期の置き換えがコストを抑えます。）

実行前のバックアップとドライブのロックに関する注意

チェックディスクはファイルシステムを書き換えるため、実行前のバックアップが鉄則です。特に/rは読み出し負荷が高く、劣化したHDDやSSDでは障害を進行させる可能性があります。システムドライブに対してchkdsk /fや/rを投げると「現在のドライブはロックできません」と表示されることがあります。これはWindowsが起動中で対象ドライブを排他ロックできないためで、再起動時にスケジュール実行する流れが正解です。手順は次の通りです。

1. コマンドプロンプトを管理者で起動し、例として「chkdsk C: /f」または「chkdsk C: /f /r」を入力します。
2. ロック不可の表示が出たら、次回のシステム再起動時に実行するかの確認にYで応答します。
3. すべての作業を保存して再起動し、黒い画面のディスクチェックが完了するまで待機します。
4. ログの結果をイベントビューアで確認し、必要に応じて再検証します。

• バックアップが先、修復は後

• ロック不可は異常ではなく仕様

• 再起動スキャンは電源断厳禁

• 結果ログの確認で再発防止に繋げる

（ノートPCは電源アダプタ接続を推奨し、Windows11でも同様の手順で安全に進められます。）

進捗が進まない時に役立つチェックディスクの時間目安と対処

進行ステージごとの時間の目安とログの見方

チェックディスクはステージごとに処理内容が異なり、所要時間も変動します。目安は小容量SSDで数分、1TBのHDDで数時間になることがあり、断片化や不良セクタの有無で大きく延びます。ステージ2はファイル名やインデックスの検査で遅く見えやすく、ステージ4は不良セクタのスキャンを伴うため最長区間になりがちです。ログは「ステージn/5」「処理済みファイル数」「回復済みクラスタ」「不良セクタ数」に注目し、進捗率が停滞してもカウントが増えていれば処理継続中と判断できます。Windows11ではイベントビューアのApplication内に出力される結果でエラー番号や修復件数を確認できます。長時間化が不安な時は、バックグラウンドの負荷を下げ、電源設定を高パフォーマンスにして待機するのが安全です。

• ステージ2やステージ4で止まるように見える時は、処理件数とエラー記録の増加を確認します。

• SSDはHDDより高速ですが、大量の小ファイルでは時間が延びます。

• USB外付けHDDは転送遅延が出やすく、直結ポートの使用が有利です。

chkdskが100パーセントで止まる時の確認ポイント

完了表示が100%のまま動かない場合、結果の書き込みやログ反映の遅延が発生している可能性があります。まずディスクアクセスランプの点滅やファンの変化を確認し、10〜30分は待機します。イベントビューアで直近のチェックディスク結果が保存されていれば完了済み、記録がなければ処理中の可能性が高いです。再試行の判断は、アクセスランプ消灯が続き、キーボード入力に応答し、かつログ未更新の場合に限り再起動を検討します。強制終了はファイルシステムの整合性を損なうため避け、再起動後は読み取り専用の検査から段階的に行い、必要に応じてchkdsk /fやchkdsk /rへ切り替えます。再発する場合はS.M.A.R.T.の状態確認と重要データのバックアップを先行させることが安全です。

途中で止める場合の安全策と再実行のコツ

途中停止はリスクがあるため、電源断や長押し強制終了は極力避けます。フリーズが疑われる時は、まず待機し、それでも反応がなければ通常再起動を試します。再実行は範囲とオプションを段階化するのがコツです。最初は読み取りチェック、次にchkdsk /f、物理不良が疑わしい時のみchkdsk /rに進みます。外付け機器は直結で実行し、USBハブ経由を避けると安定します。電源設定はスリープ無効、画面オフのみ許可にし、長時間の検査中断を防ぎます。ログはイベントビューアで確認し、エラーの種類に応じて再検査の間隔や対象ドライブを調整します。再実行前に不要アプリを終了してI/O競合を抑えると総時間を短縮できます。

1. 管理者権限のコマンドプロンプトを起動し、必要ドライブを指定します。
2. まず読み取り検査、問題が出たらchkdsk /fを予約実行して再起動します。
3. 物理不良の疑いが強い場合のみchkdsk /rを選び、完了まで待機します。
4. 終了後はイベントログで結果を確認し、必要に応じて再度最適化します。

