パソコンが立ち上がらないときの原因と対処法｜症状別チェックで安全にデータ守る

電源を押しても無反応、ロゴで止まる、画面は真っ黒なのにカーソルだけ動く——そんな「立ち上がらない」トラブルは珍しくありません。マイクロソフト公開の手順でも、電源リセットや周辺機器の取り外しだけで多くのケースが解消します。まずは焦らず、原因を一つずつ切り分けましょう。

本記事は、修理サポート現場で多い症状と再現手順をもとに、最短で試すチェックから、メーカー別の診断キー、Windowsの修復オプション、データを守る取り出し方法までを体系化しました。特に「自動修復の繰り返し」や「更新後の無限くるくる」は、手順を守れば安全に戻せます。

パーツ故障の兆候（異音・高温・ブルースクリーンのエラーコード）を見逃さず、交換や修理の判断材料も用意しています。まずは「電源タップ・配線」「放電」「起動順」の基本から。迷ったら、記事内の症状別フローに沿って進めてください。大切なデータを守りながら復旧するための順番も、具体的にお伝えします。

パソコンが立ち上がらない時に最初に確認すること

電源ランプが点かない時は配線と電源タップを疑う

電源ランプが点かないなら、まず通電の切り分けが肝心です。タコ足や古い電源タップは電圧降下を起こしやすく、パソコンが立ち上がらない原因になります。延長コード経由を避けて壁のコンセントに直挿しし、ACアダプターの抜き差しで接触をリフレッシュしてください。さらに、別のコンセントや別の電源ケーブルがあれば試すと故障と環境要因の区別ができます。デスクトップは電源ユニット背面のスイッチの位置も確認しましょう。ノートでも充電ランプが消灯ならAC不良の可能性が高いです。周辺機器が過電流を引き起こすこともあるため、USB機器は外し最小構成で起動を試すと効果的です。短時間で切り分けることが復旧の近道です。

• 壁コンセント直挿しで通電を確認

• ACアダプターを抜き差しし接点を再確保

• 周辺機器をすべて外して最小構成で試す

• 背面スイッチやブレーカーの状態を確認

下の表でポイントを整理します。素早く確認して次の対処へつなげましょう。

• 別コンセント直挿しとACアダプターの抜き差しで通電を切り分ける

ノートパソコンでバッテリーを外してACのみで起動する方法

ノートでパソコンが立ち上がらない場合、バッテリー起因を切り分けると原因が掴めます。取り外し可能なモデルはバッテリーを外し、ACアダプターだけを接続して起動を試します。これで電源が入れば、劣化や保護回路作動などバッテリー側の問題が濃厚です。反応がなければACや本体側の不具合を疑います。内蔵バッテリー機種はユーザーでの分解が推奨されないため、AC接続のまま長押しリセットや放電手順で代替します。安全のため金属工具は使わず、端子部の埃を取り除き清潔に保つことも大切です。メーカー別の起動キー表示が英語でも、基本の切り分けは共通です。短時間で可否を判断し、修理相談の材料にしましょう。

• バッテリーを取り外し、ACのみで電源投入を試す

• 起動すればバッテリー不良の可能性が高い

• 非脱着型は無理に分解せず、他の切り分けを優先

• 端子の埃除去や接点の清掃を行う

• 取り外し可能な機種はバッテリーを外し、数十秒放電後にACだけで起動を試す

放電で帯電を解消してから再度電源を入れる手順

帯電は見落としがちですが、黒い画面のままやロゴは出るのに進まないなどの症状を引き起こします。放電でリセットすると復帰するケースが多いです。手順はかんたんです。まず電源コードと周辺機器をすべて外し、ノートは可能ならバッテリーも外します。次に電源ボタンを20〜30秒しっかり長押しします。これは内部の残留電荷を抜くための重要な工程です。数分待ってからACアダプターのみ接続し、電源を入れて挙動を確認します。これでくるくるが終わらない状態や一瞬点灯して落ちる症状が改善することがあります。頻発するなら静電気対策や電源環境の見直しが必要です。放電は手軽で効果が高いので、最初の切り札として実践してください。

1. 電源コードと周辺機器をすべて外す
2. 電源ボタンを20〜30秒長押し
3. 数分待ってからACのみ接続
4. 電源投入し挙動を確認
5. 改善しない場合は別の切り分けへ進む

