パソコンが動かない時の原因と対処法｜安全に復旧してデータを守る

電源は入るのに画面は真っ暗、くるくるが終わらない、フリーズして作業が進まない――そんな時に「どこから手を付ければいいか」を順番に示します。総務省通信利用動向調査では約7割がPCを利用しており、私たちのサポート現場でも相談の約3割が「起動しない・固まる」症状です。まずはデータを守りつつ、原因を絞ることが重要です。

本記事は、症状別の切り分けと安全な対処を最短手順でまとめました。例えば、アクセスランプが点滅していれば処理待ちの可能性が高く、むやみに再起動するとデータ破損のリスクがあります。逆に無反応が続く場合は、周辺機器の切り離しやセーフモードでの確認が有効です。

画面は固まっているがマウスは動く、ロゴから進まない、強制終了もできない――それぞれに「今やるべき一手」を具体的に解説します。まずは、あなたの症状に当てはまる章から進めてください。大切なファイルを守りながら、復旧までの最短ルートを一緒にたどりましょう。

症状から原因を素早く特定する パソコンが動かない時の見極め方

画面は固まっているがマウスは動く時に確認すること

「カーソルは動くのにクリックが効かない」「壁紙から進まない」といった状態は、アプリの暴走かWindowsの応答遅延が疑われます。まずは負荷のかかった処理が残っていないかを見極めましょう。ポイントは三つです。ひとつめは、画面の一部だけが止まるならアプリケーションの不具合である可能性が高いことです。ふたつめは、スタートやタスクバーまで反応が鈍いならシステム全体のフリーズに近いことです。みっつめは、アクセスランプの点滅やファンの回転音が活発なら処理中の合図です。焦って再起動を連打するとデータ消失やストレージの損傷を招くため、まずは原因の切り分けを行い、必要に応じて最小限の操作から対処します。特にノートパソコンは電源の長押し前に保存可否を必ず確認してください。

タスクマネージャーで応答なしを終了する手順

アプリが原因ならタスクマネージャーで安全に切り分けできます。次の手順で進めてください。操作はシンプルですが、保存していないデータは失われる可能性がある点を理解してから実施します。

1. Ctrl+Shift+Escを押してタスクマネージャーを開きます。反応しない場合はCtrl+Alt+Delからタスクマネージャーを選びます。
2. プロセス一覧で「応答なし」と表示されるアプリやCPU・メモリ使用率が突出するアプリを探します。
3. 問題のアプリを選択し、タスクの終了をクリックします。終了直後は数十秒待ち、負荷が下がるかを確認します。
4. 改善したら必要な作業を保存し、念のため再起動を行います。改善しない場合は常駐ソフトやドライバーの影響を疑い、クリーンブートやセーフモードの検討に進みます。
5. 同様のフリーズが繰り返されるときは更新プログラムやドライバーの適用、ストレージ容量の確保、ウイルス対策の見直しを行ってください。

アクセスランプと処理待ちの見分け方

フリーズに見えても内部で処理が走っている場合があります。アクセスランプが規則的に点滅し続ける、ファンが強く回る、ディスク使用率が高いなどの状態なら処理待ちの可能性が高めです。目安として30分程度は待機し、ランプが収まるかを確認します。待機中はUSB機器の抜き差しや強制終了を避け、画面が暗いだけのケースでは明るさや外部ディスプレイの設定もチェックします。以下の早見表で判断を補助してください。

待機で復帰しない場合は、必要データの保存後に再起動や強制終了へ進みましょう。無理な電源断は最終手段とし、強制終了はリスクを伴うことを忘れないでください。

電源が入らない 起動しない 黒い画面の原因と対処の全手順

電源は入るが画面が真っ暗な場合の切り分け

電源ランプやファンは回るのに画面が黒いままなら、表示経路の不具合を疑います。まずはモニターとケーブルの確認です。HDMIやDisplayPortの差し直し、別ポートや別ケーブルの試用で断線を切り分けます。ノートパソコンなら外部ディスプレイ切替のファンクションキーを押して表示先を戻してください。明るさ設定が最小になっている例もあるため、輝度キーを上げて反応を見ます。さらに外部モニター接続で内蔵液晶の故障を見極めましょう。Windowsの起動音やNumLockの反応があるのに真っ暗なら、GPUドライバーや起動処理の不具合の可能性が高いです。安全第一で、放電と再起動を実施しつつ、パソコンが動かない状態でもセーフモード起動を試す準備を進めます。

