PHPで大量のテキストデータやフォーム入力を一括で整形・修正したい――そんな場面で活躍するのがstr_replace関数です。実は、この関数はPHPの標準関数の中でも日常的にもっとも利用頻度が高い文字列操作機能の一つとして多くの現場で支持されています。
しかし、実際に使ってみると「配列でまとめて置換したい」「日本語や改行を安全に変換したい」「大文字小文字の違いを無視したい」など、思い通りに動かず悩む声も少なくありません。特に、初心者向けの解説記事で紹介されるサンプルだけでは応用場面に対応できず、開発現場の半数以上が正しい活用方法に迷うという調査結果も出ています。
この記事では、str_replaceの基本から複数置換・特殊文字・マルチバイト・配列・置換回数の取得まで、現場で直面する疑問を一つひとつクリアに解説。さらに、preg_replaceやstrtrとの適切な使い分け方、実務現場でよく発生する落とし穴と解決策まで網羅します。
「どう書けば最適か分からない」「間違った使い方で見落としが生じてしまった経験がある」――そんな悩みをお持ちであれば、ぜひ最後まで読み進めてください。現役エンジニア監修のノウハウを余すことなくお伝えしますので、一歩先のPHPコーディングが実現できます。
目次
PHPでstr_replaceを理解するための完全ガイド：基礎から応用テクニックまで徹底解説
PHPで文字列置換が必要な場面例と具体用途
PHPで文字列を置換する要求は多くのケースで発生します。たとえば、受け取ったユーザー入力内の特定キーワードの差し替え、HTMLタグの除去、改行コードの統一、絵文字やマルチバイト文字を含む日本語テキストの加工などが挙げられます。さらに、複数の文字や単語を一括して別の表現に変えたい場合や、メールアドレスのドメインだけを変換するなど、柔軟な置換処理が必要です。ログデータの整形、CSVのフィールド区切りの調整、テンプレート内での動的な文字列置き換えなどもstr_replace活用の代表例です。シンプルな用途から複雑なバリデーションまで、幅広いニーズでこの関数が活用されているため、知識を深めておくことは開発の効率化に直結します。
str_replaceの基本構文と引数の詳細説明
str_replaceは、指定した文字列や配列の検索・置換を簡単に実現するPHPの基本関数です。主な引数は次のとおりです。
| 引数 | 説明 |
|---|---|
| $search | 検索したい文字列または配列 |
| $replace | 置換後の文字列または配列 |
| $subject | 対象となる文字列または配列 |
| &$count | オプション。置換総数をカウントする変数（参照渡し） |
【基本構文例】
str_replace($search, $replace, $subject, &$count);
例えば、「abc」を「def」に変換したい場合は、str_replace('abc', 'def', $string);とします。配列同士で渡すことで複数置換も可能です。なお、str_replaceは大文字小文字を区別し、正規表現には非対応です。正規表現指定が必要な場合はpreg_replaceの利用を検討しましょう。また、改行コードや日本語、マルチバイトにも対応していますが、使い方によっては文字化けに注意が必要です。
str_replaceのメリットと機能制限
str_replaceの主なメリットは次のとおりです。
-
強力かつ簡易な文字列置換：扱いやすい直感的な構文、コード短縮につながる
-
複数ワードの同時置換が可能：配列指定でまとめて効率化
-
置換回数の取得にも対応：$count 引数で正確に把握できる
一方で、機能制限も存在します。
-
正規表現には対応していません。パターンマッチや複雑なルールに基づく置換にはpreg_replaceを使用します。
-
大文字小文字を区別するため、例えば「a」を「b」に変換しても「A」には反応しません。ケースインセンシティブ対応をしたい場合はstr_ireplaceを利用します。
-
配列を使った場合の挙動として、$searchと$replaceの要素数が一致しないと一部想定外の変換結果になることもあるため注意しましょう。
用途に応じてsubstr_replaceやpreg_replaceとの使い分けを意識することで、より柔軟で効率的な置換処理が可能になります。複雑な正規表現や1回だけの置換、改行コードなど用途に応じたベストな関数選択が重要です。
PHPでstr_replaceを使いこなす実践的なコードサンプル集
単一文字列を置換する基本例（シンプルな使い方）
PHPで文字列を手軽に置換する方法として最も使われるのがstr_replace関数です。基本構文は以下の通りです。
$new_text = str_replace(‘検索文字’, ‘置換文字’, ‘対象文字列’);
例えば、「apple」という単語を「orange」に置き換える場合、変換前と変換後の文字列を指定するだけで、すべての該当箇所が一括で置換されます。
-