• 電源コードを抜き、電源ボタン長押しで放電し再接続する

メーカーのロゴで止まって先に進まない時の原因と対策

外付けUSBやディスクを外して起動順の誤認識を回避する

電源を入れるとメーカーのロゴは表示されるのに先へ進まない時は、外付けUSBやディスクが起動デバイスとして誤認識されている可能性があります。まずは落ち着いて電源を切り、周辺機器を全て外してから再度試してください。パソコンが立ち上がらない症状の多くは、起動順と接続デバイスの組み合わせで発生します。特にUSBメモリや外付けHDD、光学ディスクは優先される場合があるため注意が必要です。Windowsの自動修復が繰り返される、ロゴは出るが黒い画面のまま、くるくるが終わらないといった状態でも効果があります。ポイントは内蔵のHDDやSSDからの起動を確実にすることです。再起動後に改善しない場合は、内部ストレージの認識やシステムファイル修復を次の手順で検討します。

• 周辺機器を全て外し、内蔵ストレージからの起動を優先させる

• USBメモリや外付けHDD、光学ディスクを抜いた状態で起動を確認する

• ディスプレイケーブルも一度抜き差しし、表示の安定性をチェックする

BIOSで起動順を確認し初期化する際の注意点

起動デバイスの順序が変わっていると、ノートパソコンでもデスクトップでもパソコンが立ち上がらない状態に見えます。BIOS/UEFIに入り、内蔵SSDやHDDが最優先になっているか確認しましょう。変更操作は慎重に行う必要があり、事前のメモが有効です。初期化（ロードデフォルト）を使う場合は、日付設定やファン制御、SATAモードなどがリセットされる点に注意します。保存は「Save&Exit」を選ぶまで有効になりません。万一の操作ミスに備えて、現在の設定値をスマホで撮影しておくと復帰が容易です。Windowsが起動しないがロゴは出る、黒い画面でカーソルだけ動く、bootmenuに入っても選べないといったケースでも、起動順の見直しは有効です。

• 変更前に現在の設定を控え、保存方法と戻し方を理解してから操作する

• 内蔵SSD/HDDを最上位に設定し、不要な外部起動項目は一時的に無効化する

• 初期化後は日付やSATA/NVMe設定の再確認を行う

メーカー別の初期診断メニューを呼び出すキー操作

メーカーのロゴで止まる場合は、各社の初期診断や起動メニューから原因の切り分けを進めると効率的です。電源投入直後に特定キーを連打するだけで、メモリテストやストレージ診断、スタートアップ修復へ進めます。DellやHPやLenovoや富士通やNECやdynabookなどは、キー配列が近いものの呼び出し先が異なります。ノートパソコンでも共通の操作が多く、ロゴは出るが黒い画面のまま進まない、pc起動しないロゴくるくる、Windows10/11でセーフモードに入りたいといった状況で役立ちます。診断が失敗した場合はストレージやメモリの故障が疑われ、修理の判断材料になります。キー入力のタイミングは電源投入直後が目安です。

• DellやHPやLenovoや富士通やNECやdynabookの電源投入時の診断キーを案内する

• ロゴ表示直後に連打し、表示されたメニューでストレージとメモリ診断を実行する

• 診断が通ればセーフモード起動やスタートアップ修復に進む

【手順の目安】

1. 電源投入直後に各社のキーを連打して起動メニューを表示します。
2. Diagnostics（診断）やメモリ/ストレージテストを実行し、エラーの有無を確認します。
3. エラーなしならWindows回復環境からスタートアップ修復またはセーフモードに進み、ドライバーや更新の不具合を切り分けます。

画面が真っ黒でカーソルだけ動く時に行う三つのチェック

映像出力先が外部モニターに切り替わっていないか確認する

起動後に画面が黒いのにカーソルだけ見える時は、映像出力先が外部へ切り替わっている可能性があります。ノートパソコンでは表示切替キー（例：Fn＋F7やFn＋F8などのモニターアイコン）で内蔵ディスプレイへ戻す操作を試してください。デスクトップはディスプレイの電源と入力切替（HDMI/DisplayPort/DVI）を見直し、モニター側の入力が合っているか確認します。Windowsが動作しているのに表示だけ外部に向いているケースは多く、パソコンが立ち上がらないと感じても実際は表示経路の問題ということがあります。外部モニターを一時的に接続し、映れば設定変更が可能です。グラフィック設定で複製または画面のみ表示を選び、誤った拡張表示を解除すると改善します。