• 接続の再確認：ケーブル差し直しと別ケーブルの検証を実施します。

• 表示切替：外部ディスプレイ切替キーで出力先を元に戻します。

• 明るさ調整：輝度を上げて反応を確認します。

• 外部モニター検証：内蔵液晶故障とOS側の問題を切り分けます。

補足として、BIOS画面が映るかは重要な手掛かりです。映ればOS側の問題に絞り込めます。

メーカーのロゴから進まない時の対処

メーカーのロゴで止まる場合は、周辺機器や起動デバイスの競合が原因になりがちです。まず全USB機器を外し、キーボードとマウスだけにして最小構成で再起動してください。改善がなければ、電源オフ後に電源ボタン長押しで放電を行い、CMOS電池に触れずにBIOS初期化オプションの有無を確認します。起動デバイスの順序を内蔵SSD/HDD優先にし、保存後に再起動します。Windowsロゴが出る場合は、電源投入直後から数回続けて再起動を行い、自動修復の起動オプションを呼び出します。そこからスタートアップ修復やシステムの復元、セーフモードを試して原因を絞ります。更新直後やドライバー変更後に発生したなら、セーフモードでドライバーのロールバックや不要アプリの削除が有効です。ストレージの不良が疑われるときは、SMART情報やエラーの有無を点検し、データ保護を最優先に判断します。

上記で改善しない場合は、記憶装置の健康状態を確認しつつ、重要データの保全を行ってから初期化や修理の検討に進むと安全です。

強制終了もできない時に安全に再起動へ導くリカバリー手順

反応がないまま電源が切れない場合の対処

強制終了も受け付けず電源が落ちない時は、無理に操作を続けるとストレージやデータに負荷がかかります。まずは落ち着いて電源系と周辺機器を切り離し、放電で内部の不安定な状態を解消します。ポイントは順序と待ち時間です。以下の対処法で「パソコンが固まった何もできない」状態からの復帰を狙います。特にノートパソコンはバッテリーやACの扱いが鍵になります。Windowsの更新直後や高負荷アプリの動作中はアクセスランプの点灯を確認し、安易な遮断を避けることが安全です。再接続や再起動の前に外部機器を完全に外し、OS起動に不要なデバイス要因を排除しましょう。異音や焦げ臭さがある場合は通電を止める判断が重要です。

• ACアダプターを外すことで電源供給を断ち、内部の保護動作を解除します

• 電源ボタン長押しで放電し、マザーボードやメモリの保持電荷をリセットします

• 外部機器をすべて外すと、周辺機器起因のフリーズや起動不良を切り分けできます

• 再接続して再起動を試す前に数分待機し、内部の状態安定を待つのが安全です

ノートパソコンでバッテリーが外せない機種の放電方法

内蔵バッテリーの機種は物理的に電池を外せないため、長押し放電が有効です。やり方はシンプルでも、押下時間と再接続までのインターバルが結果を左右します。まずACアダプターやUSB機器を外し、電源ボタンを30秒以上しっかり押し続けて内部の残留電荷を抜きます。その後は数分放置してからACのみ接続し、電源ボタンで起動を試行します。ここで反応が戻れば、メモリやボードの一時的な不整合が解消された可能性が高いです。復帰後はイベントビューアやドライバー更新、不要アプリの整理で再発を防ぎます。反応がない場合は、別のコンセントや違うACケーブルを試すと電源周りの切り分けに役立ちます。ファンが回らず画面が黒いままなら、放置後にもう一度同じ手順を試すと改善することがあります。

再起動が終わらない くるくるが続く時の戻し方

Windowsの再起動が終わらず「くるくる」が続く場合、更新やドライバー適用が処理中のことがあります。アクセスランプが断続的に点滅しているなら処理継続中の可能性が高く、まずは十分に待つ判断が大切です。1時間以上変化がない、あるいはランプがほぼ無点灯で進まないなら回復オプションでのロールバックを検討します。電源を3回連続で入切すると自動修復が起動しやすく、スタートアップ修復や前回の復元ポイントへ戻す選択肢が表示されます。更新直後なら更新のアンインストール、ドライバー要因ならセーフモード起動後にロールバックが有効です。復帰後はストレージの空き容量やセキュリティソフトの競合、起動時常駐の見直しで安定度が上がります。パソコンが動かない再起動できないケースでも、無理な電源断を繰り返さず段階的に実施することが重要です。

