パソコン起動しない時の原因と対処法｜症状別に復旧してデータも守る

電源は入るのに画面が真っ黒、ロゴで止まる、青い画面が出る——そんな「起動しない」は珍しくありません。マイクロソフトは更新関連の起動トラブルに備え、回復環境や修復機能を標準搭載しています。さらに、メーカー各社はランプ点滅やビープ音で異常箇所を示す仕様を公開しています。

私たちはPCサポート現場で蓄積した再現性の高い手順を厳選し、原因の切り分けから復旧までを最短ルートで案内します。電源・周辺機器・メモリ・ストレージ・設定の5領域を順に確認するだけで、多くのケースで自力で解決が可能です。データを守りながら進める手順も用意しました。

この記事では、真っ黒画面の基本チェック、ビープ音の見方、セーフモードやスタートアップ修復、ブート領域の修正、物理故障の兆候までを症状別に解説します。作業は5〜10分でできる項目から始めます。今の症状に当てはまる章から、すぐに進めてください。

症状を切り分ける入口 パソコン起動しない時の状態チェックと原因の当たりを付ける

画面が真っ暗で動かない時に確認する三つのポイント

「電源は入るのに黒い画面のまま動かない」状態は、表示側の問題と本体側の問題が混在します。まずはモニターとケーブルの接続を見直し、HDMIやDisplayPortの差し込みが甘くないか、モニターの電源ボタンがONかを確認します。次に外部ディスプレイ切替をチェックします。ノートではFn＋Fキーで出力先が切替わるため、外部のみになっていると黒い画面のままになります。さらに輝度設定が最低だと黒い画面に見えるため、輝度アップを試します。パソコン起動しないと感じても、表示だけが消えているケースは多いです。下の表で症状と確認箇所を素早く突き合わせ、原因の当たりを付けましょう。

モニターとケーブルの差し替えで表示不良を見極める

表示不良の切り分けは「別ケーブル」「別ポート」「別モニター」の三段構えが有効です。まずはHDMIを別のケーブルに替え、端子の接点不良を排除します。次に本体側の映像出力をDisplayPortや別のHDMIポートに変更し、ポート故障の可能性を確認します。用意できる場合は別モニターやテレビに接続し、映像が出れば本体は動作していると判断できます。デスクトップではGPU−マザーボードのどちらに挿しているかも重要で、内蔵GPU出力に切り替えると映るケースがあります。これらの差し替えで表示側か本体側かを短時間で切り分けられます。

入力切替と輝度設定で見落としをなくす

モニターの入力がPCと不一致だと、信号を受けても黒い画面のままです。リモコンや前面ボタンで入力切替をPCの接続端子に合わせてください。ノートはFn＋Fキーで外部/内蔵の出力先が切り替わるため、意図せず外部専用になっていないか確認します。さらに輝度ゼロや省電力の自動画面オフも見落としがちです。輝度を上げ、スリープ解除や電源オプションの画面オフ時間を延長します。これで「画面はつくが動かない」と感じる誤認が解消されることがあります。パソコン起動しないと焦る前に、入力・輝度・省電力の三点を順に点検するのが近道です。

電源は入るが起動できない時に見るランプと音の手掛かり

電源が入るのにWindowsが立ち上がらない時は、ランプの点滅パターン、ビープ音、ファンの挙動が重要な診断材料です。例えば「ファンは回るが起動しない」はメモリやストレージ認識不良の可能性があります。逆に「ファン回らない」なら電源供給やマザーボードの保護機能作動を疑います。ビープ音は回数で部位を示し、短音の繰り返しはメモリエラーが典型です。下記の手順で安全に切り分けましょう。

1. 本体ランプの色と点滅回数を確認し、型番名とパターンを照合する
2. 異音や音が鳴る位置を耳で特定し、ビープ音か機械音かを判断する
3. ファンの起動タイミングと速度変化を観察し、熱暴走や起動ループを見極める
4. 最小構成（周辺機器を全て外す）で再試行し、影響機器を除外する
5. 必要に応じてセーフモードやコマンドプロンプトからの修復を実行する