指定した文字列が複数回現れる場合、すべて自動で対象となります。
-
大文字小文字は区別されます。区別せずに置換したい場合はstr_ireplaceを利用します。
特徴
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検索対象と置換後の文字を指定するだけで直感的に操作可能
-
HTMLやjsonなどさまざまなフォーマットでも活用できる
-
単語だけでなく記号や数字も置換対象となる
配列を利用した複数文字列置換の実践方法（php str_replace 複数 / 配列）
複数の単語やフレーズを一括置換したいときは、$searchと$replaceに配列を渡すことで、効率的かつミスなく文字列を整理できます。
使い方の例
$text = ‘apple and orange’;
$search = array(‘apple’, ‘orange’);
$replace = array(‘melon’, ‘grape’);
$new_text = str_replace($search, $replace, $text);
この例では「apple」は「melon」、「orange」は「grape」に一度に変換され、対象文字列全てを柔軟に編集できます。
ポイント
-
$searchと$replaceの配列数が違う場合、足りない値は空文字・または最後の要素で補完されます
-
配列での複数置換は可読性と保守性も高めます
-
大量の文字種やパターン置換に最適です
主な用途
-
辞書登録のように単語一斉変換
-
禁止語置換や特殊文字削除
改行コードやタブなど特殊文字の置換例（php str_replace 改行コード）
PHPではOSごとに異なる改行コード（”\n”, “\r\n”, “\r”）やタブ・空白を統一したい場面が多くあります。str_replaceを使うことで、混在する改行やタブをすべて目的のコードに一発変換できます。
例
$text = “line1\r\nline2\nline3\rline4”;
$new_text = str_replace(array(“\r\n”, “\r”, “\n”), “
“, $text);
ポイント
-
データ加工やWeb表示用整形にも有効
-
複数の改行形式を配列指定でまとめて処理可能
-
タブ（”\t”）や空白も同様に置換対象にできる
表：主な特殊文字と置換例
| 対象文字 | 置換形式 | 使用例 |
|---|---|---|
| 改行 | テキスト→HTML変換 | |
| タブ | 半角スペース | 生データクリーニング |
日本語・マルチバイト文字列の安全な置換方法（php str_replace マルチバイト 日本語）
日本語や中国語などのマルチバイト文字でもstr_replaceは安全に利用できます。ただし、「大文字・小文字の区別」と「エンコード状態」に注意が必要です。
特長
-
UTF-8など多様な文字コード対応
-
変換元・変換後共にマルチバイト文字で問題なく動作
注意点
-
検索・置換文字列に全角や半角の違いが混ざらないように
-
大文字小文字変換や正規表現による柔軟な指定はstr_ireplaceやpreg_replaceを検討
主な活用例
-
フォーム入力の定型文一括補正
-
公開前チェックで禁止語やNGワードの検出・排除
置換回数取得を活用した高度な処理例
str_replaceの第4引数を使うと、実際に何回置換を行ったかの回数を取得できます。ログ出力やエラー検知、ユーザーアクション履歴集計などにも応用可能です。
サンプルコード
$count = 0;
str_replace(‘test’, ‘check’, ‘test test test’, $count);
この場合、$countには3が格納され、どれだけの置換が発生したかを正確に記録できます。
活用例
-
コンテンツの自動修正量を記録しダッシュボード等で可視化
-
特定ワードの差し替え効果計測
-
フィードバックやQAシステムの置換チェック
ポイントリスト
-
置換回数が0の場合は対象が存在しないため無駄な操作を省ける
-
配列利用時にも合計値でカウントされる
-
アプリの品質管理やセキュリティチェックにも役立つ
str_replaceと他の類似PHP文字列置換関数を徹底比較・最適な使い分け方
PHPで文字列を置換したい場面は頻繁に発生しますが、str_replaceだけでなく、preg_replace、substr_replace、strtrなど複数の置換関数が用意されています。用途や特長を理解し、最適な関数を選択することが重要です。ここでは、主要な文字列置換関数の違いと、より効率的な使い分けについてわかりやすく整理します。
preg_replaceとの具体的な違いと使いどころ（php str_replace 正規表現 / preg_replace）