1. アクセスランプやファンの動作を確認し、まずは十分に待機します
2. 改善しなければ電源の入切を3回繰り返し、自動修復を呼び出します
3. スタートアップ修復や更新アンインストールを順に実行します
4. セーフモードでドライバーをロールバックし再起動を試します
5. 復帰後は空き容量確保と常駐アプリの整理で再発を抑えます

フリーズのよくある原因を症状別に解説 メモリ不足 熱暴走 ソフト異常

パソコンが突然固まって操作できないと、不安と焦りが一気に高まります。代表的な要因は大きく三つです。ひとつ目はアプリやブラウザを多く開きすぎたことによるメモリ不足で、処理待ちが増えて反応が極端に遅くなります。ふたつ目は内部温度が上昇する熱暴走です。ホコリ詰まりや高温環境でCPUやGPUが保護動作に入り、動作が鈍化または停止します。三つ目はソフト異常で、ドライバーの不整合やWindows更新の不具合、ウイルスや不正アプリによるリソース占有が該当します。症状の見分け方が鍵で、画面は動くがクリックが効かないのか、カーソルさえ動かないのか、黒い画面で止まるのかで切り分けます。パソコン動かないと感じたら、まずは負荷の高い処理を止め、温度や周辺機器を確認し、再起動やセーフモードなど段階的に試すことが効果的です。

メモリ不足で重くて動かない場合の改善策

アプリを複数起動し続けたり、ブラウザのタブを大量に開いているとメモリが枯渇し、PCが極端に重くなります。まずは負荷の見える化が重要です。タスクマネージャーでメモリ使用率を確認し、使用率が常時80％超なら常駐ソフトの見直しとタブ整理を行います。ブラウザは拡張機能が肥大化しがちなので、未使用の拡張を停止し、一時ファイルを削除してください。次に仮想メモリの自動管理を有効にして、スワップ不足を緩和します。動画編集や大型ゲームなど高負荷用途では、8GBから16GB以上へのメモリ増設が現実解です。デュアルチャネル対応や規格の一致を確認してから購入しましょう。加えて、HDD搭載機ならSSD化で体感を大幅改善できます。パソコン動かないと感じる場面が頻発するなら、容量と速度のボトルネックを同時に解消することが近道です。

• 常駐ソフトの見直しやブラウザタブ削減を行い、必要ならメモリ増設を検討する

スタートアップを減らすチェックポイント

起動直後から重い場合は、スタートアップに登録されたアプリが原因になりやすいです。不要な常駐がCPUやメモリを占有し、ログイン後に固まったように見えることがあります。タスクマネージャーのスタートアップタブで有効になっている項目を精査し、使用頻度の低いクラウド同期やランチャー系を無効化します。セキュリティソフトを複数入れていると競合しやすいので一本化が安全です。ドライバー関連は基本自動起動で問題ありませんが、メーカーのユーティリティ類は影響度が大きいものだけ残すのがコツです。サービスの無効化はリスクがあるため、まずはアプリ側から調整します。見直し後は再起動し、起動時間とデスクトップ操作までの体感速度が改善しているか確認しましょう。これでパソコン動かないと感じる初動の引っかかりが和らぎます。

• 不要なアプリや常駐を無効化し、ドライバーの自動起動を整理する

熱暴走で固まる時の応急処置と予防

内部温度が限界に達すると、CPUはクロックを下げ、最終的にフリーズに似た挙動になります。応急処置はシンプルです。まず電源を落とし、本体を水平で風通しの良い場所に置きます。ノートは底面の吸気口を塞がないようスタンドを使い、ホコリをブロワーで軽く除去します。ファンが高回転で唸るなら、高負荷アプリの同時実行を避け、室温を下げるだけでも安定します。予防としては、冷却ファンやヒートシンクの定期清掃、サーマルグリスのリフレッシュ、冷却台の併用が効果的です。GPU搭載のゲーミングPCはドライバー更新でファン制御が改善することもあります。温度監視ツールでアイドルと負荷時の温度を記録し、80度前後でスロットリングが起きていないかチェックしましょう。パソコン動かない症状がゲーム中や動画書き出し中に偏るなら、熱対策の優先度を上げるべきです。