補足として、HDDは容量が大きいほど時間が延びやすいので、夜間実施やバッテリー駆動の回避が安心です。SSDで繰り返し時間が延びる場合は、早期にバックアップと交換検討が有効です。

SSDとHDDで異なるチェックディスクの考え方と安全運用

SSDでのスキャン実行が適さないケースと代替確認

SSDは内部でウェアレベリングやガーベジコレクションが働くため、従来のHDD向けチェックディスクの深いスキャンが必ずしも最適ではありません。特に大容量SSDでのchkdsk /rは書き込み負荷が大きく、寿命や速度低下のリスクにつながります。まずは論理エラーの切り分けを行い、ファイルシステムの不整合だけを最小限の修復で対処するのが安全です。併せてSMARTの生値や警告を確認し、メーカー提供の診断ツールでコントローラとNANDの健全性を点検します。外付けSSDはUSBケーブルやハブの相性も影響するため、直結や別ポートでの再検証が有効です。業務PCでは影響範囲を限定するため、事前に重要データのバックアップを完了してから短時間のスキャンにとどめると安心です。

• 推奨の優先順を守ると無駄な消耗を避けられます

• 論理と物理の切り分けが誤診を防ぎます

• メーカー診断の併用で判断の精度が上がります

補足として、Windowsのイベントログでディスクエラーの番号を確認すると原因の絞り込みに役立ちます。

SSDの不良セクタ修復の限界とデータ保護の判断基準

SSDの不良セクタはファームウェアがリマップで回避する設計ですが、繰り返し発生や未回復エラーが増える場合は交換の検討が最優先です。chkdsk /fやchkdsk /rで表層的に症状が和らいでも、根本が物理劣化なら再発します。書き換え負荷が高いスキャンを漫然と続けるより、バックアップを即時取得して稼働を最小限に抑える方がデータ保護につながります。判断の目安は、SMARTの再配置セクタ相当の増加、読み取りエラー率の悪化、イベントログの頻発、ベンチマーク中の異常な速度変動です。業務継続が必要な場合は読み取り主体の検証に限定し、修復系の長時間処理は避けるのが安全です。暗号化を有効にしている環境では、復旧時の鍵管理も事前に確認しておくと復旧成功率が高まります。

• バックアップ優先が最も効果的なリスク低減です

• 長時間の修復スキャンは抑制し、交換計画へ移行します

HDDでの不良セクタチェックと長時間実行時の注意

HDDは磁気記録のため、chkdsk /rなどの全面走査で不良セクタの洗い出しと回避が一定の効果を持ちます。ただし1TB以上では時間の目安が数時間から半日となることがあり、連続稼働は発熱と振動に弱いHDDの二次障害リスクを高めます。実行前に通気と設置面を見直し、ケースファンやノートPCの冷却台を使い温度上昇を抑制してください。停電やスリープで中断するとファイルシステムの一貫性に影響するため、電源設定をスリープ無効・自動更新一時停止に変更し、夜間の無人時間に計画実施すると安全です。ノートはAC給電を固定し、外付けHDDはセルフパワーのUSBハブを使うと安定します。進捗が止まったように見えてもステージ移行で時間差があるため、強制終了は避けるのが基本です。

補足として、チェックディスクの結果は作業記録として保管し、不良セクタの増加傾向があれば早期のデータ移行を検討してください。

エラー内容別の修復手順と結果ログの読み解き方

ボリュームとバージョンの判断ができません等のメッセージ対処

「ボリュームとバージョンの判断ができません」や類似の表示は、ドライブのマウント状態やファイルシステム情報が取得できない時に起こります。まずはドライブが正しくマウントされているかを確認し、USBや外付けHDDは安全に取り外してから再接続します。Windowsのディスク管理で状態を確認し、RAW表示ならデータのバックアップ優先です。チェックディスクを管理者権限で実行し、NTFSであれば「chkdsk X: /f」を試します。BitLockerのロックがある場合は解除してから実施し、コマンドプロンプトを管理者で起動し直してください。システムドライブは再起動時に予約実行になるため、再起動を許可します。SSDでもファイルシステムの検査は有効で、バックアップの確保を先に行うのが安全です。