• 表示切替キーで内蔵画面を有効化

• モニターの入力切替と電源を再確認

• 外部モニターを一時接続して映像経路を確認

補足として、ケーブルの抜き差しはパソコンの電源を切り、安全に行うとトラブル防止になります。

HDMIやDisplayPortケーブルを別のものに交換して検証する

黒い画面の原因が映像経路にあるかを切り分けるには、ケーブル交換とポート変更が有効です。ケーブルの断線や規格の相性、アダプターの不具合で信号が途切れると、ロゴは出るが先に進まない、あるいは起動途中で画面が消えるといった症状が出ます。可能なら別規格（HDMI→DisplayPortなど）や別ポートに差し替えて、物理的な障害を除外してください。4K対応の長いケーブルや古い変換アダプターは信号品質が低下しやすく、黒い画面の一因になります。以下の一覧で確認ポイントを整理します。

補足として、内蔵ディスプレイ搭載のノートでも外部出力の優先が残っている場合があるため、交換検証の結果を踏まえて表示設定を見直してください。

セーフモードで起動してグラフィックドライバーを見直す

表示経路が問題なさそうなのにWindowsの画面が真っ黒でカーソルだけ動く時は、グラフィックドライバーの不整合やWindowsUpdate直後の不具合が疑われます。セーフモードなら最小限のドライバーで起動するため、原因の切り分けに最適です。手順は次の通りです。

1. 電源ボタン長押しで強制終了し、起動を3回繰り返して回復メニューを表示
2. トラブルシューティングから詳細オプションを開く
3. スタートアップ設定で再起動し、4（セーフモード）を選択
4. デバイスマネージャーでディスプレイアダプターをロールバックまたは削除
5. 再起動後に最新の正規ドライバーを再インストール

この流れで、黒い画面のまま進まない状態やpc起動しないロゴくるくる後に表示が消える症状の改善を期待できます。特にノートパソコンで外部GPUと内蔵GPUの切替を行う機種は、ドライバーの整合性が重要です。

Windowsが起動しない時に使える修復メニューの進め方

自動修復やスタートアップ修復を起動する操作手順

Windowsが起動しない時は、複数回の失敗から自動で回復環境に入ります。ロゴは出るがくるくるが終わらない、パソコンが立ち上がらない状態が続く場合に有効です。まずは強制終了を2〜3回繰り返し、回復メニューを表示させてください。そこからスタートアップ修復、システムの復元、セーフモードの順に試すと切り分けがスムーズです。インストールメディアがあれば、起動してコンピューターの修復を選び、同じメニューに進めます。NECや富士通、dell、lenovo、hp、ダイナブックでも流れは共通で、Fキーは異なるものの目的地は同じです。修復前には電源とケーブルの接続、外付け機器の取り外しを済ませ、ハード側の要因を排除しましょう。途中でブルースクリーンや黒い画面になっても、焦らずに再度メニューへ戻ることが大切です。

• ポイント：自動修復→スタートアップ修復→システムの復元→セーフモードの順で実行

• 注意：修復操作の前に周辺機器を外し、電源の安定供給を確保

• 補足：インストールメディアがあると回復環境に確実に入れます

復元ポイントで更新を巻き戻す際の注意事項

システムの復元は、WindowsUpdateやドライバー更新が原因でパソコンが立ち上がらない場合の強力な手段です。復元ポイント選択画面で影響を受けるプログラムを表示し、アンインストールされるアプリやドライバーを事前に把握してください。復元はユーザーデータを基本的に保持しますが、暗号化ソフトやセキュリティ製品によっては挙動が変わることがあるため、重要ファイルは別ストレージへ退避しておくと安心です。復元が成功したら、更新やドライバーは一気に適用せず、段階的に戻すのがコツです。まずはグラフィックやストレージなど基幹ドライバーの安定版を適用し、動作確認後にその他を進めましょう。企業PCやBitLocker有効環境では回復キーが求められる場合があるため、操作前に用意しておくと中断を防げます。

短時間での安定化を最優先にし、原因特定と再発防止を並行して進めるのが安全です。

コマンドプロンプトでブートの不具合を直す基本コマンド

スタートアップ修復で直らない時は、回復環境のコマンドプロンプトでブート領域とシステムファイルを整えます。実行は破壊的でない手順から行い、再起動のたびに挙動を確認してください。順序の目安は、まずファイル整合性の確認、次にディスク検査、最後にブートレコード修復です。これにより「ロゴは出るが黒い画面」「pc起動しないロゴくるくる」の長期化を抑えられます。SSDやHDDの物理障害が疑わしい音やSMART警告がある場合は、作業を止めてバックアップを優先します。なおWindows10やWindows11でコマンドは共通なので、環境を問わず試せます。

1. sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows を実行してシステムファイルを検査
2. chkdsk C: /f を実行してファイルシステムの不整合を修正
3. bootrec /fixmbr と bootrec /fixboot を順に実行
4. bootrec /scanos と bootrec /rebuildbcd でブート構成を再生成
5. 再起動して起動状態を確認し、改善しなければセーフモードでドライバーの見直し

番号は安全性重視の順序です。作業中にフリーズする場合はストレージの故障を想定し、無理に処理を継続しないでください。

くるくるが終わらない状態を見極めて安全に復旧するコツ

更新プログラムの適用中かどうかを判断する基準

Windowsの更新処理中はくるくるが長く続くことがあります。焦って電源を切るとシステムが破損し、パソコンが立ち上がらない状態を悪化させることがあります。まずは動作継続のサインを見極めましょう。目安は次の通りです。処理が進んでいるなら待機、明らかな停止なら安全な手順で再起動を検討します。特にWindows10やWindows11では自動修復が走る前兆もあるため、拙速な強制終了は避けるのが安全です。

• ストレージアクセスランプが定期的に点滅している（完全消灯が続かないなら処理中の可能性が高い）

• ファンの回転数や筐体の温度がゆっくり上下している（負荷変動があるのは処理継続のサイン）

• 数分おきにHDD/SSDの小さな動作音がする（アクセスが周期的に発生）

• 電源ランプと画面の明るさが維持されている（スリープやハングではない兆候）

補足として、1時間以上全くアクセスが無い、または高負荷音や発熱が急に止まってからも無反応なら停止の疑いが強いです。

ストレージの健康状態を確認して不良を早期に察知する

くるくるが長引き、黒い画面やロゴから進まない時は、HDDやSSDの劣化が原因のケースがあります。異音や異常な遅さを感じたら、まずはバックアップを優先し、その後に検証を行うのが安全です。下の表で代表的なサインと初動を整理します。強制終了を繰り返すと修復不能な破損につながるため、状況に応じてセーフモードや読み取り優先の手順で確認します。ノートパソコンでも外付け化して診断する方法が有効です。

補足として、バックアップ後はメーカー診断ツールやWindowsのチェックツールで健康状態を確認し、必要に応じて交換を検討します。

メモリやストレージの故障が疑われる時の切り分け方法

メモリを一本挿しで検証して接触不良や相性を特定する

パソコンが立ち上がらない症状のなかでも、電源は入るのに画面表示が進まない、あるいは起動直後にフリーズする場合は、まずメモリの切り分けが有効です。ポイントは一本挿しでの起動テストです。複数枚のメモリがあるなら一本ずつにして、起動の可否や動作の安定を確認します。スロット側の不具合で誤判断しないよう、スロットを変えながら検証してください。起動できた個体とできない個体を比べると、相性や接触不良が見えてきます。静電気対策をしたうえで、ゴールドフィンを無水エタノールで軽く清掃し、完全に乾いてから挿し直すと改善することがあります。メモリ規格（容量やクロック、片面両面）とマザーボードの対応情報を合わせて確認し、定格での安定動作を優先しましょう。

• 一本挿しでの起動テストを行い、挙動を比較します

• スロットを変えて差し直し、接点の清掃で安定性を確認します

• メモリ規格とマザーボードの対応表を確認し、相性問題を除外します

ブルースクリーンのエラー表示から原因を逆引きする

パソコンが立ち上がらない状況でブルースクリーンが一瞬出る、または再起動を繰り返す場合は、エラー表示のストップコードやミニダンプが手掛かりです。典型例としてMEMORY_MANAGEMENTやPAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREAはメモリ不良やドライバー不整合を示すことが多く、CRITICAL_PROCESS_DIEDはシステムファイル破損の可能性が高いです。切り分けの流れはシンプルで、まずはメモリ一本挿し検証とMemTest的な診断ツールの長時間走行、次に最近入れたドライバーや常駐ソフトのロールバックです。Windowsの回復環境でスタートアップ修復やsfc、chkdskを実行し、改善がなければクリーンブートで競合を探ります。重要なのは、ストップコードに応じて優先度を決めることです。