補足として、対処を一度に複数行うと原因が特定しづらくなります。効果検証のために一手ずつ反映して挙動を確認してください。

周辺機器の干渉でパソコンが動かない時にまず外すものリスト

USBやBluetooth機器の影響をゼロにして起動を試す

パソコンが反応せずフリーズする時は、外部機器の不具合が原因で起動や動作が止まることがあります。まずは最小構成での起動がポイントです。マウスとキーボード以外のUSBやBluetooth機器を外し、PC本体とモニターだけにして再起動します。外付けHDDやドングル、プリンター、オーディオインターフェース、キャプチャーボードは影響が大きいため優先的に取り外すと効果的です。周辺デバイスのドライバー競合や電力不足、ストレージからの誤起動が原因でパソコン動かない症状が続くケースは少なくありません。取り外し後に起動が安定するなら、機器を一つずつ戻してどれが原因かを特定します。ノートパソコンの場合はドックやUSBハブも一時的に外し、電源供給の安定化を図ると改善が期待できます。

• 外す優先度が高い周辺機器

  • 外付けHDD/SSD、USBメモリ、カードリーダー
  • プリンター/スキャナー、Webカメラ、オーディオIF
  • キャプチャーや無線アダプター、ゲームコントローラー

外して再起動するだけで改善することが多く、切り分けの第一歩として有効です。

モニターやHDD SSDの接続トラブルを疑うサイン

画面が黒いままやカーソルだけ動くなどの症状は、表示系やストレージ接続の不具合が疑われます。ケーブルの断線やポート不良、外付けドライブからの誤起動があると、Windowsの起動が止まりPCの起動が進まない状態になります。以下の表でチェック観点を整理し、順番に確認してください。ポイントは物理接続の再確認と起動優先順位の見直しです。ディスプレイは入力切替の誤設定も多く、HDMIやDisplayPortの差し直しで復旧することがあります。ストレージはSATA/電源ケーブルの緩み、USBストレージの挿しっぱなしによるブート妨害が典型例です。外付けHDDやSSDを外してから再起動し、内部SSDの起動を優先させると解消することがあります。

番号で手順化すると迷いません。

1. モニターの入力切替とケーブルを再確認する
2. 外付けHDD/SSDやUSBメモリをすべて外して再起動する
3. BIOSの起動順序で内部SSDを最優先に設定する
4. それでも改善しない場合は別ケーブル/別ポートで再検証する
5. 内蔵ストレージやメモリの物理接続緩みを点検する

ケーブルの差し直しや誤起動の解消だけで、パソコン動かない状態からの復帰率が大きく上がるはずです。

Windowsが反応しない時の回復テクニック セーフモードと回復オプション

セーフモードで起動してドライバーや更新を見直す

Windowsが急に反応せず「パソコンが動かないように見える」時は、まずセーフモードで起動して原因を絞り込みます。通常起動で固まる要因の多くは、ドライバーの不整合や最近の更新、常駐アプリの競合です。セーフモードは最小限のドライバーで起動するため、問題の切り分けに最適です。起動手順は、電源投入直後に回復環境へ入り、スタートアップ設定からセーフモードを選びます。入れたら、デバイスマネージャーで直近に入れたドライバーのロールバック、Windows更新履歴から問題更新のアンインストールを実施します。さらに、不要な常駐を外すクリーンブートで競合を確認し、再起動して挙動を比較しましょう。再現が消えるなら、該当ドライバーやアプリの更新・再インストールで改善できます。反応が鈍いだけの場合は、タスクマネージャーで高負荷アプリの終了、スタートアップの最適化、ストレージ空き容量の確保も効果的です。ノートパソコンで発生する電源異常は放電で改善することもあるため、電源ボタンの強制終了後に数分待ってから再起動を試してください。