• 確認の要点

  • マウント状態とドライブレターの付与を確認
  • 管理者権限での実行とBitLocker解除
  • 再起動実行の許可とバックアップ確保

補足として、Windows更新直後は再起動を一度挟むと認識が安定しやすいです。

ダイレクトアクセスに関するエラーと他プロセス干渉の切り分け

「ダイレクトアクセスを実行できません」や「現在のドライブはロックできません」は、他プロセスがファイルやボリュームを占有している可能性が高いです。切り分けは段階的に行います。まずセキュリティソフトやクラウド同期（OneDriveなど）、パソコンのバックアップツールを一時停止します。常駐アプリはクリーンブートで最小構成にし、エクスプローラーのプロパティからのエラーチェックではなくコマンドプロンプトの管理者権限で実行します。改善しなければセーフモードで「chkdsk X: /f /r」を指定し、システムドライブは再起動後のスケジュールを許可します。外付けHDDやSSDは別のUSBポートに変更し、USBハブを介さず直挿しを試してください。ログでは「Windowsはファイルシステムを検査しています」以降の行にロックの成否が記録されるため、ロック不可の記述が続く場合はボリュームの整合性やドライバ更新も検討します。

一度に複数要因が重なることがあるため、上から順に個別に切り分けると原因に到達しやすいです。

結果レポートから見る修復の成否と次アクション

チェックディスクの結果は「ステージ1〜3（場合により4/5）」の進捗と要約行で読み解きます。要点は三つです。まず「Windowsはファイルシステムを修正しました」や「エラーは見つかりませんでした」で成否を特定します。次に「不良セクタ」や「不一致の修正数」などの定量項目を確認し、/fで解決しない場合は「/r」での再検査を検討します。最後にログ末尾のボリューム情報とイベントビューアのWininit（ID1001）を突き合わせ、システム全体の整合性をチェックします。外付けHDDで不良セクタが増加しているなら早期バックアップを優先し、長時間「終わらない」症状が続く時はケーブルやポートを変更してから再試行します。SSDでは物理修復は期待しにくいため、データ保全を最優先にし、異常の再発時は交換を前提に検討します。

1. 成否判定を要約行とイベントログで確認
2. /fで未解決なら「chkdsk X: /f /r」で追加検査
3. 不良セクタ検出時はバックアップとドライブ診断を実施
4. 毎回起動時に実行される場合はスケジューラ解除やクリーンブートで検証

結果の数字は経時比較が重要です。スクリーンショットやログを保存して、増減の傾向を把握すると判断が精密になります。

起動時に毎回走るチェックディスクの原因と止め方

起動時スケジュールの解除とフラグの確認手順

起動のたびにチェックディスクが走る原因は、ボリュームのダーティビットや手動で設定したスケジュール、前回の異常終了で付いた修復フラグなどが多いです。まずはフラグの有無を確認し、不要な自動実行を解除します。Windowsではコマンドプロンプトを管理者で開き、chkdskコマンドやfsutilコマンドで状態を見られます。強制終了を繰り返すとファイルシステムの状態が悪化し、結果として毎回のスキャンに繋がるため、一度は最後まで完走させることが重要です。SSDでもファイルシステムエラーは起きるので対処は同じです。バックアップを先に取る、電源設定で急なスリープを避けるなどの下準備も効果的です。以下のテーブルは主な原因と止め方の対応です。

システムファイル検査やディスク診断の追加確認

起動時にチェックディスクが止まらない背景に、システムファイルの破損や不良セクタの進行が潜んでいることがあります。そこで追加の健全性チェックを実施します。sfcでシステムファイルを検査し、必要ならDISMで修復します。続いてsmart情報を確認してドライブの健康状態を判定します。Windows11でもWindows10でも手順はほぼ同様で、エラーが多い場合はchkdskコマンドの/fで論理修復、物理的懸念があるなら/rで不良セクタの回避を図ります。時間の目安は容量や状態で変動し、1TBなら長時間になることもあります。検査の前後でデータのバックアップを必ず実施し、結果に応じて計画的に修復を進めると安全です。

1. 管理者のコマンドプロンプトを開く
2. sfc /scannowでシステムファイルを検査
3. DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthで修復
4. wmicや専用ツールでS.M.A.R.T.を確認
5. 必要に応じてchkdsk /fまたはchkdsk /rを実行