この観察で「電源は入るが起動しない」「黒い画面のまま」「青い画面で停止」などの症状から、原因の候補を具体化できます。

すぐに試せる基本の対処法 電源や周辺機器のチェックで復旧を狙う

電源ケーブルとタップの見直しで電力供給の問題を除外する

パソコン起動しない場面では、まず電源の供給状態を丁寧に切り分けます。延長タップや劣化した電源ケーブルが原因で電力が不安定になると、ファンは回らない、ランプは点灯するが起動しないなど症状が揺れます。壁のコンセントへ直差しし、別系統のコンセントでも試し、電源ボタンの長押しの反応を確認してください。デスクトップは電源ユニット背面のスイッチ、モニターの入力切替もチェックします。ノートはACアダプターのコネクタ緩みや断線、コネクタ根元の発熱の有無を確認すると切り分けが速いです。電源が入るが画面はつくのにWindowsが表示されない場合は電源ではなくシステム側の可能性が高まります。以下の要点を意識すると効率的です。

• 別コンセント直差しでの起動確認を行いタップ起因を除外

• 電源ケーブルとACアダプターの抜き差しで接触不良を解消

• 電源ボタン長押し（10〜15秒）の反応でハングを判断

• モニター入力の確認で映像の取り違いを防止

バッテリーを外してACのみで起動するノートパソコンの確認手順

ノートパソコンでパソコン起動しないときは、バッテリーの劣化や保護回路の誤作動が起点になることがあります。着脱式ならバッテリーを外し、ACアダプターだけを接続して起動を試します。内蔵式の場合はバッテリー無効化のハードスイッチやリセットピンホールの有無を機種マニュアルで確認し、可能ならリセットを行います。ACオンリーで起動すれば充電不良の切り分けができます。逆にACで動かずバッテリーのみで一瞬点灯する場合はアダプターやケーブルの故障疑いが強いです。ファンは回るがWindowsに進まない場合はシステム側を、ファン回らない場合は電力供給またはマザーボード側の診断を優先します。安全のため、通電中のバッテリー着脱は避け、静電気対策を行ってください。

放電と再接続で静電気由来の不具合を解消する

静電気が溜まると電源が入らない、ランプが点滅する、音が鳴るだけで進まないなど不安定な症状が起きます。放電は安全で効果の高い手順です。全ケーブルを外し、ノートは可能であればバッテリーも外してから、電源ボタンを15〜30秒ほど長押しして内部の残留電荷を抜きます。その後、必要最小限の接続だけで起動を試します。これでパソコン起動しない状態から復帰するケースは少なくありません。USB機器やディスプレイの給電が逆流して誤作動することもあるため、初回は本体と電源だけにします。ファンが一瞬回るだけ、または黒い画面でカーソルだけ表示される場合はWindowsの修復やセーフモードの検討に進むと切り分けが明確です。乾燥する季節は再発防止のため静電気対策も有効です。

周辺機器やディスクを外して最小構成で起動する

外付けSSDやUSBメモリ、光学ディスクが挿さったままだと起動順が入れ替わり、パソコン起動しない、黒い画面のまま、青い画面が出るなどの症状につながります。最小構成でのテストは短時間で効果的です。次の手順で進めてください。

1. USB機器をすべて外す（マウスとキーボード以外）。外付けHDDやUSBメモリ、プリンターを外す。
2. 光学ドライブとカードスロットを空にする。誤って外部デバイスからブートしないようにする。
3. 電源オンしメーカーのロゴ表示を確認。黒い画面でカーソルだけならシステム修復を想定。
4. ビープ音の有無を確認。音が鳴る場合はメモリやGPUの接触不良の可能性。
5. セーフモードやコマンドプロンプトの起動を試し、修復や復元に進む。

補足として、電源は入るが起動しないときはブート順やデバイス故障の切り分けが進みます。不要な機器を外すことで原因が明確になり、修復の成功率が上がります。

黒い画面のまま進まない時の対処 Windowsの修復機能で起動を回復させる

セーフモード起動とスタートアップ修復でシステム障害を直す

黒い画面や青い画面で止まりパソコン起動しない状態でも、Windows回復環境からの起動オプションで復旧できる場合があります。ポイントは、電源を入れてロゴが出たら強制終了を3回繰り返し、回復環境を表示させることです。そこでトラブルシューティングを開き、まずはスタートアップ修復を実行します。自動修復でブート関連の問題が見つからない場合は、セーフモードで最小ドライバーのみ読み込み、更新やドライバーの不整合を切り分けます。セーフモードで起動できたら、最近導入したアプリのアンインストールやドライバーのロールバックを行い、「Windows10/11立ち上がらない黒い画面」の原因を段階的に特定します。起動画面のくるくるが終わらないケースにも有効です。

