エアコン水漏れの原因特定と対処法｜3分で応急処置と再発防止まで

エアコンの下が濡れる、ポタポタ音が止まらない——そんな不安はありませんか。実は冷房運転では空気中の水分が結露し、1時間あたりコップ1～2杯程度の水が発生することがあります（環境省の省エネ情報・メーカー公開資料より）。この水はドレンパンに溜まり、ドレンホースから屋外へ排出されますが、詰まりや勾配不良であふれると室内漏れに直結します。

「どこから漏れているのか」「今日すぐ何をすれば被害が広がらないのか」。賃貸での連絡手順、費用目安、自分でできる洗浄の境界線まで、現場対応でよくあるつまずきを順に解消します。特に、右側・左側・中央など“位置”で当たりを付けると原因特定が一気に楽になります。

強い薬剤や無理な分解は逆効果です。まずは安全確保と排水経路の確認から。読み進めれば、3分で仕組みを把握し、今日できる応急処置と再発防止のコツまで一通り押さえられます。落ち着いて、最短ルートで対処していきましょう。

エアコン水漏れを3分で把握する基本の仕組みと今起きている現象の見分け方

結露水が発生して排水されるまでの流れを図解イメージで把握

エアコンの冷房運転では熱交換器に外気中の水分が集まり、結露水が発生します。水はドレンパンに溜まり、ドレンホースを通って屋外へ重力で排出されます。ここで詰まりや勾配不良が起きると、パンから水があふれて室内機の右側や左側のパネル隙間から滴下し、いわゆるエアコン水漏れになります。典型パターンは、フィルター汚れで結露量が増えた時にホース内のスライムやホコリが栓を作り、排水能力を超えてポタポタ落ちるケースです。設置直後の水漏れは配管勾配や断熱不良、経年機ではドレンパンの破損やパッキン劣化も要注意です。賃貸では室内のクロスや床材を濡らす前に、電源停止と受け皿の設置で被害抑制を行い、原因が自力で除去できる詰まりか、修理が必要な不具合かを切り分けるのが近道です。

• ポイントを押さえると判断が速く安全です。

短時間で原因領域を把握し、対処順を組み立てやすくなります。

室内湿度や設定温度の影響を受けた結露量の変化

結露量は室内湿度と設定温度に強く影響します。湿度が高いほど空気中の水蒸気が多く、冷えた熱交換器に触れると一気に結露が増加します。さらに設定温度を低くし風量が弱いと熱交換器が過冷却になり、ドレンパンへ落ちる水が急増して排水負荷が高まります。梅雨や猛暑日にエアコン水漏れが急に始まるのはこの組み合わせが多いからです。室外機周りの気温や日射で冷媒挙動が変わると結露量も変動します。加えて室内の換気不足、キッチンの水蒸気、洗濯物の室内干しなども湿度を押し上げます。予防としては、フィルター清掃で熱交換器の通風を確保し、除湿モードや自動運転を活用して過度な低温連続運転を避けることが有効です。状況次第で一時的に設定温度を上げ、風量を中以上にすると排水追従性が改善します。

今の症状から当てはめる初期診断

エアコン水漏れは症状の出方で絞り込みやすいです。運転開始直後ではなくしばらくしてからポタポタが始まるなら排水遅れやドレンホース詰まりを疑います。室内機の右側だけ濡れる場合は、ドレン出口が右寄りの機種でホース勾配不良や接続緩みが有力です。特定ブランドの型式では右側に寄る傾向もあり、パナソニックで右側滴下が多い報告は勾配と接続の再確認が効果的です。逆に左側なら内部の水平ズレや据付板のたわみが関与しやすいです。暖房時は結露が少ないため室外機下の水は霜取り排水が正常挙動、冷房時の室外機周辺の大量水はドレンホース位置の外れや折れが原因になり得ます。賃貸では自力修理の範囲を超える据付不良やドレンパン破損は修理費用負担の取り決めを管理会社に確認しましょう。

1. 電源を切る、感電・漏電を防ぐために必ず停止します。
2. 水滴位置と運転モードを記録し、右側か左側かを確認します。
3. ドレンホースの先端確認と掃除、勾配と折れの是正を行います。
4. フィルター清掃と風量中以上で再運転し、改善有無を観察します。
5. 直らない場合は修理を依頼し、症状と実施内容を伝えます。