短時間で原因を絞り込みたい時は、再現性の高い操作（負荷や特定アプリ起動）で発生条件を固めると前進します。

SSDやHDDの異音や使用時間から交換時期を判断する

電源は入るのにパソコンが立ち上がらない、ロゴ後のくるくるが終わらない、黒い画面のまま動かないといった症状はストレージ劣化が疑われます。HDDならカチカチ音や回転の立ち上がり不良、SSDならSMARTの代替処理済みセクタやメディア耐久値低下がサインです。まずは通電時間や通算書き込み量、エラー回数をSMARTで確認し、悪化兆候があれば即データ退避を優先してください。動作が不安定でも読み出せるうちにクローン作成を行い、起動ディスクを新しいSSDへ移行すると復旧がスムーズです。ケーブル接触や電源不足で同様の症状が出るため、SATAケーブルの交換や別ポートでの確認も効果的です。発熱対策としてエアフロー改善やファーム更新も検討し、数年使用のドライブは計画的な更新が安心です。

1. SMART値で劣化指標を確認し、しきい値超過は交換判断とします
2. 起動不能でも読み出せるうちにクローン作成やデータ退避を実施します
3. SATA/電源ケーブルやポートを変更し、認識の安定性を確認します
4. 代替ドライブへ交換後、スタートアップ修復で起動を整えます

不穏な音やエラーが増えたら無理に再試行を重ねず、データ保全を最優先に切り替えると被害を小さくできます。

メーカー別に立ち上がらない時の初期対応をまとめて確認する

DellやHPで実行できるハードウェア診断とテストの手順

パソコンが立ち上がらない時は、まず内蔵診断を使って原因を可視化すると近道です。DellやHPは電源投入時のキー操作で強力な自己診断が起動できます。ポイントは起動ループや画面が真っ黒でも実行できることです。手順は次のとおりです。

1. 電源を切り、電源ケーブルや周辺機器を外してから再接続します。
2. 電源を入れてすぐに、DellはF12、HPはF2またはEsc→F2を押し、診断メニューを開きます。
3. メモリ、ストレージ、システムのクイックテストを実行します。時間が取れる場合はフルテストを選びます。
4. 表示された結果とエラーコードを控えます。ストレージ不良やメモリエラーは高確率で起動不良の原因です。
5. 結果に応じて対処を選びます。メモリエラーは再挿入や交換、HDD/SSDエラーはバックアップを優先して修理を検討します。
   内蔵診断でコードが出たら、サポートに伝えるだけで話が早く進みます。特に「ロゴは出るが起動しない」「くるくるが終わらない」状態でもテスト実行が可能です。異音や発熱が強い場合は無理に再試行せず、重要データの保全を最優先にしてください。

• 重要: エラーコードを正確に記録することで、修理や交換の判断が迅速になります。

• 効果: 内部の故障とソフト起因の切り分けができ、不要な作業を減らせます。

補足として、HPはコンポーネント単位の個別テストが充実しており、Dellは事前ブート診断が軽快で短時間です。

Lenovoや富士通やNECやdynabookの回復操作とリカバリーの流れ

Windowsが起動せず黒い画面やロゴで止まる場合は、各社の回復キーから回復環境に入ると効果的です。ここでの選択肢は大きく二つで、修復で現状のWindowsを直すか、初期化で工場状態に戻すかです。違いを理解して選ぶと、データ損失を最小化できます。

回復の基本手順は次のとおりです。

1. 電源を切り、電源投入と同時に各社の回復キーを数回押します。
2. 回復環境で「トラブルシューティング」を選び「スタートアップ修復」や「セーフモード」から起動を試します。
3. 直らない場合は「システムの復元」で復元ポイントを適用します。更新後の不具合に有効です。
4. それでも改善しない時は「このPCを初期状態に戻す」を選び、個人用ファイルを保持かすべて削除を選択します。
5. ストレージ異常が疑われる場合は先にデータ保全を行い、必要なら修理を依頼します。