• セーフモードで最小構成を読み込み原因を切り分けます

• スタートアップ修復で自動的に起動を修復します

• 更新直後ならロールバックを検討します

回復画面へ入れない場合はUSB回復メディアの利用も選択肢です。

復元ポイントの利用で更新前の状態に戻す

Windows更新やドライバー適用後に黒い画面や青い画面が発生し、パソコン起動しない症状になった場合は、システムの復元が効果的です。回復環境のトラブルシューティングから詳細オプションを開き、システムの復元を選択します。作成済みの復元ポイントを選び、不具合発生前の状態へ巻き戻すことで、レジストリやシステムファイル、ドライバー構成を過去の正常な形に戻せます。個人のファイルは保持される仕組みのためデータ消去の心配は小さく、アプリや設定のみが影響を受けます。Windows10やWindows11で青いくるくるが終わらない、黒い画面のままカーソルだけ表示などの症状が続くとき、ドライバー衝突や失敗したアップデートを安全に取り除けます。復元後は再起動して動作を確認し、必要に応じて更新の一時停止も検討してください。

復元が失敗する場合は別の復元ポイントを試すと改善することがあります。

コマンドプロンプトを使ったブート領域の修復

スタートアップ修復で改善しないときは、回復環境のコマンドプロンプトでブート領域を手当てします。手順は次の通りです。Windowsの起動に必要なBCDやMBR、ファイルシステムの整合性を確認し、電源は入るが起動しない状態を狙って解消します。自作PCやノートパソコンでも共通の基本対処です。ビープ音が鳴る、ファン回らないなど物理故障が疑われる場合は無理に実行せず、まずハード診断を優先してください。

1. bootrec /fixmbr を実行してMBRを再作成します
2. bootrec /fixboot を実行しブートセクタを修復します
3. bootrec /scanos と /rebuildbcd でBCDを再構築します
4. chkdsk C: /f /r でファイルシステムと不良セクタを検査します
5. sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows を実行します

これらは起動に必要な領域の不整合を正す王道手順です。結果のメッセージを確認し、成功後は再起動して黒い画面や青い画面が解消したかをチェックします。起動ロゴで止まる、青いくるくるが続く、画面はつくが動かないときにも有効です。

青い画面やエラーメッセージが出る場合の見方と対処

エラーコードから疑うべきドライバとストレージの不具合

青い画面が出て再起動を繰り返す時は、最初にエラーコードと停止理由を控えることが近道です。ポイントは、最近の更新やドライバ変更点を洗い出して原因を特定することです。Windows更新直後に発生したなら、問題の更新をアンインストールすると改善するケースが多いです。グラフィックスやストレージ関連のドライバは影響が大きく、互換性不良でパソコン起動しない状態を招くことがあります。安全に進めるため、セーフモードで起動し、ドライバのロールバックやシステムの復元を行います。ストレージ側の破損が疑われる場合は、コマンドプロンプトからファイルシステムの修復を実行します。再発防止には、公式配布の安定版ドライバへ戻し、不要な常駐アプリを減らすことが有効です。

• 重要ポイント

  • エラーコードの記録と条件の特定
  • セーフモードでの復旧（復元・ドライバ戻し）
  • コマンドプロンプトでのファイル修復

以下は代表的な関与領域の目安です。

短時間で状況を切り分け、影響範囲を最小化してから修復を実行すると安全です。

SSDやHDDの異常が疑われる時に行う診断

ストレージの劣化や論理破損は、青い画面や黒い画面で進まない、電源は入るが起動しないなど多彩な症状を引き起こします。まずは診断ツールの自己テストや温度異常の有無で故障兆候を確認することが大切です。Windowsが立ち上がらない時は、回復環境でコマンドプロンプトを開き、chkdskでファイルシステムを検査します。ベンダーツールのSMARTで再割り当てセクタや保留セクタが増えていれば、早急なバックアップと交換が必要です。ファンは回るが進まない、あるいはビープ音が鳴るのにOSへ入れない場合も、ケーブル接続やポートの見直しが効きます。温度が高い、自己テストでエラー、異音や点滅の繰り返しのいずれかがあるなら、データ保全を最優先にし、クローン作成か新しいSSD/SSDへの移行を検討してください。