発生位置で原因を特定するチェックリスト 右側 左側 中央 背面 底面 室外機

右側や左側からの水漏れは配管側やドレンホースの詰まりを優先確認

エアコンの右側や左側から滴る場合は、配管側で結露水の排水が滞っている可能性が高いです。まずはドレンホースの詰まり、配管勾配の不良、断熱材の劣化を疑いましょう。特に右側は配管が集中しやすく、機種によってはパナソニックやダイキンで傾向が異なります。チェックのポイントは次の通りです。

• ドレンホース先端の潰れや虫よけキャップ詰まりを確認する

• ホースの途中でループや上りがないかを確認する

• 室内機の水平が崩れていないかを水平器やアプリで確認する

下記の表で、症状と優先チェック項目を整理します。迷ったら安全のため電源を切ってから作業してください。

作業時は無理に室内機を持ち上げないことが重要です。壁固定金具の歪みや配管亀裂の原因になります。

ドレンホースの先端や虫よけキャップの詰まりチェック手順

ドレンホースの先端詰まりはエアコン水漏れの代表的原因です。安全に確認するため、以下の手順で進めてください。必要工具は軍手、不要歯ブラシ、雑巾、できれば手動ポンプです。

1. 本体の電源を切り、感電防止のためプラグを抜く。
2. 屋外のドレンホース先端位置を探し、地面や溝に埋もれていないかを確認する。
3. 先端の虫よけキャップを外し、砂埃・泥・虫の殻を取り除く。
4. 歯ブラシで軽く内側を掃き、潰れや折れがないか外観を確認する。
5. 手動ポンプがあれば先端から吸引し、排水が一気に流れれば改善の合図です。

作業後はキャップを戻しすぎて通気を塞がないことがポイントです。先端は地面から離し、風通しの良い位置に固定すると再発予防につながります。

中央や吹き出し口からの漏れはフィンやファンの汚れが疑わしい

中央や吹き出し口からのエアコン水漏れは、熱交換器フィンや送風ファンの汚れが原因で結露水が飛散しているケースが目立ちます。フィルターの目詰まりで風量が落ちると、フィンが過冷却して水滴が成長し、ドレンパンへ落ち切らずに前面へ伝ってきます。対処の方向性は次の通りです。

• フィルターのクリーニングを実施し、風量を回復させる

• フィン表面の埃やヤニを専用クリーナーで除去する

• 送風ファンの羽根に付着したカビやスライムを取り除く

フィン洗浄時はセンサーや基板を濡らさないように養生が必須です。送風路の汚れが強い場合は分解が必要になるため、無理せず業者に依頼してください。改善後に弱風でなく自動または強風で運転すると結露の滞留を抑えやすいです。

今日すぐできる応急処置と被害拡大を防ぐ初動対応

安全確保のための手順と止水のために避ける行為

エアコンの水漏れは焦らず初動が肝心です。まずは安全確保と二次被害の防止を優先しましょう。ポイントは電源遮断、漏水経路の確認、無理な分解の回避です。以下の手順で進めると被害を抑えつつ、原因の切り分けがしやすくなります。

• 濡れた手で触らない、感電を避けるために足元を乾かしてから対応します

• リモコンで停止→ブレーカーOFFの順で電源を確実に遮断します

• プラグ周りと床の水気を拭き取る、延長コードは外しておきます

• 送風運転のみで10〜20分の一時乾燥を行い、結露過多かを確認します

• 室内機の前面パネルは開閉のみにとどめ、内部の分解は行いません

送風で症状が軽減するなら、フィルターや内部の結露増大が疑われます。逆に変化がない場合はドレンホースの詰まりや勾配不良の可能性が高いです。以下の表で「やるべきこと」と「避ける行為」を整理します。

補足として、屋外のドレンホース先端に虫やゴミが詰まっていないかを確認し、軽く振って水が出れば排水が機能しています。強い水流や過度な力をかけると破損の恐れがあるため優しい扱いを徹底してください。

水受けや養生テープの使い方と室内保護のポイント

被害の拡大は早い養生で防げます。エアコン水漏れが続くと床材の変色や家電の故障、住まいのカビ発生につながるため、流路を限定して吸水面積を確保するのがコツです。以下の流れで手早く設置しましょう。