USBや外付けHDDのディスクチェックとRAIDの注意点

USBメモリのスキャンで気をつけるポイント

USBメモリを安全に検査するコツは、取り外し手順の厳守とファイルシステムの確認です。まずは読み取り優先で状態を把握し、必要に応じてチェックディスクを段階的に実施します。論理障害の疑いがあるときは、いきなり修復オプションを使わず、スキャンの順序を整えることが重要です。データが最優先なので、バックアップ可否とリスクを見極めてから操作しましょう。Windowsのエクスプローラーとコマンドプロンプトの両方で確認できますが、USBの通電や取り外しミスは障害を悪化させます。正しい手順で進めれば、結果の解釈も明確になり、復旧の判断を誤りにくくなります。

• 安全な取り外しを徹底し、ロックや書き込み中の抜去を避けます

• ファイルシステムを確認し、FAT/NTFS/exFATに応じて最適な方法を選びます

• 読み取りスキャンから開始し、必要時のみ修復を検討します

• 重要データは先にバックアップしてからチェックディスクを行います

補足として、誤操作を避けるために、ラベルとドライブレターの一致を必ず再確認してください。

外付けHDDやRAIDの検査で避けるべき操作

外付けHDDやRAIDは容量が大きく、通電時間が長いほどリスクが増します。検査時はリビルドや再同期と並行実行しないことが鉄則です。I/O競合で遅延やタイムアウトが起き、ステージの進行が止まる、あるいは結果が不安定になる恐れがあります。RAIDコントローラの警告やSMARTの異常がある場合は、まずデータ保護を優先し、フルスキャンや不良セクタ修復を性急に行わない判断が有効です。通電時間を抑えるため、優先度の高い領域から段階的に検査し、異常時は即座に停止してバックアップへ切り替えます。

上記を踏まえ、データ保護を最優先し、再同期やコピー完了後に段階的な検査へ移行する運用が安全です。

失敗しないための実践フローとバックアップ戦略

実行前チェックリストで安全に進める

チェックディスクを走らせる前に、たった数分の準備でトラブルの大半は回避できます。ポイントは、作業中にPCが止まらないことと、万一に備えてデータを守ることです。まずは重要ファイルを別ドライブへ退避し、電源関連を安定化します。さらに、ドライブの状態やエラー履歴を確認して、適切なオプション（例chkdsk /fやchkdsk /r）を選びます。Windows11やWindows10でも手順は共通です。以下のチェックを済ませたら安心して実行できます。

• 重要データの退避：ドキュメントや写真、業務データを外付けHDDやクラウドにコピー

• 電源設定の最適化：AC接続とスリープ無効、バッテリーのみ運用は回避

• 空き容量の確保：目安は総容量の15％以上、一時ファイルを削除

• エラー履歴の確認：イベントビューアーでdiskやntfsの警告有無をチェック

補足として、外付けHDDやUSBメモリに対するチェックディスクは、取り外し防止のためケーブル固定と安定したポートの使用が安全です。

バックアップの取り方と復旧不能時の相談基準

バックアップは「頻度×分散×検証」が肝心です。OSやアプリ用のシステムイメージと、日常のデータ用バックアップを分け、保存先は複数に分散します。チェックディスク実行後に修復できない事象が出た場合は、速やかに追加の書き込みを止め、復旧相談へ切り替えます。判断を迷ったら、下表の基準が目安になります。

チェックディスクで「修復できない」や不良セクタの急増が見えたら、次の手順でリスクを抑えます。

1. 書き込み停止：ダウンロードや大容量コピーを中断し通電は維持
2. 直近バックアップの取得：読み取り可能な範囲のみ安全に退避
3. 結果の保全：チェックディスク結果を保存し症状を記録
4. 二次診断：メーカー診断ツールでS.M.A.R.T.や不良セクタを再確認
5. 専門相談へ切替：データ復旧が必要な場合は分解や再初期化を行わず相談に進む

この流れなら、ディスクの状態が悪化してもデータ損失を最小限に抑えつつ、次のアクションに迷いません。チェックディスクは強力ですが万能ではないため、バックアップと早期判断が実害を防ぐ近道です。