1. SMART値を確認し劣化兆候を把握
2. chkdskや修復オプションでファイルの整合性を回復
3. ケーブル・ポートを交換し物理接続を検証
4. 温度管理と冷却で誤作動を減らす
5. エラー継続時はバックアップ後に交換を実施

症状が断続的でも、早めの診断とバックアップがデータ損失の回避につながります。

電源が入らない時に確認する物理トラブル 電源ユニットやメモリの点検

デスクトップの電源ユニットとケーブルの故障サイン

パソコン起動しない状況でまず疑うのは電源ユニットとケーブルの不具合です。電源が入らない、あるいは電源は入るが起動しない場合は、ACケーブルや電源タップ、延長コードの供給不良が原因になりがちです。チェックの要点はシンプルです。別の壁コンセントに直挿しして確認し、ケーブルの折れや緩みを点検します。さらにPC背面の電源スイッチや電圧切り替えが正しい位置かも見直しましょう。自作PCや古い機種では、ファンが一瞬回るだけで落ちる症状やランプが点滅する症状も発生します。以下のポイントを押さえると切り分けが進みます。

• 別ケーブルで通電を確認する

• 他の電源タップを使わず壁から直接取る

• 焦げ臭や異音があれば即時に電源を切る

• GPUやHDDの補助電源抜けを確認する

短時間で判断したい時は、最小構成で電源投入してモニター表示の変化を確かめると原因特定が早まります。

メモリの接触不良が原因の起動不良を解消する

電源は入るが画面はつくのに黒い画面のまま、あるいはビープ音が鳴る場合はメモリの接触不良が疑われます。メモリのエッジが酸化したり、静電気の影響で接触が不安定になるとパソコン起動しない現象が起きます。静電気対策をしてから作業し、以下の手順で改善を試します。特にノートパソコン起動しない時も有効です。

1. 電源を切りバッテリーや電源ケーブルを外す
2. メモリを取り外し、端子を乾いた布で軽く拭く
3. スロットを変更し1枚ずつ挿して起動を確認する
4. BIOS初期設定を読み込み、保存して再起動する
5. MemTestなどの診断を実行する

起動状態の切り分けに役立つ指標を整理します。

症状を記録しながら試すと、故障か設定かの見極めがしやすくなります。

ほこりと過熱が引き起こすシャットダウンの予防

内部のほこりは放熱を妨げ、温度上昇で保護機能が働きシャットダウンや再起動を誘発します。ファン回らない、あるいは異常回転のまま安定しない時は、ヒートシンクや吸気口の詰まりを疑いましょう。過熱はWindowsの動作にも悪影響を与え、青い画面が出る前に処理が固まったり、起動画面のくるくるが終わらないケースもあります。安全に作業するため、電源を抜いてから清掃し、以下の手順で改善します。

1. 吸気口と排気口のほこりをブロアで除去する
2. CPUクーラーと電源ユニットのファン回転を目視確認する
3. ケース内のケーブルを束ねてエアフローを確保する
4. サーマルグリスの再塗布やフィルター清掃を行う

清掃後は温度監視ツールで負荷時の温度を確認し、アイドル時40〜50度台、負荷時80度台以下を目安に安定性をチェックすると予防効果が高まります。

メーカーや機種ごとの特徴を踏まえた対処 ノートパソコンの注意点

ランプ点滅やビープ音の意味を確認して適切に判断する

ノートパソコンはメーカーや機種でインジケーターの規則やビープ音の回数が異なります。まずは電源やバッテリー、ストレージ、メモリに関するランプの色と点滅周期を確認し、取扱説明書や本体底面の表示と照合してください。特に、電源は入るが画面が表示されない、黒い画面でカーソルだけが出る、ファンは回るが起動しないなどの症状はビープ音のパターンで切り分けが可能です。たとえば短音×2はメモリエラーの目安、長音繰り返しはグラフィックス関連の可能性というように、症状と音・点滅を組み合わせて原因を特定することが重要です。自作PCやデスクトップと違い、ノートは内部にアクセスしづらいため、分解せずにできる外部確認を優先しましょう。異常が継続するならセーフモードや自動修復の画面表示可否を確かめ、Windowsの修復や復元の準備に進みます。