1. 水の落下位置にバケツやトレイを置き、タオルを敷いて跳ね返りを吸収します
2. 室内機直下にタオルを重ね敷きし、四隅を養生テープで固定してズレを防ぎます
3. 壁面はラップやビニールシートを縦に貼り、下端を受け皿へ誘導します
4. 家財や電源タップを移動し、濡れた配線は乾拭き後に自然乾燥します
5. 窓を少し開けて換気し、湿気を逃してカビ発生を抑えます

• ポイント

  • 吸水タオルは厚手を複数枚用意し、交換サイクルを短くして臭いと湿気を防ぎます
  • 養生テープは弱粘着を選び、壁紙の剥がれを避けます
  • 床材が木質の場合は早期乾燥を徹底し、変形やシミを予防します

この養生は応急対応です。送風での一時乾燥やドレンホース先端の確認と組み合わせることで、被害を抑えながら原因の切り分けが進みます。エアコン水漏れが継続する場合は早めに修理を検討してください。

原因別の自分で直せる対処法 ドレンホースとドレンパンの掃除と詰まり解消

ドレンホースの詰まりを解消する手順と必要な道具

エアコンの水漏れが室内機からポタポタ出る場合、最も多い原因はドレンホースの詰まりです。ホコリやカビ、虫の侵入で排水が止まり、ドレンパンがあふれて漏れます。自分で解消するなら、屋外側からの吸引と洗浄が基本です。必要な道具は、家庭用掃除機、ドレンホースクリーナー（手動ポンプ）、雑巾やビニール袋、ゴム手袋。手順は、1.エアコンの運転を停止し電源を抜く、2.屋外のホース先端にビニール袋でカップを作り掃除機で短時間吸引、3.詰まりが強いなら専用ポンプで押し引きしてスライムを排出、4.排水が流れたら運転して結露水の排出を確認。掃除機は5秒程度を小刻みに行い、モーター焼損を防ぎます。ポンプは強く押し込みすぎないことが重要です。これで改善しない場合はホース内部の固着や勾配不良を疑いましょう。

• ポイント

  • 屋外側から吸うのが基本で逆流を防げます
  • 短時間吸引で掃除機を保護します
  • 専用ポンプは押して引いてを繰り返します

逆勾配や先端の潰れを直すチェックポイント

エアコンの水漏れが続くときは、ドレンホースの逆勾配や先端の潰れがないか確認します。排水は重力で流れるため、室内機から屋外へ緩やかに下がる勾配が必須です。チェックは、1.ホース全体の取り回しを目視、床面や配管に持ち上げられていないかを見る、2.固定具や結束バンドの締め過ぎで潰れていないか触って確認、3.先端が地面や植木に埋もれていないか、水面に浸かっていないかを確認、4.化粧カバー内に水だまりがないか、カバーを外して点検、5.必要なら固定具の位置をずらし、先端を地面から5〜10センチ浮かせて開口を確保。先端には防虫キャップを使うと再発防止に有効ですが、目詰まりを起こすこともあるため定期清掃が前提です。右側や左側から漏れる場合は、室内機側のドレン接続位置と配管ルートに沿って勾配の乱れがないかを重点的に確認します。

ドレンパンの汚れを取り除く手順と注意点

室内機の受け皿であるドレンパンにスライムやカビが堆積すると排水口が詰まり、運転中に水がオーバーフローして水漏れになります。作業前に電源を必ずオフにし、壁や床を養生してください。必要道具は、中性洗剤、柔らかいブラシ、ウエス、スプレーボトル、養生テープとビニール。手順は、1.前面パネルとフィルターを外し内部を露出、2.ドレンパン周りを養生して滴下しても染みない状態にする、3.排水口周辺のスライムをブラシでやさしく除去、4.中性洗剤を薄めて塗布し数分置いてから拭き取り、5.排水口へ少量の水を注ぎ通水を確認、6.部品を戻して送風運転で乾燥。注意点は、強アルカリや塩素系を不用意に使わないこと、基板やファンへ水をかけないこと、排水口に固形物を落とさないことです。右側や左側の一部から漏れる場合、ドレンパンの傾きや接続部の劣化が関与するため、清掃で改善しなければ修理依頼を検討しましょう。

1. 電源を切り床と壁を養生する
2. フィルターを外しドレンパン周りを露出
3. スライムとカビを中性洗剤で除去
4. 排水口へ水を注ぎ通水確認
5. 送風で乾燥して再発をチェック