• 不具合更新のアンインストールやクリーンブートで原因を切り分ける

システムの復元やスタートアップ修復の使い分け

起動後に画面が固まる、マウスは動くのにクリックできない、黒い画面でカーソルだけ表示されるといった症状は、設定変更やドライバー更新が原因であることが多く、まずはシステムの復元を使います。復元は個人データを残したまま、レジストリやドライバー、システムファイルを以前の正常時点へ戻せます。復元ポイントを選び、変更前の状態に戻したら、再発防止として問題の更新をブロックまたは適切なバージョンへ固定します。一方で、最初の画面から進まない、再起動が終わらない、起動時に自動修復が繰り返されるなど、OSが立ち上がらない場合はスタートアップ修復が有効です。ブートレコードや起動設定の破損を自動で修正し、起動に必要な構成を復旧します。実行後も改善しない時は、回復環境からシステムファイル修復や更新プログラムのアンインストール（品質/機能更新）、最後の手段として初期化（個人ファイル保持オプション）を選びます。選択の目安は次の通りです。

• 起動不可はスタートアップ修復、設定変更後の不具合はシステムの復元を試す

データを守りながら進める対処手順 してはいけない操作を先に確認

強制終了の前に待つべき時間と判断基準

パソコンが反応せず不安でも、いきなり強制終了は危険です。まずは作業中かどうかを丁寧に見極めます。ポイントは三つです。ひとつ目はアクセスランプの状態で、SSDやHDDのランプが規則的に点滅しているなら処理中の可能性が高いので最低5分、更新実行時は10～30分は待ちます。ふたつ目は画面の表示で、Windowsの更新やドライバー適用の表記、くるくるが回り続ける表示がある場合は電源を切らないことが最優先です。みっつ目はファン音と発熱で、急な高負荷後のフリーズは時間経過で復帰することもあります。判断の手がかりとして、Ctrl+Alt+Delが出ればアプリ固有の停止、完全無反応ならシステム全体の停止が疑われます。パソコン動かない状況でも、データ破損を避けるための待機は有効です。

• アクセスランプが継続点滅していれば待機を優先

• 更新やセットアップ表示中は電源操作をしない

• Ctrl+Alt+Delが効くならアプリ終了で対処

短時間での電源断を避けるだけで、起動トラブルやファイル破損の連鎖を防げます。

ストレージの寿命や故障が疑われるサイン

フリーズの背景にストレージ劣化が潜むことは珍しくありません。次の兆候が複数当てはまるなら、まずバックアップを最優先してください。起動はするのに頻繁に固まる、パソコン画面が黒いのにカーソルだけ動く、コピーやインストールで極端に時間がかかる、これらは読み書きエラーの典型です。HDDではカチカチ音やブーンという周期音、SSDでは突然の再起動やビットロットに伴うファイル破損が手掛かりになります。さらにSMARTエラーの表示、チェックディスクの自動実行が繰り返される、windows背景画面から進まないのにマウスは動く現象が出る場合は故障前兆の可能性が高いです。バックアップ後にケーブルやポートの確認、ストレージ診断ツールでヘルスを確認し、エラーが出たら速やかに交換へ進めます。パソコン動かない症状が再起動で一時的に直っても、再発は加速します。

テーブルの項目を一つでも満たす場合は、作業継続よりデータ保全を優先する方が安全です。

予防でトラブルを減らす日常メンテナンスと環境づくり

ソフトやWindowsを最新に保ちセキュリティで感染を防ぐ

パソコンが急に反応しない、いわゆる「パソコンが動かない」状態の多くは、古いソフトや更新待ちのWindows、未整備のセキュリティが引き金です。更新を自動化し、再起動のスケジュールも決めておくと、フリーズや起動不良の予防に直結します。さらに、信頼できるウイルス対策ソフトを常駐させ、リアルタイム保護と定期スキャンを両立させましょう。ポイントは、アプリケーションとドライバーの両方を最新に保つことです。特にグラフィックやチップセットのドライバー更新は、画面が固まる現象の改善に有効です。社外ネットワークや公共Wi‑Fiの利用時は、ファイアウォールを強化し危険な通信を遮断する設定を徹底します。万一に備えて復元ポイントの作成も習慣化すると、不具合発生時の復旧がスムーズになります。

• 自動更新を有効化して再起動時間を計画する

• ウイルス対策ソフトのリアルタイム保護と定期スキャンを設定する

• ドライバー更新で表示や動作の安定性を高める

• 復元ポイント作成でトラブル時の戻し先を確保する

ストレージの空き容量を確保しデフラグや整理を行う

ストレージが逼迫すると、Windowsの一時ファイル展開や仮想メモリが不足し、フリーズや再起動ループ、マウスは動くのにクリックだけ効かないなどの不自然なラグが起きやすくなります。空き容量の目安は、システムドライブで最低でも10～20％を確保することです。SSDではデフラグではなく最適化（TRIM）を実行し、HDDはデフラグで断片化を解消します。加えて、ダウンロードや動画素材など大容量ファイルの整理、不要アプリのアンインストール、クラウドや外部ドライブへの退避で、読み書きの負荷を軽減しましょう。起動が遅い、黒い画面のまま進まない症状の改善にも役立ちます。以下の表を基準に、定期的な整理サイクルを設定してください。