• パソコン起動しない状況では音や点滅の記録が手掛かりです

• ファン回らない場合は電源供給や基板保護動作を疑うと良いです

• 青い画面が出るならエラーコードを控えてから再起動を試すのが安全です

上のポイントを押さえると、原因を広く想定しつつ無駄な作業を避けられます。

保証期間中の対応とメーカー修理に出す前の準備

保証期間内なら自己分解は避け、公式サポートに相談しつつ、依頼前の準備を整えることが大切です。まずは電源アダプター、ケーブル、コンセントの組み合わせを変えて動作確認を行い、放電や長押しリセットを実施します。電源は入るが起動しない場合は、回復環境からセーフモードやコマンドプロンプトが開けるか試し、開けた場合はchkdskやsfcでシステム修復を実行します。開けない場合は外付けメディアの起動可否を確認し、データ保護を最優先に方針を決めましょう。修理依頼前には下記を整理しておくとやり取りがスムーズです。

表の内容を添えて依頼内容を簡潔に伝えると、原因の特定と修理の選択が早まります。

起動後に止まるや再起動を繰り返す時のチェック項目

BIOSやUEFIの設定を初期化して不整合を解消する

起動直後に止まる、再起動を繰り返す、あるいはパソコン起動しない状態に近い不安定さがあるなら、まずBIOSやUEFIの設定不整合を疑います。ストレージの起動順やSATAモード、XMPやメモリ周波数の設定が合わないと、Windowsの読み込みでエラーが発生しやすく、青い画面や黒い画面のまま固まることがあります。手順はシンプルです。電源投入後に画面指示のキーで設定画面を開き、Load Setup DefaultsやOptimized Defaultsを実行して既定値に戻します。次にブート順でSSDやHDDの起動ドライブが先頭かを確認し、Secure BootやCSMの有効無効を既定に合わせます。設定保存後に再起動し、ファンが回るが進まない症状や点滅ランプの異常が改善するか確認してください。自作PCやノートパソコンでも効果は同じで、余計なオーバークロックや周辺機器設定が原因の起動トラブルを短時間で切り分けできます。

• 既定値へ戻しストレージやメモリの認識を再確認する

• 認識順やSATA/NVMe設定を既定に合わせる

• 不要なOCやXMPは一旦無効化する

ドライバ更新や不良周辺機器が引き起こすフリーズの対策

Windows更新やドライバ更新後に画面はつくが進まない、黒い画面でカーソルだけ動く、あるいは起動画面のくるくるが終わらないなら、直近の変更が不具合源の可能性が高いです。まずはすべてのUSB機器を外し、キーボードとマウス、モニターだけで起動します。次にWindows回復環境でセーフモードを起動し、デバイスマネージャーから直近更新したGPUやストレージ、ネットワークのドライバを前のバージョンへ戻します。問題のあるソフトをアンインストールし、常駐を停止します。スタートアップ修復やシステムの復元も有効です。ファンは回るが起動しないケースでは、周辺の相性やドライバ競合が多く、ビープ音が鳴るならメモリやボード側の診断も検討します。直近の変更を元に戻し安定動作を確認することが最短復旧の鍵です。