フィルターや内部の汚れが招く水漏れを防ぐ清掃サイクルと道具選び

フィルター清掃の頻度と効果的なやり方

エアコンのフィルターは、2週間から1か月を目安にホコリ除去を行うと安定します。汚れが溜まると送風量が落ち、熱交換器が過冷却になって結露量が増加し水漏れにつながりやすくなります。日常ケアは難しくありません。停止とブレーカーオフを確認し、前面パネルを開けてフィルターを外します。屋外で軽く叩いて大きなホコリを落とし、ぬるま湯で裏面から洗い流し、陰干しで完全乾燥してから戻してください。掃除機での吸引だけでも風量は回復しやすいですが、月1の水洗いが理想です。油分が多いキッチン近くでは中性洗剤を薄めて短時間で洗い、残留洗剤を十分にすすぐことがコツです。最後に吸気口とルーバー周りを乾いた布で拭き、運転開始後に異音やポタポタ音がないか確認すると安心です。

• 清掃頻度は2週間〜1か月

• 水洗い後は完全乾燥

• 送風口やルーバーも同時に拭き上げ

内部洗浄の可否判断とプロ依頼に切り替える基準

内部の熱交換器やドレンパン、ドレンホースの汚れはエアコン水漏れの主要原因です。ただし、分解を伴う内部洗浄は機種や構造で難易度が変わります。お掃除機能付き、天井埋込型、結露水の排水経路が複雑なモデルは、無理をせず専門の修理やクリーニングを依頼するのが安全です。目安は次の通りです。分解に自信がない、樹脂パーツの劣化でツメが割れそう、右側や左側の筐体が壁近で作業スペースが不十分、運転中に異臭や送風低下、ドレンホースからの排水不良が見られる場合はプロ対応に切り替えましょう。とくに設置年数が長い住まいや賃貸では、修理費用や原状回復の観点で専門作業が結果的にリスクを減らします。自己作業はフィルターと見える範囲の表面清掃に留め、排水系統の詰まりや勾配不良の調整は業者判断を推奨します。

洗浄スプレーの使用上の注意と水漏れ悪化を避けるコツ

市販のアルミフィン用洗浄スプレーは手軽ですが、残液がドレンパンやドレンホースへ一気に流れ込み詰まりを助長するケースがあります。悪化を避けるコツは、噴霧量を少量ずつに分け、フィンの上から下へ均一に当てること、電装部や基板へ絶対にかけないこと、噴霧後は送風運転のみで30〜60分の乾燥を確保することです。吹き返しや泡が溜まると排水経路に洗剤カスが残り、後日のエアコン水漏れやポタポタ音の原因になります。におい戻りが強い場合は使用をやめ、クリーニングを業者に依頼しましょう。仕上げに吸気フィルターを装着し、短時間の冷房運転で排出状況を確認すると安心です。スプレーは万能ではないため、内部が重度に汚れている時は早めのプロ洗浄が最短ルートです。

1. 少量を複数回に分けて噴霧
2. 電装部にかけない
3. 送風運転で十分に乾燥
4. 冷房短時間で排水確認

賃貸やマンションでの水漏れ対応 トラブルを避ける連絡と記録のしかた

連絡優先順位と写真記録で後トラブルを防ぐ

エアコン水漏れが起きたら、まずは被害拡大を防ぎつつ、賃貸やマンションでの責任分界点を明確にできるよう、連絡と記録を同時に進めます。ポイントは、連絡の優先順位を守ることと、写真・動画で証拠を時系列で残すことです。管理会社やオーナーへ迅速に伝えることで、修理手配や費用負担の判断がスムーズになります。室内機の下にタオルや受け皿を置き、ブレーカーは落とさずリモコンで停止し、床材や階下住戸への二次被害を回避します。ドレンホースの外側確認や水の滴下位置の撮影も有効です。エアコン水漏れはドレンホース詰まりやドレンパンの汚れなどが原因のことが多く、「どこから」「どれくらい」「いつから」を押さえた記録が修理の質を上げます。下記の手順で、連絡→記録→共有を一気通貫で進めましょう。