str_replaceは特定の文字列をそのまま検索し、置き換えるシンプルな関数です。一方、preg_replaceは正規表現による高度なパターンマッチが可能です。例えば、単純なワードを一括で置換する場合はstr_replaceが高速に動作しますが、数字だけや特定のフォーマット部分のみ置換したい場合、preg_replaceが活躍します。
| 比較項目 | str_replace | preg_replace |
|---|---|---|
| 検索方法 | 文字列 | 正規表現（パターン指定可） |
| 複数置換 | 配列で指定しまとめて置換 | 配列・正規表現で複雑な複数パターン置換可 |
| 改行など特殊文字 | 文字列としてそのまま（”\n”は可） | すべて正規表現のパターンで柔軟に対応 |
| 最初のみ置換 | 不可 | 可能（preg_replaceの修飾子・配列操作で実装） |
| マルチバイト | 文字列そのものだが、正規表現ほど扱いが柔軟ではない | “u”修飾子でUTF-8（日本語など）も安全に利用可 |
このように、パターンや条件が複雑な場合はpreg_replaceを、シンプルに同じ文字・単語を一括置換したい場合はstr_replaceを使うことで、効率よくコーディングが可能となります。
大文字小文字を区別しない置換の方法（php str_replace case insensitive / str_ireplace）
標準のstr_replaceは大文字小文字を厳密に区別して置換されます。もし大文字・小文字を区別せずに置換したい場合は、str_ireplaceを活用します。str_ireplaceは検索時に英字の大文字・小文字の違いを無視して一致させるため、多様なテキスト処理に効果的です。
str_replaceとstr_ireplaceの違い
| 関数名 | 大文字小文字区別 | 用途例 |
|---|---|---|
| str_replace | 区別する | “Hello”→”HELLO”のように大文字構成を崩したくない場合 |
| str_ireplace | 区別しない | “apple”/”Apple”/”APPLE”全てを一括で”オレンジ”に |
複数の単語や単語の大小区別が混在している場合でも、str_ireplaceなら一度に単語を統一変換できます。case insensitiveな置換が必要な時は、必ずstr_ireplaceを選びましょう。
その他の文字列置換関数との機能差と用途比較（substr_replace、strtrなど）
文字列置換のニーズは多様化しています。str_replace以外にも、用途に特化した便利な関数が用意されています。
主要な置換関数の機能差と用途一覧
| 関数 | 主な特徴 | 代表的な用途例 |
|---|---|---|
| substr_replace | 指定位置・範囲を部分的に置換 | メールアドレスの一部マスク、文字列一部改変 |
| strtr | 文字単位の対応表変換（配列や2文字以上も部分対応） | 多数の特定文字や辞書ベースの複雑な置換 |
| str_replace | 単純な文字列・単語を全て一気に置換 | NGワードフィルタ、タグ修正、形式統一 |
-
substr_replaceは、対象文字列の「開始位置」「長さ」を明確に指定して一部をピンポイントで置換するのに適しています。
-
strtrは配列やkey-valueマップで複雑な置換処理を瞬時に実現できます。UTF-8など日本語も対応可能です。
置換シーンに合わせて最適な関数を選ぶことで、保守性や実行速度が大きく向上します。どの関数にも長所と短所があるため、処理目的ごとに役割を整理し、コードの品質と効率性を高めましょう。
PHPでstr_replaceを利用する際の注意点・失敗しないためのポイント集
最初のみの置換ができない理由と代替手段（php str_replace 最初のみ / 1回だけ）
str_replace関数は、対象となる文字列やパターンが何度登場しても全て一括置換を行います。そのため「最初の1回だけ」や「1つ目のみ」を確実に置換したい場合には注意が必要です。str_replace自体は最初だけの指定ができないため、下記のような代替方法を活用します。
-
substr_replaceを利用し、特定の位置だけ置換したい場合に役立ちます。
-
preg_replace関数を使い、置換回数を1回だけに制限できます（引数limitを1に指定）。
-
strposやsubstrなどと組み合わせて、位置情報を取得しピンポイントで置換する方法も有効です。
よくある用途や実現方法を比較表にまとめました。
| 目的 | 関数 | ポイント |
|---|---|---|
| すべての一致を置換 | str_replace | デフォルトの挙動 |
| 最初の一致だけを置換 | preg_replace + limit | 正規表現利用＋制限 |
| 特定位置の内容を置換 | substr_replace | 位置指定が必要 |
もし現場で1回のみの置換に困った場合は、用途に合う関数を選択することが確実な実装への近道です。