• 修復はデータ保持が前提、初期化は設定とアプリが消えるのが原則です。

• セーフモード起動やスタートアップ修復で改善するケースは多く、初期化は最終手段として検討します。

パソコンが立ち上がらない状況でも、回復環境に入れれば打てる手は多いです。状況に合わせて、データを守りつつ復旧率を高める選択を意識してください。

データを守りながら復旧するための安全な進め方

起動しないパソコンから重要データを取り出す手順

パソコンが立ち上がらないと感じたら、最優先はデータ保護です。電源やOSの修復より先に、保存中の写真や書類を安全に回収しましょう。ポイントはシンプルで確実な方法を選ぶことです。物理的に故障していないHDDやSSDであれば、別PCで外付け化してアクセスできます。以下の手順で実行してください。

• 通電を止める：強制終了後は再起動を繰り返さず、電源とバッテリーを外します

• ストレージを取り外す：HDD/SSDを本体から外し、SATA-USBアダプターやケースで外付け化します

• 別PCに接続してコピー：ユーザーフォルダーのデータを優先的にバックアップします

• 回復ドライブを準備：別PCでWindowsの回復ドライブを作成し、必要に応じて対象PCを起動します

上記でアクセス不能な場合は、ファイルシステムの破損や暗号化の可能性を念頭に進めます。無理な操作はデータ消失のリスクを高めます。

暗号化ドライブやBitLockerが有効な場合の注意点

BitLockerやメーカー独自の暗号化が有効だと、別PCに接続してもドライブがロックされて開けません。対処の肝は回復キーの所在と解除手順の事前把握です。以下の表で確認ポイントを整理します。

解除できたら、まず重要データのみを安全な場所へコピーします。コピーが完了してから修復や再インストールの判断を行うとリスクを抑えられます。

修理を依頼するか買い替えるかを判断する基準と費用の目安

修理が適切なケースと買い替えが合理的なケースを見極める

「パソコンが立ち上がらない」と感じた瞬間に悩むのが、修理か買い替えかの選択です。ポイントは「故障部位の費用」と「残り寿命」。例えばストレージ（HDD/SSD）故障はデータ復旧と交換で改善しやすく、修理が現実的です。対してマザーボード故障は高額かつ納期も長めで、古い機種では部品在庫が少なく買い替えが合理的になりやすいです。OSサポートやドライバー提供が終了している旧モデルは、修理後もセキュリティや動作の不安が残ります。逆に購入から3年以内で保証が有効、または症状が「電源は入るが画面が真っ黒」「ロゴは出るがくるくるが終わらない」などソフト起因の可能性が高い場合は、修復やリカバリーで復旧する見込みがあります。用途と予算、データの重要度を軸に、費用対効果で判断しましょう。

• 修理が向くケース：ストレージ故障、メモリ不良、電源ボタンやACアダプター不具合

• 買い替えが向くケース：マザーボード障害、液晶と基板の複合故障、サポート終了の古い機種

• 判断の軸：残価と残り寿命、データの重要度、ダウンタイム許容

短時間での判断には費用と期間の目安が役立ちます。次の一覧を参考にしてコストを比較してください。

費用と期間のバランスが合わない場合は、無理に修理を続けず買い替え候補も検討しましょう。

保証やサポート窓口に連絡する前に準備する情報

サポートに連絡する前の準備で復旧までの時間が大きく短縮します。特に「パソコンが立ち上がらない」症状は再現条件やエラーメッセージの有無で対処法が変わるため、型番とシリアル、発生状況、再現手順、実施した対処法を整理しておくと正確な案内を受けやすいです。保証の有無や購入日、OSのバージョン、周辺機器の接続状況も重要です。電源ランプは点灯するのか、起動画面でロゴは出るのか、黒い画面でカーソルだけ動くのかなど、状態の説明を具体化しましょう。Windowsのセーフモードを試したか、スタートアップ修復やリカバリーの実行有無も伝えると切り分けが早まります。事前準備が早期復旧の近道です。

• 準備しておく情報：型番/シリアル、購入日、保証状況、OSバージョン

• 症状の整理：電源の挙動、表示の有無、ロゴ後のくるくるやフリーズの状態

• 試した対処：セーフモード、ケーブル再接続、周辺機器取り外し

以下の手順で情報をそろえると説明がスムーズです。

1. 本体ラベルと設定画面で型番とシリアルを控える
2. 発生日時と前後の操作を時系列で記録する
3. 表示内容やエラーの文字を撮影または書き写す
4. 実施済みの手順を箇条書きにし結果を明記する
5. 保証書と購入証明を手元に用意する

準備が整っていれば、窓口での質問にすぐ回答でき、適切な案内や修理見積もりが得られます。