• 管理会社やオーナーへ最優先で電話連絡を入れる（受付時間外は緊急窓口を利用）

• 写真・動画をスマホで撮影し、撮影時刻が残る形で保存

• 被害範囲（床・壁・家具・階下）を広角と接写で押さえる

• エアコン型番・設置位置・使用状況をメモして併せて共有

以下の表を参考に、誰に何をいつ伝えるかを整理すると、やり取りの漏れを防げます。

連絡後は、チャットやメールのスクリーンショットを時系列で保存し、日付ごとにフォルダを分けると、費用負担や原状回復の判断時に役立ちます。エアコン水漏れの修理費用は共用部や設備起因か、居住者の使用や清掃状況によって扱いが変わるため、客観的な記録が何よりの味方になります。

どこに修理を頼むかの判断基準と費用目安 自力対応との線引き

メーカー窓口 家電量販店 地域業者の使い分け

エアコンの水漏れは症状で依頼先を選ぶと早く確実に解決できます。メーカー窓口は同一ブランドに強く、部品供給や技術資料が充実しているため、保証期間内や基板・センサーなど内部故障が疑われるときに最適です。家電量販店は設置履歴が残っていることが多く、設置起因の勾配不良や配管断熱の甘さなどに素早く対応できます。地域業者は対応スピードと柔軟な料金が魅力で、ドレンホースの詰まりや軽微なドレンパン清掃などの実務に強いです。自力対応の線引きは安全性と再発リスクが基準です。以下を参考にしてください。

• 自分で対応しやすい症状

  • ドレンホース先端の詰まり除去や位置調整
  • フィルターと簡易的な内部クリーニング

補足として、室内機右側や左側に偏る滲みは、配管取り回しやドレン勾配の影響が多く、プロ点検が近道です。パナソニック機で右側からの漏れが多い事例では、配管側の結露や断熱不良が見つかることがあります。

修理費用の目安と見積もり時に確認すべき項目

見積もりでは出張料と作業費、必要に応じて部品代を分けて確認します。エアコン水漏れは原因が複合することがあり、現地での追加作業が発生しやすいため、上限と範囲を最初に合意しておくと安心です。自分で直せる範囲を越えるのは、断熱補修やドレンパンの分解清掃、勾配の是正、基板交換などです。下記の費用感を参考に比較検討してください。

見積もり時に確認すべきポイントは次の通りです。

1. 症状と原因仮説の共有（室内機のどちら側から漏れるか、ポタポタの頻度）
2. 費用の内訳（出張料、作業費、部品代、再訪費の有無）
3. 再発時の対応（一定期間の作業保証や調整無料の範囲）
4. 作業範囲（室外機や配管ルートの点検を含むか）
5. 日程と所要時間（冷房使用時期は混み合うため最短日程の提示）

補足として、賃貸では管理会社への連絡が先です。設置起因の問題はオーナー側負担になる場合があり、勝手な分解で費用負担が移ることを避けられます。

室外機や配管まわりの水に関する正しい理解と異常の見極め

正常なドレン水と異常な水たまりの違い

冷房運転中に室外機付近へ少量の水が排出されるのは正常です。これは熱交換で生じた結露水がドレンホースから排水されているためで、透明で無臭、地面に薄く湿る程度なら心配はいりません。一方で、においが強い、濁っている、短時間で大きな水たまりができる、ホース先端が乾いているのに室内機下が濡れるなどは異常のサインです。原因としてはドレンホースの詰まりや勾配不良、ドレンパンの汚れ、フィルターの目詰まりが代表的です。エアコン水漏れは放置するとカビや腐食の原因になるため、まずはドレンの排水状況を確認し、必要に応じて清掃や点検を進めましょう。

• 正常の目安は透明・無臭・少量の連続排水です

• 濁りや大量の水たまりは異常の可能性が高いです

• ホース先端が乾いているのに濡れる場合は室内側トラブルです

補足として、暖房時は基本的に室外機からの排水は少ないため、冷房時との違いも把握しておくと判断しやすくなります。

配管の断熱不良や化粧カバー内の結露で室内側に水が回るケース

配管の断熱が不十分だと、配管表面で結露が発生し、化粧カバー内に水がたまって室内側へ回り込むことがあります。隠蔽配管や壁内通しでは結露水の逃げ場が少なく、クロスのシミや室内機の右側・左側どちらかに偏った濡れとして現れるのが特徴です。エアコン水漏れの見極めは、室内機下だけでなく配管ルートの点検が要点です。確認は次の手順が有効です。