• 直近の変更を元に戻して安定動作を確認する

• 外付けSSD/HDDやUSBデバイスを一旦外す

• セーフモードでドライバをロールバックする

熱と電源不足が原因のシャットダウンを防ぐ

負荷をかけると突然シャットダウンや再起動を繰り返す場合、過熱や電源不足が有力です。ケース内の埃で冷却が弱まるとCPUやGPUが高温でスロットリングや保護停止を起こし、パソコン起動しない状況に近いループを招きます。電源は出力容量や劣化、ケーブル接続不良が原因で電圧が不安定になり、Windowsが修復を試みても青い画面やエラーで止まりがちです。温度監視ツールでCPU/GPU温度をチェックし、アイドルと負荷時の差を見ます。ケースファンの回転、ヒートシンクの装着、サーマルグリスの状態を確認し、冷却経路をエアダスターで清掃します。電源は定格出力と80PLUSの品質、12V系統の余裕を見直します。グラフィックカード増設後に不安定化したなら、補助電源とPSU容量が合っているかを点検してください。ノートパソコンでは吸気口と排気口の目詰まり、バッテリー劣化、ACアダプターの出力不足が典型です。

• 冷却と電源容量の見直しで突然の停止を抑える

• 清掃と再配線で気流と電力供給を安定化する

• バッテリーやACアダプターの健全性を確認する

1. 温度を計測し、必要ならファン曲線を調整する
2. PSU容量とケーブルの供給経路を点検する
3. 埃を除去し、ケース内の気流を整える
4. テストで負荷をかけ、再起動が収まるか検証する

データを守りながら復旧する方法 失敗しないバックアップと移行のコツ

起動しない状態でも可能なバックアップ手段

パソコン起動しない状況でも、重要データの救出は十分可能です。まずは電源入るが起動しないケースか、完全に電源が入らないかで方針が変わります。前者ならWindowsのセーフモードや回復環境からドライブにアクセスし、外付けHDDやSSDへコピーします。後者や黒い画面のまま進まない場合は、ストレージを取り外してSATA-USBアダプターで別PCにつなぎ、データを吸い上げます。自作PCやノートパソコンでも同様に対応できます。青い画面やくるくるが終わらない時は、回復オプションのコマンドプロンプトでxcopyやrobocopyを使うと安定して退避可能です。救出時は上書き禁止と読み取り優先を守り、異音やビープ音があるHDDは無理をせず通電回数を減らしてください。USBメモリは応急用、写真や動画は外付けへ、業務データはクラウド併用で二重化がおすすめです。

• ポイント

  • 通電回数を最小化して劣化の進行を防ぐ
  • 読み取り専用で開き、編集や移動は避ける
  • まずは最重要フォルダから優先退避

短時間で救出の見通しを立て、完了までの手順を紙に書き出すと作業ミスを減らせます。

リカバリーや初期化の前に必ず保存しておきたいデータ

初期化やリカバリーはデータ消去の可能性があるため、先に必要データを徹底的に退避します。優先度はユーザーフォルダ内のドキュメント/ピクチャ/デスクトップ/ダウンロード、業務ソフトの保存先、ブラウザのブックマーク、メールデータ、会計や設計ソフトのデータ、クラウド同期前の未同期ファイルです。Windows環境ならC:\Users\ユーザー名以下を丸ごとコピーした上で、アプリ固有の保存場所やHDD/SSDの別パーティションも確認します。黒い画面で動かない時はセーフモードかコマンドプロンプトで隠しファイル表示を有効にし、復元ポイントは触らず実データを優先します。コピー後はハッシュ確認や件数照合で欠損をチェックし、外付けとクラウドの二重バックアップで安全性を高めましょう。

1. 最重要データのリスト化を作る
2. Users配下を先に丸ごとコピー
3. アプリの保存先とメールを個別確認
4. コピー後に容量と件数を照合
5. 外付けとクラウドで二重保存

パソコン起動しないトラブルでも、保存対象を明確にし順番を守れば取りこぼしは最小化できます。

自作PCやパーツ交換後に起きる起動しないの典型例と対処

ブートデバイスの順序と接続方式を見直してOS起動へ導く

自作PCやストレージ換装後に電源は入るのにOSが立ち上がらない場合、まず疑うべきはブート順と接続方式です。UEFIとレガシーの不一致、SATAとNVMeの優先順位、さらにGPTとMBRの整合が崩れていると、ロゴ後の黒い画面や青い画面、あるいは電源は入るが起動しない症状が出やすくなります。Windowsの自動修復がループする場合も同様です。対処の軸は三つです。ひとつ目はBIOS/UEFI設定での起動デバイス優先度の適正化、ふたつ目は物理接続の再点検、三つ目はブートレコードの修復です。特にNVMe増設時は旧SSD/HDDが先に検出されることが多く、パソコン起動しないと感じる典型です。