複数置換時の思わぬ落とし穴と回避策（php str_replace multiple values / 配列）
str_replace関数は、配列で複数の文字列を同時に検索・置換できます。しかし、重複や入れ子状態（ネスト）の置換が絡むと元の文字列が予期しない変化をするケースが生じます。特に、検索語と置換語に重なりがある場合や、入れ子の削除が発生する場合は注意しましょう。
例：
- 検索配列[‘a’,’aa’]、置換配列[‘aa’,’b’]を指定すると、先に’a’→’aa’で全てをaaに変換し、後続で’aa’→’b’となり全部がb化する可能性があります。
下記のリストを参考に安全な多重置換を行いましょう。
-
配列内の順番や重複をしっかり確認する
-
検索語同士が部分一致しないよう設計する
-
必要に応じてpreg_replace（正規表現）を併用し、高度な条件で置換処理を行う
配列での同時置換は効率的ですが、設計ミスがバグに直結しやすい部分なので、事前の動作テストで挙動を確認する習慣が重要です。
日本語・マルチバイト置換トラブルの対処法
str_replaceはマルチバイト文字（日本語や全角文字）にも対応しています。ただし、環境やエンコード設定によっては意図しない挙動となる場合があります。特に、UTF-8以外の文字コードや、旧環境（Shift-JIS等）では部分的な文字化けや置換失敗が生じやすいです。
以下のポイントに注意しましょう。
-
文字エンコードを常にUTF-8で統一する
-
正規表現を用いたpreg_replace利用時には、u修飾子を付与しマルチバイト対応する
-
改行コードも異なる場合があるため、”\n”や”\r\n”の違いに注意して置換文字列を設定する
また、日本語などのマルチバイト文字を大量処理する場合、パフォーマンスや置換ミスも発生しやすくなります。テストケースとして日本語を含む複数パターンで検証を繰り返すことが、意図通りの動作につながります。
| 想定ケース | 推奨関数 | 追加注意点 |
|---|---|---|
| 全角文字置換 | str_replace | UTF-8を明示 |
| 複雑なパターン置換 | preg_replace | u修飾子でマルチバイト指定 |
| 改行コード違いの置換 | str_replace/preg_replace | “\n””\r\n”両方に対応 |
多様な日本語処理にも万全に対応できるよう、エンコーディングとサンプルデータの多様化を意識してください。
PHPでstr_replaceを実務に活かす！ユーザー入力整形やCMS応用アイデア
Webフォーム入力値の加工・サニタイズでの利用法
PHPのstr_replace関数は、Webフォームで受け取ったユーザー入力を安全かつ効率的に処理する際に不可欠です。特に、入力された改行や記号、特定ワードの置換処理で幅広く活用されています。例えばテキストエリアの改行コード（\r\nや\n）をHTMLの
タグに一括変換することで、投稿コンテンツの表示を整えることができます。また、危険な記号やタグを除去し、データベースや表示に適した形へサニタイズする用途にも有効です。
よく使われる「配列」を活用した複数置換にも対応しており、下記のように記述します。
| 処理内容 | サンプルコード例 | 効果 |
|---|---|---|
| 改行コードを に |
str_replace(“\n”, “ “, $text) |
データ表示時に改行維持 |
| 複数ワード一括置換 | str_replace([‘foo’,’bar’], [‘x’,’y’], $input) | 禁止語やNGワード対策 |
正規表現による置換が必要な場合はpreg_replaceも適宜組み合わせることで、より柔軟な入力バリデーションや加工が実現できます。
WordPressやCMSでの文字列置換活用例（wordpress str_replace）
WordPressなどのCMS環境下でもstr_replaceは多用されています。例えば、投稿本文やタイトルの不要な単語、自動付与されるタグの除去、特定ショートコードの変換など、多様な出力カスタマイズが求められる場面で役立ちます。
WordPressのフィルターフック「the_content」や「the_title」などと併用し、以下のようにコールバック内でstr_replaceを活用することが多いです。
| 活用例 | 解説 |
|---|---|
| 本文出力時の語句一括変換 | ユーザー向けに内容や表記の自動統一 |
| 特定ショートコードのHTML変換 | 独自の入力パターンをHTMLに自動変換 |
| 固定ワードによる広告挿入 | コンテンツ内のキーワードを検知して広告タグに置換 |
この手法はテーマ・プラグインカスタマイズ時にも有用であり、複数ワードの同時置換も配列指定で容易に実装できます。大規模メディアや複雑な表現ルールにも柔軟に対応できるのが大きなメリットです。
Laravelにおけるstr_replaceの活用（laravel str_replace）