1. 室内機周囲の濡れ位置を特定し、右側か左側かを記録します
2. 化粧カバーを外せる範囲で開け、断熱材の破れや結露跡を確認します
3. ドレンホースの勾配と接続を目視し、たるみや押し潰れがないかチェックします
4. フィルターと熱交換器の汚れを確認し、必要なら清掃します
5. 室外側のホース先端が浸水や泥で塞がれていないかを見ます

断熱材の補修や追い巻き、勾配の再調整で再発を抑制できます。症状が長引く、壁内が湿っている場合は早期に修理依頼を検討してください。

短時間で症状が悪化する場合は、稼働を止めて点検に移るのが安全です。

雨天時や台風時に逆流を防ぐコツ

強風や豪雨でドレンホースの先端から雨水や風が入り、室内側へ逆流してエアコン水漏れが起きることがあります。対策のポイントは、先端位置と向き、そして異物侵入の抑制です。難しい工具は不要なので、天候が落ち着いたタイミングで調整しましょう。

1. 先端を地面から5〜10cm上げ、水たまりに浸からない高さに固定します
2. 先端の向きを横向きまたは下向きにし、風の直撃を避けます
3. 防虫キャップを装着しつつ、通水を妨げないタイプを選びます
4. 先端のつぶれ・折れを矯正し、緩やかな勾配を確保します
5. 雨樋や吹き上げ風の直下を避けるレイアウトに変更します

これらは逆流と詰まりの両方を抑える基本策です。台風後は泥や葉の堆積が起きやすいため、ホース先端の通水確認と簡易洗浄をセットで行うと安心です。

よくある質問 使い続けてもよいかや直し方の限界などを専門家が解説

使用を続けた場合のリスクと止めるべき条件

エアコンの水漏れを放置して使い続けると、漏電や基板の腐食、壁紙や床材のカビ拡大につながります。とくにドレンホースの詰まりで排水できない状態は、室内機内部に水が滞留しやすく、ファンへ水が当たって飛散します。停止判断の目安は次の通りです。1時間にコップ半分以上の滴下、運転直後からの連続的なポタポタ音、焦げ臭やカビ臭、異音（ガラガラ・ビビり）、ブレーカーが落ちる予兆です。賃貸では下階への水濡れ事故が損害に直結するため、被害拡大前に止めるのが安全です。応急処置は電源を切り、コンセントを抜き、受け皿やタオルで養生し滴下範囲を限定します。右側だけ濡れる、左側から滴るなど偏りがある場合は設置やドレン系統の不具合が疑われます。

• 停止基準のポイント

  • 大量滴下（1時間で約100〜150ml相当）
  • 異臭・異音・ブレーカーの違和感
  • 壁内や天井内に染みが広がる兆候

補足として、暖房時の室外機下の水は霜取り排水で正常な場合がありますが、泥混じりや油膜がある場合は点検が必要です。

一時的に直った場合の再発防止と点検のタイミング

「ドレンホースを掃除したら直った」「一晩乾かしたら止まった」など一時的に改善しても、再発の芽を残していることが多いです。再発防止には、原因を「詰まり」「勾配不良」「断熱不良」「部品劣化」に切り分け、確認と清掃を計画的に行います。とくにエアコン水漏れでは、ドレンホースの勾配やドレンパンの汚れ、フィルター詰まりが連動して再発します。点検の目安は冷房本格稼働の2〜4週間前、長時間運転後の結露量が増える梅雨入り時、賃貸の退去・入居前後です。自分でできる範囲はフィルター清掃、ドレンホース出口の吸い出しや異物確認、屋外側の折れ・持ち上がり確認までにとどめ、右側だけ漏れる機種特有の症状（例：パナソニックで右側からの滴下）や配管結露が疑われる場合は業者へ相談しましょう。下記の流れで精度が上がります。

1. フィルターとルーバー周辺の清掃で風量を回復させる
2. ドレンホース出口を確認し、吸引ポンプや掃除機で軽く吸い出す
3. 室外機周辺と配管保温材の破れを点検し、結露跡を拭き取る
4. 再運転して5〜10分の滴下有無を観察する

再発しやすい条件（高湿度・長時間運転・勾配不良）が整うと、短期でポタポタが戻るため、年1回以上の内部クリーニングと据付確認が有効です。