• ポイント

  • UEFI/レガシーの整合を確認してから保存終了する
  • SATAケーブルやM.2の装着状態を見直し、OS入りデバイスを最上位へ
  • Windows回復環境での修復を用意し、失敗時はデータを保護してから操作する

補足として、起動順を直してもくるくるが終わらない場合は起動構成が破損している可能性が高いです。

補足として、起動構成が読めない時はまずハードが認識されているかを情報表示画面で確認します。

メモリとGPUの相性や差し込みの問題を検証する

メモリやGPUの差し込み不良、相性問題は自作PCの起動トラブルで上位に来ます。ファンは回るが画面はつくのに映像が出ない、あるいは黒い画面のままカーソルだけ、さらにビープ音が短長のパターンで鳴るなど、症状で切り分けが可能です。まずは静電気対策を行い、メモリは単枚起動でテストします。スロットを替え、接点を清掃し、規格や周波数の混在がないかも確認してください。GPUは補助電源の有無や正しいPCIeスロットへの装着、モニターの入力切替を見直します。オンボード映像出力があるならGPUを外して映像確認を行うと故障か設定かを絞り込めます。

1. メモリ単枚起動でPOST確認し、ビープ音の種類を参照する
2. 別スロットで再試行し、定格設定に戻す（XMP無効化）
3. GPU補助電源と映像ケーブルの接続、入力切替を見直す
4. オンボード映像での起動を試し、GPUの不具合を切り分ける
5. それでも不安定なら電源ユニットの容量と品質を再評価する

補足として、パソコン起動しない症状でファン回らない場合は電源供給自体の問題が疑われます。

パソコン起動しないに関する質問集と回答 すぐ役立つ疑問解消ガイド

強制的に立ち上げる手順は安全に行う方法がある

パソコン起動しない状況で無理に操作するとデータやシステムを傷めるおそれがあります。安全に行うポイントは、電源長押しと放電の順番を厳守し、通電状態を確実にリセットすることです。手順は次の通りです。まず電源が反応しない場合でも、電源ボタンを10〜15秒ほど長押しして完全に終了します。次にACアダプターと周辺機器をすべて外し、ノートならバッテリーが着脱式であれば取り外します。続けて本体の電源ボタンを30秒以上押しっぱなしにして放電を行い、内部の帯電を解消します。完了後、ACアダプターのみ接続し、電源を短押しで起動を確認してください。うまくいかない場合は、メモリやSSDを触る前に周辺機器を外した最小構成で試すこと、ファンが回らない時は電源ユニットやバッテリー不良の可能性を考え、繰り返しの強制終了を避けることが重要です。起動中に青い画面や黒い画面が続く場合は、セーフモードや修復オプションに進める準備としてこの放電を先に実行しておくと成功率が上がります。

• リスク低減のコツ

• 長押し→放電→最小構成の順番で試す

補足として、強制終了後の起動チェックは2〜3回までに留め、異音やビープ音がする場合はハード面の診断を優先してください。

F2を押すとどうなるのか BIOS設定画面で何を確認するか

F2を押すと多くの機種でBIOSやUEFI設定が開き、ハードウェアの認識状況と起動順を確認できます。パソコン起動しない時に画面はつくがOSが始まらない場合、ここでストレージやメモリの認識を点検することが近道です。確認ポイントは主に三つです。まずStorageやInformationに表示されるSSD/HDDの型番が検出されているか、未検出ならケーブルやデバイス故障が疑われます。次にBootメニューの起動順序で、Windowsが入ったSSDが最上位になっているかをチェックします。USBメモリーやネットワークが先頭だと黒い画面や「No boot device」の原因になります。最後にCPU温度やファン回転が極端でないか、ファンは回るが起動しない症状に関連する冷却異常がないかを見ます。設定を変更したら、保存はSave&Exitで確実に反映させます。 OS側の問題が疑わしいときは、BIOSから一時的に起動メニュー（F12など）を呼び出し回復ドライブへ切り替え、セーフモードやスタートアップ修復、コマンドプロンプトに進む準備を整えるのが有効です。