Laravelでもstr_replaceは多くのシーンで活躍しています。Eloquentモデルのアクセサやミューテターでデータ保存・表示前の自動整形、Bladeテンプレートでの出力加工、APIのJSONレスポンス生成時に使うケースが多いです。
例えば、ユーザー名やコメントの改行を適切なHTMLに変換したり、複数の不要ワードや禁止語を一括でマスキングする際に有効です。特に配列を使った複数置換や、preg_replaceと組み合わせて正規表現によるパターン置換を行うことで、より詳細なニーズに応えることができます。
下記リストはLaravelでの主な活用パターンです。
-
アクセサでの表示用データの整形（例: 改行を
に置換） -
バリデーション後の文字列一括置換・マスキング
-
APIレスポンスの整形や不要データの削除
-
配列処理やコレクション操作と組み合わせた柔軟な置換処理
Laravelのストリームラインされた記述とstr_replaceの組み合わせにより、コードの可読性と保守性も向上します。安全なユーザー入力処理や動的なレイアウト調整を行う際にも欠かせない技術です。
主要PHP文字列置換関数の比較チャートと選び方の全指針
代表的文字列置換関数の機能比較一覧
PHPで文字列を柔軟に置換するには用途に応じて関数を選ぶことが重要です。主な関数の特徴・対応状況は以下の通りです。
| 関数名 | 正規表現対応 | 複数置換 | 部分置換 | 配列対応 | マルチバイト対応 | 大文字小文字区別 | 改行対応 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| str_replace | × | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ | 単純な文字列の一括置換 |
| str_ireplace | × | ○ | × | ○ | × | × | ○ | 大文字小文字を区別しない一括置換 |
| preg_replace | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 正規表現による柔軟な置換 |
| substr_replace | × | × | ○ | ○ | × | ○ | ○ | 指定位置への部分置換 |
str_replaceは単純な文字列を全て一括で置換する場合に便利ですが、正規表現や大文字小文字を無視しての置換には対応していません。複数検索語を配列で指定でき、改行コードの置換や分かりやすいシンタックスが強みです。preg_replaceはパターンマッチングやマルチバイト文字・日本語に強く、より柔軟な文字列操作が可能です。
具体的使用シーン別最適関数の診断基準
PHPで文字列置換を行う場合、目的やデータの特性に応じて最適な関数選択が必要となります。主なシーン別の選び方は下記の通りです。
-
単純な文字や単語の全置換
- str_replaceが最適。複数語も配列で一斉に置換できます。
-
大文字小文字を区別せず置換したい場合
- str_ireplaceを選択。case insensitiveな置換が可能で英語のローマ字の違いに強いです。
-
正規表現でパターンマッチしたい場合や「最初の1回だけ置換」「改行コードや特殊文字を柔軟に操作」したい場合
- preg_replaceを推奨します。正規表現により、空白・改行・メールアドレスパターンなど高度な置換が可能です。
-
特定の位置だけを差し替えたい場合や部分的に切り出して置換したい場合
- substr_replaceが有効。指定indexから部分的に置換する場面に向いています。
【主な判断ポイント】
-
配列で複数指定：str_replace/preg_replace
-
マルチバイト（日本語など）や改行：preg_replace推奨
-
1回だけ置き換えたい：preg_replaceでlimit引数指定
-
指定位置のみ：substr_replace
このように想定する処理内容によって適した関数を使い分けることで、効率よく正確な文字列処理が実現できます。実装時は用途に合わせた選択で無駄な工数やトラブルを回避しましょう。
PHP str_replaceに関するよくある疑問FAQ集（内部組み込み型）
Q1. str_replaceで複数の単語や文字を一度に置換できますか？
はい、str_replaceでは検索文字列・置換文字列を配列で指定することで複数の文字列を一括で置換できます。
例：
php
$str = “apple, orange, melon”;
$result = str_replace([“apple”, “orange”], [“banana”, “grape”], $str);
// 出力: banana, grape, melon
Q2. str_replaceは正規表現に対応していますか？
str_replaceは正規表現には未対応です。
正規表現を使いたい場合はpreg_replaceを使いましょう。
-
str_replace：部分一致による単純な文字列置換