1. Windowsのストレージセンサーを有効化します。
2. 不要アプリと重複ソフトを削除します。
3. 大容量データは外部やクラウドへ移動します。
4. SSDは最適化、HDDはデフラグを実行します。
5. 再起動して動作と起動時間を数値で確認します。

どうしても解決しない時の相談先と依頼の目安

修理業者に依頼する前に準備するチェック項目

パソコンが急に反応せず「パソコンが動かない」と感じたとき、駆け込みで修理に出す前に情報を整理しておくと、原因の特定と費用の最適化につながります。まずは症状の記録です。いつから、どの操作の後に、電源は入るのか、画面は黒いのか、マウスは動くがクリックできないのか、再起動できないのかなどを具体的に控えましょう。次に周辺機器の有無です。外付けHDDやUSB機器、モニター、マウスやキーボードを外して変化があるかを確認します。さらに実施済みの対処法を明記します。例えば強制終了、電源長押し、セーフモード、ドライバー更新、Windowsのクリーンブート、放電などです。最後にデータの重要度とバックアップ状況を整理します。重要ファイルの有無、クラウドや外部ディスクの保存状況、復旧を優先したいフォルダを明確化すると、業者とのやり取りがスムーズです。下記のチェックで抜け漏れを防ぎましょう。

• 症状の発生タイミングと再現条件を記録（起動、ログイン、更新後、負荷時など）

• 接続中の周辺機器一覧と切り離し検証の結果（外付け機器、ディスプレイ、ドック）

• 実施した対処法の履歴（再起動、強制終了、ドライバー更新、ウイルススキャン）

• 重要データとバックアップ状況（場所、最終実施日、復旧優先度）

上記が揃えば、修理見積もりの精度が上がり、無駄な作業や費用を抑えやすくなります。特に「電源が入るが黒い画面」や「マウスは動くが操作できない」などの状態は詳細が鍵です。

表の内容を埋めるだけで、状況説明が簡潔になります。修理窓口や出張サポートに連絡する際の第一報として有効です。

買い替えを検討する時の基準とデータ引き継ぎのコツ

直せるなら修理、長く使うなら買い替え。この判断は感覚ではなく基準で決めると後悔しません。目安は三つです。まず年数です。一般的に使用年数が5〜6年を超え、起動や処理が遅く、メモリやストレージの増設余地が少ない場合は、最新CPUやSSDのPCに乗り換えた方が総合コストは下がります。次に費用です。修理見積もりが新品価格の3〜5割を超えるなら、保証のある新機種が有利です。最後に用途です。動画編集やゲーミングなど負荷が高い作業でフリーズや再起動ループが続くなら、性能ボトルネックが原因の可能性が高く、根治には買い替えが効果的です。引き継ぎのコツは段取りがすべて。データはユーザーフォルダ、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、メールデータ、ブラウザのブックマークを優先して集約します。設定はMicrosoftアカウントの同期や主要ブラウザの同期機能、メールはIMAP設定での再同期が効率的です。アプリはライセンスの解除と再認証を忘れずに、セキュリティソフトは旧PCでのアクティベーション解除を先に行います。外付けSSDやクラウドを併用し、万一に備え二重バックアップを作るのが安心です。

1. バックアップ設計を先に決める（外付けSSDとクラウドの二重化）
2. データを一箇所に集約（ユーザーフォルダの整理とサイズ把握）
3. アプリのライセンス管理（解除キー控え、再認証の準備）
4. 新PCの初期設定後に段階移行（データ→アプリ→周辺機器の順）
5. 旧PCは初期化前に動作確認（必要データの取り残しチェック）

パソコンが動かない症状が頻発し、再起動や強制終了でも安定しないときは、時間と機会損失を含めた総コストで比較してください。適切な買い替えは日々のストレスと業務リスクを大きく減らします。