-
preg_replace：パターンマッチによる柔軟な文字列置換
Q3. 文字列の最初の1ヵ所だけ置換したいときはどうすれば良いですか？
str_replaceは全ての該当箇所を置換します。「最初のみ」にしたい時はsubstr_replaceやpreg_replace・strposなどを活用します。
Q4. 改行コードやタブなどを置換できますか？
可能です。
PHPでは\n（LF）、\r\n（CRLF）、\t（タブ）を指定し下記のように置換します。
php
$str = “line1\nline2”;
$result = str_replace(“\n”, “＜br＞”, $str);
// 出力: line1＜br＞line2
改行コードの違いに注意しましょう。
Q5. 日本語やマルチバイト文字にも対応していますか？
対応しています。 文字コードがUTF-8の場合などでも通常の方法で使えます。
mb_str_replaceという関数はなく、str_replaceで十分です。
Q6. 大文字小文字を区別せず置換することはできますか？
str_replaceは区別します。区別しない場合はstr_ireplaceを利用しましょう。
- “Apple”と”apple”を区別せずに置換したい場合に有効です。
Q7. 配列の各要素にstr_replaceを使いたい場合は？
array_mapなどで効率良く一括処理できます。
php
$array = [“banana apple”, “orange apple”];
$result = array_map(function($v){ return str_replace(“apple”, “grape”, $v); }, $array);
// [“banana grape”, “orange grape”]
Q8. 置換が何回行われたか知りたい場合は？
str_replaceの第4引数にカウント用変数を指定可能です。
php
$count = 0;
str_replace(“a”, “b”, “apple banana”, $count);
// $countには置換回数が入ります
Q9. 配列の検索・置換長が異なる場合は？
検索・置換配列が異なる長さでも自動的に割り当てられます。余った検索語は空文字に置換されます。
エキスパートによるstr_replace実務コーディングTips＆トラブル時の解決策
str_replaceを効率的に活用するため、実際の開発現場で役立つポイントをリストで整理します。
1. 配列による複数同時置換の際の注意
-
検索語・置換語が意図したペアになるよう順番を揃えましょう。
-
例：
str_replace(["A", "B"], ["C", "D"], $str); -
置換対象に含まれる語彙が部分的に重複する場合は、置換順による想定外の結果に注意してください。
2. 正規表現が必要な場合
-
URLや日時など特定パターンを置き換えたい時はpreg_replaceを検討。
-
例：
preg_replace('/\d+/', '数字', $str);
3. 改行・空白の正規統一・削除
-
様々な改行コードが混在するファイルは、まず
str_replace(["\r\n", "\r"], "\n", $text);
で統一してから処理するとミスを防げます。
4. 英小文字・大文字変換の併用
- 置換後の大文字/小文字を揃える場合、strtolowerやstrtoupperと組み合わせると便利です。
5. うまく置換できない場合のチェックポイント
-
置換元文字列が意図したものか必ずvar_dumpなどで確認
-
文字コードや改行コードの違いが原因になることが多いです
-
配列を対象とする場合、思わぬネストやキーの違いも要注意
6. パフォーマンスを意識した大量データ処理
- 多数回のreplace処理が必要な場合はpreg_replace_callbackや配列一括処理で最適化を検討しましょう
主な比較表
| 機能 | str_replace | str_ireplace | preg_replace | substr_replace |
|---|---|---|---|---|
| 複数置換 | ◯ | ◯ | ◯ | △（指定位置のみ） |
| 正規表現対応 | × | × | ◯ | × |
| 大文字小文字無視 | × | ◯ | ◯（iフラグ） | × |
| 配列対応 | ◯ | ◯ | ◯ | × |
| 改行/特殊文字 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
おすすめの使い分け
-
単純・高速・大量置換はstr_replace
-
パターンや柔軟性を要する場合はpreg_replace
-
一部だけ置換・位置指定はsubstr_replace
トラブル発生時は上記のテーブルや各ポイントを確認することで、素早く原因究明と解決ができます。開発効率と信頼性を高めるために、str_replaceを正しく使い分けましょう。
